沖縄の沈船「エモンズ」に行くなら絶対に知っておきたい!魅力と注意点を5つずつ紹介!

ダイビングの楽しみ方のひとつに、海底に沈んだ船や飛行機などを目当てに潜るレックダイビングというものがある。世界各地にはさまざまな船や飛行機が沈んでいるが、ここ日本で行けるポイントには熱海や与論島や小笠原諸島などがある。
わたくしセリーナはダイビングを始めて約2年半だが、正直なところ沈船より魚派‼︎ あまり沈船には興味がなく沈船未経験だった。しかし、知人に沖縄県・古宇利島の「エモンズ」という沈船を激推しされたので、どんなものか行ってみることに。最終的に私は、エモンズの想像以上の迫力に圧倒されるのだが、そのエモンズの魅力や楽しむためのポイントを今回は紹介していこうと思う。

エモンズってそもそもどんな船?

エモンズ(USS EMMONS, DD-457/DMS-22)は、第二次世界大戦に活躍したアメリカの駆逐艦(※1)。同じく駆逐艦のロッドマン(USS Rodman, DMS-21)とともに沖縄戦に参加していたエモンズは、1945年、航行中に日本の特攻機5機の標的にされ、うち1機がエモンズに突撃。大爆発を起こした。この特攻で、エモンズの乗員60名が戦死し、77名が負傷。日本軍の手に渡ることを避けたかったアメリカ軍は、自らエモンズを沈めたという。時がたち、2000年に地元漁師が海底からときどき湧く油を発見。海上保安庁の海底調査によってエモンズが発見された。現在では、全長106mという国内最大級の沈船を見ることができるダイビングスポットとして、多くのダイバーを魅了してきている。
(※1)駆逐艦とは、多様な作戦任務につく、重装備で高速な水上戦闘艦。

エモンズまでの道のりも絶景

ポイントは古宇利島(こうりじま)の漁港からボートで約15分のところ。古宇利島の漁港までは那覇空港から車で約2時間(高速道路利用) 。車での移動中には古宇利島大橋からの絶景を楽しむことができる。

エモンズ目指して、いざ出港!

漁港を出発し、観光客に人気の海岸、ハートロックをチラ見しながら約15分。その間は、船も揺れないので船酔いしやすい方も心配はなし。ポイントに到着したらバックロールでエントリーし、エモンズが沈む水深40mを目指していく。

このポイントは水深が深いだけでなく、潮の流れが強い場合があるのでロープを掴んで潜行。全長106mのエモンズには船首、中央、船尾の3箇所にブイが打たれており、潮の流れによってエントリー箇所を決めるという。たとえば1本目は船首からエントリーして中央でエキジット。2本目は中央からエントリーして船尾でエキジットといったように、2本で船の全体像を観ていくという流れだ。

潜降していくと、ぼんやりと巨大な船体が現れてきた…

私は沈船にあまり興味がないとはいえ、「沈船って一体どんなもんなんだろう」と内心とてもワクワクしていた。徐々に水深を下げていき、20mを超えたあたりで薄っすらとその巨大な船影が。普段のダイビングでは感じられない、冒険心がかき立てられた。

魅力① 船首からの景色
私が何よりも楽しみにしていたのは船首からの景色である。事前情報として船首から少し離れて俯瞰するとカッコイイ!と聞いていたので、実際にやってみた。「・・・おーーーーー!! カッコイイ!!! これがエモンズ!!」。威厳あるその佇まいに圧倒された。

魅力② 砲台
全部で3つある砲台は、当時の姿のまま残っている。実際にここから大砲が発射されていたと思うと、少し怖くなった。

Craft Dive提供

魅力③ 掃海具
エモンズの船尾から数十mほど離れたところの砂地に落ちているのは掃海具。(※2)今でも爆発する可能性が無いとは言い切れないという。
(※2)エモンズは1944年に水中爆弾である機雷(きらい)を掃海(片付ける)役割を持つ掃海駆逐艦へと艦種変更。掃海するための道具が掃海具である。

魅力④ 慰霊碑
エモンズの中央部分には慰霊碑が飾られており、この船とともに戦死した乗員の名が記されている。亡くなった人を悼み、手を合わせた。

魅力⑤ 大きな破損部
船首には戦争の恐ろしさを感じさせる大きな破損部(穴)があり、その破損部からライトを照らしながら船内の様子を観たり、実際に侵入(くぐるというイメージ)していくことが可能。船内には当時使用されていたロープや家具などがそのまま残っている。

Craft Dive提供

エモンズを安全に楽しく、堪能するためのポイント

ここまで紹介してきたが、実はこのエモンズは水深35m〜45m、かつ流れが速いときもあるため中上級者のダイバー向けとなっている。楽しむためには、いくつか注意点があるので5つのポイントをご紹介したい。

①フィンワークは上手に
構造物がもろいため、フィンで蹴り上げないように注意が必要。歴史的な船を傷つけないようにしたい。

②中性浮力のスキルもあった方がベター
鋭利な箇所のあるためゲージやスーツが引っかからないように中性浮力のスキルもあった方がよいだろう。

③水中ライト持参
水深40mの割に、海中は明るい印象だが、船内を覗くときには水中ライトで照らした方がより詳しく観ることができる。

④流れに注意
エモンズに着くまで、潮の流れが強い場合がある。その時は潜行ロープにしっかりと掴まり、潜行しよう。浮上するときも同じだ。安全停止のときには鯉のぼり状態になることも。また、ロープには貝が付着している箇所もあるので、手袋の着用をおすすめしたい。

Craft Dive提供 (わたしが行ったときは流れが少なかったので、鯉のぼりのイメージ)

⑤水深40mなので耳抜き、DECO、窒素酔いに注意!
これが一番大事なポイント。潜行時はこまめに耳抜きをして、無理は禁物。エモンズ到着後は自分でダイブコンピューターをこまめに確認し、DECO(減圧不要限界内を超える状態)にならない範囲で楽しもう。窒素酔いにも注意が必要だ。

沈船初心者セリーナ、ダイビングを終えて

初沈船ダイビングなだけあってとてもワクワクしていたが、その期待を裏切らない迫力と威厳のある佇まいに圧倒された。また、ダイビングを通じて歴史的な一面にも触れることができるという意味でも、とてもいい経験となった。25歳のわたしには日本で戦争が行われていたことが、遠い昔のことでピンときづらい部分もあるが、当時の戦争の痕跡を実際に自分の目で見ると、戦争の恐ろしさをまざまざと感じさせられる。

ぜひ、ダイビングの楽しみが広がるレックダイビングに挑戦してみてはいかがだろうか。

写真提供(今回お世話になったダイビングショップ):Craft Dive

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PROFILE
2018年、電子部品メーカーに新卒で入社。同時にダイビングも始める。平日は広報室で社会人としての経験を積みながら、土日は海通い。次第に海やダイビングに対しての想いが強くなりすぎたため、2021年にオーシャナに転職。
現在はライターとしてネタ探しに目を光らせているが、海やダイビングについての記事を書けることに幸せを感じている。ダイビングをもっと広める!子どもたちの未来にも綺麗な海を届ける!そんな想いで日々活動している。