地元ダイバーの発見から10年!五島列島オオスリバチサンゴの実態に迫る!

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オオスリバチサンゴ

長崎県・五島列島の福江島(フクエジマ)にダイビングショップを構える福見さんは、10年程前、今までに見たこともないような大きなオオスリバチサンゴを多々良島(タタラジマ)沖にて発見した。

それからは、ダイビングポイントとして多くのダイバーを案内し、楽しませてきたが、正確なサンゴの大きさや年齢に関しては不明のままであった。

あれから10年。今年の3月23~25日にかけて、国立環境研究所などが行った調査によって確定的な大きさや年齢が判明したという。

長年、オオスリバチサンゴを見つめ続けた福見さんも「まさか、ここまでとは」と唸る結果となった。

研究者も驚きのビッグサイズ!年齢は4桁!?

オオスリバチサンゴ

水深約8~16mの海底に鎮座するオオスリバチサンゴ

サンゴは、オオスリバチという名の通り、すり鉢状に横に広がって成長しており、直径は約16m、高さは6mと判明。

調査は国立環境研究所と海の環境NPO法人「OWS(the Oceanic Wildlife Society)」によって2019年10月から進められ、今年3月の調査で確定的な大きさが分かった。

さらにサンゴの年代を測定するための専用道具も用いて検査。こちらは分析にまだ時間を要するようだが、国立研究所によるとここまで成長するには1000年はかかっているのではと推測している。

福見さんに聞く、発見当時のお話

マリンサポート五島海友福見さん

発見当時の様子について、オオスリバチサンゴの発見者で、五島列島の福江島にダイビングショップを構える福見さんはこう話す。

「発見したのは、務めていた福岡のダイビングショップを退職し、生まれ故郷の福江島でダイビングショップを始めてから2~3年経ったころなので、ちょうど2010年頃でしょうか。その日も港から約10分のボートポイントである多々良島の湾内で潜っていたのですが、たまたま普段と反対方向に進んでみたら、沈み根があって、そこから砂地をさらに進むと、ドーンと現れたんです。当時からその大きさにはビックリしていたのですが、宮崎県の延岡(ノベオカ)にも立派なオオスリバチサンゴの群生があると聞いていたので、今回の調査結果には改めて驚かされました。国立研究所の方が世界最大級と言っていたのが感慨深いです。」

オオスリバチサンゴ

当局の調査が行われる前にも、福見さんたちによってサンゴの大きさを計測。外周で約40mという結果だったという。

オオスリバチサンゴは、イシモチやネンブツダイ、イシダイなど多くの魚のよりどころになっている。

福見さんは、オオスリバチサンゴの存在でさらに五島列島の魅力が広まることを期待している。

おすすめは秋口!五島列島、多々良島と福江島の魅力

世界最大級のオオスリバチサンゴ、ぜひお目にかかりたいものだが、せっかく見に行くなら、他の見どころも知っておきたい。ということで、オオスリバチサンゴがある多々良島と、福見さんがショップを構える福江島の魅力について教えていただいた。

「多々良島だけでなく福江島にも言えることですが、なんといっても魚影の濃さが魅力。特にご案内するポイントは潮通しが良いので、ブリやヒラマサ、カンパチといった美味しい魚がグルグル。また、サンゴに限らず、ソフトコーラルも大きなものが多く、人間くらいのものも。スケールが大きい海中景観が魅力です」。

マリンサポート五島海友 マリンサポート五島海友

「そして、福江島には全長が日本一の沈没船ポイントがあるんですよ。沖縄県古宇利島の沖にあるUSSエモンズは全長106mですが、こちらは全長120m。38mに深さに沈んでいます。この船は韓国の貨物船のようで、フィリピンから韓国へ丸太を運んでいる最中に、低気圧にあってひっくり返ってしまったようです。船内ではその時の丸太を見ることができます」。

マリンサポート五島海友

福見さんに遊びに行くならいつがオススメかお伺いしたところ、夏休みは混雑が見込まれ、9月は台風が多いため、10月から11月にかけてが狙い目とのこと。コロナ情勢が落ち着き次第、ぜひ遊びに行きたい。

協力:マリンサポート五島海友

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PROFILE
アウトドアレジャー予約サイトの取材ライター出身。いままでに取材した日本全国のアウトドアカンパニーは130社ほど。ネットワークを活かした記事作りが得意!?かもしれない。一番好きなアクティビティはダイビング!とは言い切れないかもしれない。
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