弁護士からアドバイスがもらえる! BSACプロメンバー向けアプリ新機能「事故報告ボタン」

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2024年から、ダイビング教育機関BSAC JAPAN(以下、BSAC)が運用するメンバー用アプリ「BSAC Member」がリリースされ、 事故が発生した際にすぐに事故報告ができたり、対応方法の相談ができる機能が新たにアップデートされた。もしもプロメンバー(インストラクター やガイド)が引率していた顧客に事故が発生した時に、適切に対処できるように「BSACスタッフとリアルタイムでの電話相談ができる機能」や「事故報告後の心配事を弁護士に相談できる機能」など、メンバーが安心して活動できるサポート機能が備えられているようだ。取得したランクのメンバーカードのデジタル表示が可能であることにも注目。さっそく内容をみていこう。

新機能!事故にも即座に対応できる「事故報告ボタン」とは?

ダイバーならだれしもが無事を祈って海へ潜っているはずだが、事故が起きてしまった場合、人の命を預かるプロメンバーは特に“不測の事態”では済まされない現状がある。しかし、事故発生時の緊迫した状況に慣れているプロメンバーが一体どれくらいいるのだろうか。

BSACスタッフの大槻(おおつき) (よし)(ひさ)さん(以下、大槻さん)は、「どんなに経験豊かなプロメンバーでも、実際に自身が事故の当事者になると、焦って混乱してしまうこともあり、記憶違いのことや思ってもみないことを言ってしまい、後のトラブルに発展してしまうことがあります」と話す。

そこで、新たに追加された「事故報告発生」のボタンを押した後に表示される画面には、事故内容を報告するコンテンツ以外に、自身が事故発生時の混乱しやすい状況にあっても、落ち着いて対応の流れが確認できるフローがまとめられた画面を見て、確認することができる。

BSACによると、事故が発生したら現場では人命救助が優先となり、それらが落ち着いた後(たとえば事故者が医療機関に搬送された後など)に指導団体に事故報告があるケースが多いそうだが、アプリに記載されているフローを見ながら、現場で対応することも可能。自身が焦って混乱しているかもしれない状況下でも、誤った対応をしていないかチェックできるのだ。

また、事故発生後、すべてが一旦落ち着いた後に、事故者側と円滑なやり取りを行う為のアドバイスの内容もチェックすることができるようだ。

次項では、場合によってはいち早く使うことになるであろう「電話マーク」について説明しよう。

BSACスタッフと通話できる「電話マーク」ボタン

実際の事故現場では、他のショップのインストラクターや医療従事者の顧客が近くにいて、救助の手助けをしてくれるケースも多いようだ。しかし、常にそういった環境があるわけではないため、指導団体のスタッフとすぐに連絡が取れる環境が用意されているのは、プロメンバーとして活動される人にとっては大きな安心材料だ。

「事故発生」ボタンを押して画面を遷移すると、上記のコンテンツ以外に、BSACスタッフと至急連絡をとりたい人向けのボタンが表示されていて、そのボタンを押すとBSACスタッフからコールバックがある仕組みになっている。

「正確な事故報告をしていただくためにも、まずは現場のプロメンバーに落ち着いてもらうことが重要です。私たちと話すことで少しでも気持ちの整理につながれば幸いです」(大槻さん)

プロメンバーに安心感を!無料法律相談コンテンツ

初期段階の事故報告を完了させると、アプリ上に赤色のボタンで「法律の専門家からアドバイスをもらう」が表示される。

このボタンを押すと、事故の当事者になったメンバーが、この事故にまつわる法的なリスクで心配に思っていることなどを入力して送信することができる。 事故報告の内容とともにBSACの顧問弁護士に届くので、数日の間にメールでアドバイスをもらうことができる。

この相談に費用は発生しない。この後に裁判に発展してそれらの対応をしたり、出張をともなうような案件の場合は別途有料になるが、早い段階で相談しておくことでさまざまな損害の拡大や、事故者側とのトラブルを防ぐことができる可能性は高いので、BSACメンバーにとっては心強いサポート内容であることに間違いない。

BSAC顧問弁護士/シリウス総合法律事務所
上野園美(うえのそのみ)氏からのメッセージ
上野園美
この度BSAC Japanが開発したメンバーアプリの事故報告コンテンツで法律相談を担当する、シリウス総合法律事務所の上野です。

私はこれまでダイビング事故訴訟を数多く担当してきましたが、軽微な事故でも訴訟に至るケースはあり、内容も複雑化する可能性があります。

本来事故はあってはならないことですが、すべての事業者で発生する可能性があります。
そして事業者の多くは、その対応がわからなかったり、誤った対応をしてしまったりすることで、事態が意図しない方向に進んでしまう場合があります。

もし事故が発生した際に何か法的な部分で不安や疑問に思ったことがあれば、私の経験に基づいたアドバイスを参考にしていただき、皆様が安心して活動できるようにサポートできればと考えています。

どうぞよろしくお願いいたします。

メンバーカードをアプリで表示できる

そのほか、忘れずに紹介したいのが、メンバーカード表示機能だ。大槻さんによると、登録メンバーがかねてからBSACにリクエストしていたのが、同機能だったという。

記事前半には「事故報告機能」の説明が続いたが、アプリ開発に至った経緯としては、「メンバーカードを携帯するのを忘れてしまう」「すぐに提示できるように管理したい」というメンバーの悩みが先。それに応えるべく、本年度にリリースされたのが同アプリなのである。

実際のアプリ画面

アプリ上では、持っているカードのうち最上位ランクのものがデフォルトで表示されるようになっているので、複数枚のカードから最新のものはどれだっけ…と探す手間も必要ない。もちろん、過去に取得したランクの履歴を確認することもできる。

カードのステイタスも確認可能だ。

カードの更新済、保険加入済みはアクティブメンバー。保険未加入はネガティブメンバー。カード未更新がリザーブメンバーとして表示される。

ほかコンテンツを確認したい場合は、アプリ左上のメニューボタンをプッシュ。

前述したコンテンツ以外には、メンバー向けの情報をチェックできる「お知らせ」や、個人情報を管理できる「マイページ」機能がある。

「総合お知らせ」コンテンツ

「マイページ」コンテンツ

アプリのダウンロード方法は?

BSAC Memberアプリを使用するには、お手持ちのスマホにアプリをインストールし、ログインする必要がある。

▶アプリのインストールはこちらから

インストールしたら、メンバーサイトのログインIDとパスワードにてログインできるようになっている。

左図がログイン画面。右図がログイン後のデフォルト画面表示

メンバーカードのデジタル表示を皮切りに、「事故報告ボタン」の追加でさらにパワーアップしたBSAC Memberアプリ。登録メンバーはぜひ、インストールして、安心快適なダイビングライフを送ってほしい。

Sponsored by BSAC JAPAN

1953年に英国ロンドンで設立され、今では世界中に支部を持つダイビング教育機関。2014年には英国王室ウィリアム王子が総裁に就任。
「SAFETY FIRST(安全はすべてにわたって優先する)」を基本理念に、各プログラムの開発等も行っている。

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