慶良間のフォト&ムービーコンテスト中間レビュー!賞を狙う秘策は?まだまだ作品募集中!
5月に応募が始まった慶良間諸島で撮影された写真と動画対象にしたコンテスト「渡嘉敷フィルムフォト&ムービーフェスティバル」。作品募集期間は10月15日までとまだまだあるが、夏本番を迎える今、審査員の鍵井靖章氏、中村卓哉氏、武藤洋氏と現在の応募状況を見ながらレビューを実施。それぞれの審査員が期待していることとは、そして入賞を目指すなら意識しておきたいことなど、ざっくばらんに話していただいた。
水中マクロ作品は「物語を感じさせる一枚を」
生き物のすみかであるサンゴ礁が豊富な慶良間の海には、当然ながらたくさんの生き物たちが息づいている。時には生命力を感じさせる群れとなり、時にはひっそりとサンゴや岩陰に潜む。水中マクロ賞審査員の鍵井氏は、生き物たちの写真から「物語を感じさせてほしい」と言う。
慶良間のマクロ作品に期待することはなんですか?
正直、慶良間でマクロって結構難しいと思うんですよ。どうしてもワイドの視点になりがちなんです。僕も慶良間の海にめちゃくちゃ通っていますけども、正直いってマクロ撮るのってぶっちゃけ10分の1くらいかもしれないです(笑)。
慶良間ってマクロ向きの海ではないの?
いや違うんですよ。ワイドに目が引っ張られちゃうんですよ。
なるほど。透明度もいいですしね。
とか言いながら、慶良間でマクロを撮っている僕の周りの方の作品って、結構すごいんですよ。だからきっとこのコンテストでも、そういうすごい写真が出てくるんじゃないかと期待しています。少なくともそれは、お魚が真ん中にいる図鑑写真みたいなものではないですね。
と、いうと?
ワイドもそうかもしれませんが、マクロの中にも物語的要素があったほうが僕らの心には届くんじゃないかなと思います。ちっちゃな画角の中だけど、ちょっと物語を入れて作ってほしいと思います。あと、慶良間は明るい海じゃないですか。なので出てくる写真は日本人が好みそうなパッと明るい写真が多くなりがちなのですが、そこを逆手に取ってちょっと影がある、光と影があるような写真も良かったりするんじゃないかなあ。
特にレアな生き物を狙わなくても、キンギョハナダイとかカエルウオとか、よく慶良間にいる生き物でよくて、とにかく物語を見せてほしいですね。あと僕はエビとカニが嫌いなので、あえてエビとカニで勝負してください(笑)。
水中ワイド作品は「あなたの伝えたい慶良間をシンプルに」
豊かなサンゴ礁や真っ白な砂地、水色のデバスズメダイの群れ…。明るく優しい印象の慶良間の海は、ワイド写真にはうってつけ。そんな慶良間のワイドの光景に、水中ワイド賞審査員の中村氏が期待することとは。
中村さんがワイド作品に期待していることはありますか?
慶良間って那覇から日帰りでも行けるような身近なところじゃないですか。水深も浅めで穏やかで、ふっと潜りに行けるような海だと思うんですね。応募作品を見ても、砂地に並んだトゲチョウチョウウオがのんびり泳いでいるような写真やサンゴの写真がたくさんあって、やっぱり癒しの海のイメージが強いと思うんですよね。それゆえに、似たような写真が多くなっちゃうんですよね。
確かに、癒しの海のイメージが強くて、それを目にしたらそのまま作品にしてしまいそうです。
なので、その中で何を伝えたいのかがはっきりした作品が見たいなと思っています。慶良間はサンゴ礁だけでなくて、洞窟やそこに差し込む光、白砂の砂紋など、水中の景観にもバリエーションがあります。そこでただ撮ったというだけでなく、光や色の美しさなどがシンプルに伝わる写真を期待したいなと思います。
Instagramで作品を見ているので、わーっと並んだサムネイルの中から選ぶのってなかなか難しいんですよね。その中で目を引くような写真って、狙いがシンプルなものが多いなと。それは構図だったり、色だったりすると思うんですが。
サムネイルでいうと、往々にしてスキンダイバーの方々ってそういうのがうまいですよね。見せ方というか。
スキンダイビング賞に応募されている方の作品を参考に、ワイドに生かして見るのもおもしろそうですね。ちなみに、中村さんが今まで慶良間で撮影してきた中で印象的だったシーンはありますか?
