ブルーカーボンの大事な作り手 海藻についてやさしく解説

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ブルーカーボンは海洋植物が作り出す有機炭素化合物で、優れたCO2吸収源として注目されています。
この記事では、ブルーカーボンの大事な作り手である海藻についてわかりやすく解説します。

ブルーカーボンとは


この記事のテーマはブルーカーボンの作り手である海藻ですが、先ずブルーカーボンそのものについて、ご説明します。

ブルーカーボンの定義

吸収源による吸収量を釣り合わせて、排出量を実質ゼロにすることです。地球温暖化危機の解決に向けて、2015年に採択されたパリ協定の取り決めに応じて、日本も含めた世界の数多くの国々において、2050年脱炭素実現に向けた取り組みが行われています。
▶︎関連記事:ブルーカーボンとグリーンカーボンの比較、多角的な視点から検証します。

ブルーカーボン生態系

ブルーカーボンを作り出す海洋植物が生育している群落をブルーカーボン生態系と言い、次の4種類があります。

  • ●アマモなどの海草(うみくさ)が生育する海草藻場
  • ●ワカメ・コンブなどの海藻(かいそう)が生育する海藻藻場
  • ●熱帯・亜熱帯の汽水域(淡水と海水が混ざり合う所)に生育するマングローブ
  • ●干潮時は砂泥地・満潮時は海中に没する干潟(ひがた)

▶︎関連記事:ブルーカーボンとは?地球温暖化防止に貢献する仕組みと注目を集める理由

ブルーカーボンは優れたCO2吸収源

ブルーカーボン生態系のCO2吸収能力は極めて高く、単位面積当たりのCO2吸収速度(吸収量/年)はグリーンカーボン生態系の5倍~10倍に当たると言われています。
また、ブルーカーボンは生態系の死後、最終的に浅海底の泥の中に貯留されますが、ここは無酸素状態なので、バクテリアにより分解されてCO2に戻ることなく、数千年という長期間に渉って貯留されます。
この2つの特徴により、ブルーカーボンは優れたCO2吸収源として、脱炭素を目指す現代社会において注目を集めています。

ブルーカーボンの大事な作り手 海藻の4つの特徴


海藻とは海に生育する藻類の総称で、ブルーカーボンの大事な作り手の一つです。
同じくブルーカーボンの作り手である海草と対比しながら、海藻の特徴を4つ挙げます。

  • ●胞子で増える:海草は種子で増えるので、海中でも花を咲かせますが、海藻は胞子で増えるので、花を咲かせません。
  • ●葉、根、茎の区別がない:海草は葉、根、茎の区別がはっきりありますが、海藻にはその区別がありません。
  • ●食用になる:海藻にはワカメ、コンブなど食用になるものが100種類以上もありますが、海草には人の食用になるものがありません。
  • ●種類が豊富:海藻は日本で知られているものだけでも1500種類ほどありますが、海草は世界全体でも60種類ほどしかありません。

海藻は大きく分けて3種類


海藻は色の違いによって次の3種類に分けられます。

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