砂地に根が点在している箱庭的なサンゴの写真や、チョウチョウウオがポツンポツンと泳いでいる写真は結構撮ることが多いですね。自分も慶良間に対してそういったイメージが植え付けられているので、そういうポイントに行きたいとかリクエストしちゃいますね。そういう意味では、「こんなのもあったんだ」って自分の中のイメージを変えてくれるような作品も見てみたいですね。
動画は「音楽と構成で“ムービー”に仕立てよ」
水中はもちろん夜の星空やビーチなど、慶良間には心動かされる風景が盛りだくさん。目移りしてしまう環境の中で、審査員の武藤氏はムービー作品をどう見るのか。
ムービー賞に関してはいかがですか?
まず、もう少したくさん応募があるといいなと思います(笑)。まだ数える程度なので。
ある意味狙い目ですね。
作品で望むものとしては、ただの動画ではなく、きちんと構成された“ムービー”ですかね。何が違うのかというと、たとえば動画っていうのはYouTubeでいう可愛い猫ちゃんとかすごいお巡りさんの超テクニカルなUターンとか偶然撮れたもの。それに対してムービーは、ある程度構成されて計算されて作られたものです。もちろんワンカットでも考えられた構成でやるのはいいと思うんですよ。でもやっぱりただ撮れちゃったっていうのだけだと押しが弱いかもしれませんね。とかいって、そんなにハードル上げちゃって大丈夫かな(笑)。
むしろヒントになるとは思いますよ(笑)。
Instagramで応募していただくこのコンテストでは、リール機能が使えます。星野源とかビートルズとか使いたい曲が使えるということは、大きなメリットだと思うんですよ。ムービーは音楽と掛け算でより良いものにできると思うので、ぜひうまく使っていただきたいですね。
賞を狙うには?
Instagramの特性とガイドとのコミュニケーションが
入賞の鍵を握る!?
普通のフォトコンと違っておもしろいなと思ったのが、Instagramのフォトコンって他の人が出している作品が見られるんですよ。ということはおそらく、他の人の作品を超えていくってことを考えれば、勝てるかもしれません。
たとえば、前日にガイドさんと応募作品を見ながらどういう生き物や景色を撮りたいとか、こんな可能性あるよねとか打ち合わせして撮影に臨んでも楽しいかもしれないですね。僕たちがちょっと訪れただけじゃ知ることのできない景色を、ガイドさんたちは知っているので、それを教えてもらってよりよい作品を目指すっていうのも楽しいんじゃないかなって思います。
あと、何回応募してもいいので、後出しジャンケンでどんどんいい作品に磨き上げていってほしいですね。ちなみに、環境賞は応募がまだ少ないので狙い目です。慶良間には戦争の爪痕が残っているので、生き物にこだわらずに戦跡などを撮ってもいいかもしれないですね。
おお…。やっぱりガイドさんにいろいろ教えていただきたいですね。
現在応募は200件強
応募しまくって賞を狙え!
8月2日現在、229件の応募があります。全体を見渡してみていかがでしょう。
やっぱりワイド、マクロが多いですね。どの賞に何回応募してもいいので、これを機にどんどんチャレンジして欲しいなと思います。応募したい賞と部門を書き忘れている方もいてもったいないので、後からでも編集して希望の賞を入れてくださいね。
Fisheye賞とRGBlue賞がぱっと見多そうですが…。
そうですね。ただ、この2賞と渡嘉敷村長賞は、応募作品すべてから選ぶことになっているので、あえて書いていただく必要はないんです。なので、そのほかのワイド、マクロ、ムービーだけでなく、スキンダイビング、環境、ビーチ、渡嘉敷子供賞に応募していただければ、エントリーされたことになります。
もしかしたら水中ワイドとFisheye、ダブル受賞なんてこともありえるわけですね。
そうですね。
ちなみに…今回の目玉、水中マクロ賞と水中ワイド賞は、鍵井さんと中村さんそれぞれが受賞者の方にマンツーマンでフォトセミナーをしてくださるとのことですが、どんなことを教えていただけるんでしょうか?
いやもうね、なんでもリクエストしていただければ(笑)。
基本的にはリクエストベースということですね。
そうですね。刺激を与えることはできるかなと思います。たとえば慶良間のイメージって慶良間ブルーにひっぱられちゃうけど、光だけを伝えたいなら色はあえて取っちゃおうとかね。同じものを見つめて撮影して、こういう視点もあるんだっていうことを教えることはできるかなと。
僕は飴と鞭、両方とも用意しときます。飴がいいっていっても、鞭になっちゃうかもしれませんけど笑)。
自分が鍵井さんと潜りたいくらいです。
では、とびきりの鞭で愛情を感じてもらいます!(笑)
2人が選ぶグランプリが教える人に直結するわけだけど、この人教えたいなーとかそういう視点で選ぶことはありますか?
それはないですかね。僕が教えたら変わるのかなっていう視点では、選ばないと思いますね。応募作品の中からベストと思うものを選ぶと思います。
自分もそうですね。その人が撮った、見えた慶良間の海っていうのを表現してもらって、自分がそれから刺激をもらえるかどうかで判断したいです。
皆さんありがとうございます。どんな応募作品が来るのか楽しみですね。
そうですね。過去の作品でもエントリーできますが、この夏慶良間にいく方は、頑張って撮影した写真やムービーを、ぜひ応募してみてください。
夏本番となるこれからの時期、慶良間に訪れるダイバー、ノンダイバー、そしてガイドの方々、ぜひチェックしてコンテストにチャレンジしてみては。
応募にはInstagramを使用。下記の手順で手軽に応募できる。
1.Instagramで@tokashikifilmをフォロー
2,ご自身のアカウントに「投稿」もしくは「リール」から応募作品をアップロード
3.キャプションに「作品タイトル」、「撮影地」、「応募賞と部門」を記入
4.「#tokashikifilm」、「#渡嘉敷フィルムフェス」の2つをタグ付けして投稿
渡嘉敷フィルムフォト&ムービーコンテスト概要
・応募期間:2022年5月1日〜2022年10月15日24時
・対象:日本国内に住所をお持ちの全ての方
・使用機材:不問
・撮影地:慶良間諸島
・応募写真:ご自身か撮影し著作を有している写真
※スキンダイビング賞に関しては、ご自分が写っている写真の応募も可能。ただし、その場合カメラマンの名前を明記、またはメンション必須
・応募ムービー:ムービーの長さは60秒以上90秒以下。音源は使用許諾を得たものを使用すること
・応募点数:何点でも応募可能。ただし、1投稿に複数点の投稿があった場合「組み写真」として審査
・応募方法:Instagram
・賞:
水中マクロ賞(一般部門/島⺠部門)
水中ワイド賞 (一般部門/島⺠部門)
スキンダイビング賞(一般部門/島⺠部門)
環境賞 (一般部門/島⺠部門)
ムービー賞(一般部門/島⺠部門)
ビーチ賞(一般部門/島⺠部門)
渡嘉敷子供賞(島⺠部門のみ)
Fisheye 賞(部門設定なし)
RGBlue 賞(部門設定なし)
渡嘉敷村⻑賞(部門設定なし)
全10賞16部門
・審査方法:
各部門の担当審査員がお気に入りの 10 点をセレクト、ショートリストを作成。その後審査員が審査会議で各賞のベストを合議制で決定 (渡嘉敷村⻑賞、クライアント賞を除く) 。一部始終は後日「渡嘉敷フィルム YouTube Ch.」で公開予定。
・オンライン授賞式:2022年10月22日渡嘉敷フィルムYouTube Ch.にて発表 時間未定。
詳細はこちら
▶︎渡嘉敷フィルムフォト&ムービーフェスティバル公式サイト