愛南ダイビングでレアもの続々発見!浅瀬でまさかの生き物たちに遭遇

この季節の愛媛県・愛南がすごい。とても珍しいサメ通常より浅い場所で生活する生き物など、多様性に満ちた生き物たちがとにかく豊富なのである。今回は、そんな今が旬の愛南で撮影できた生き物たちを紹介していこうと思う。

メディア初公開(!?)のタイワンザメ。2年越しで撮影成功!

ことの発端は2年前。DIVE愛南のガイド、田中翔さんが、正体不明のサメが愛南にいるとSNSにアップしていた。するとすぐに教えてくれた人がいて、どうやらタイワンザメであると。

タイワンザメ?」当時の私はこのサメの存在すら知らなかった。調べてみると、日本近海には2種類しかいないタイワンザメ科の1種で、やや深場にいるサメだということはわかった。だが愛南以外のダイビングポイントでのタイワンザメの情報はまったく出てこない。これは非常に珍しい。ちょうど、その数日後に愛南へ行く予定だったので、すぐさま撮影させてほしいとお願いして見に行くことにした。

愛南ダイビングポイント

愛南に到着した初日に、タイワンザメの出るポイント「高茂岬南(こうもみさきみなみ)」へ連れて行ってもらった。ポイント到着後はすぐさま深場に移動。そして少し砂地を探索すると田中さんの近くにタイワンザメが寄ってきた。私は別の生き物の撮影をしていたが、田中さんがライトを振ってくれたため、タイワンザメがいることに気が付いた。

しかし、そのタイワンザメは、私たちに向かってきていたかと思うと、すぐさまUターンして深場へと逃げていってしまった。初めてのタイワンザメとの遭遇はその一瞬だけであった。翌日以降の滞在中は海況が悪かったり、ポイントまで行くことができなかったりと断念することに。苦い思い出となってしまった。

そして翌年はリベンジしようと意気込むも、新型コロナウイルスの影響で撮影に行けず…。やっとのこと今年4月、ふたたび愛南へ撮影に行くことに。2年越しのタイワンザメ撮影に気持ちは高ぶったのだが、そんな気持ちとは裏腹に初日も前回のようなことになってしまった

愛南ダイビング

深場の砂地を探し続けていると、田中さんがまたも泳いでいるタイワンザメを発見。しかし、またしても逃げる。このサメ、泳ぎがとても速く、まったく撮影できずに遠目から見るだけに。とにかく泳ぎだすとダイバーでは追いつけないほど速い…。この日もタイワンザメは撮影できずじまいに終わる。

数日後、再度リベンジへ。撮影日数も少なくなってきたのでより緊張感がでてきた。1本目、砂地をくまなく探すもタイワンザメの姿は見当たらず…。2本目は別のポイントに行ったので、最後の3本目に勝負をかけた。しかし砂地を再度探索するも、いない。焦りながらも、さらに深度を下げる。探していき、時間的にももう厳しいかな…と思った瞬間、田中さんがライトを凄い勢いで回しだした。

寄ってみると微動だにしないタイワンザメの姿があった。今まで見た個体とまったく違い動かない。

遠くから見えたタイワンザメ

遠くから見えたタイワンザメ

コチラが寄っても固まったままのサメ。最後のチャンスだと思い、ゆっくりと近寄りながらやっとの思いで撮影することができた。

微動だにしないタイワンザメ

微動だにしないタイワンザメ

さらに寄ろうとすると、さすがに警戒したのか、ものすごい勢いで逃げて行った。だが念願のタイワンザメを撮影することができた。おそらく、ダイビングメディアでは初公開のサメではないだろうか。

ちなみにタイワンザメのいる高茂岬南に行くのは5月いっぱいぐらいまでとのこと。チャンスがあれば是非、狙ってほしいサメだが水深がやや深いので注意が必要だ。

オオカワリイソギンチャクが水深24mに!ポイント「アカバエ」もすごい!

今回の取材では、タイワンザメ以外にも愛南には目玉となる生物がたくさんいた。その面白い場所の一つが「アカバエ」というポイント。ボートだとたった3分で到着できてしまう場所である。

その目玉の一つは、普通なら水深40mオーバーで見られることの多い、「オオカワリイソギンチャク」が、なんと水深26mで見れてしまうこと。蛍光タンパク質を持ち、光るイソギンチャクとして有名なこのイソギンチャク、愛南で見られた個体は3㎝前後とやや小さめだが、この水深では中々みることができず、非常に珍しいことなのである

さらに深い場所には大きな個体がポツポツと見られる。一時期は、千年に一度しか見ることができないといわれる幻の魚「センネンダイ」などの生き物も確認されていた、すごい場所なのだ。

水深26mにオオカワリイソギンチャク

水深26mにオオカワリイソギンチャク

オオカワリイソギンチャクが26mにいるだけでも驚くのだが、ピグミーシーホースも普通より浅い水深にいるのだ。なんと18m潮が下れば16m程度で見れてしまう。フォト派ダイバーでも、じっくりと狙うことができるのだ。

水深18mのピグミー!浅い!

水深18mのピグミー!浅い!

ピグミーシーホースは他のポイントでも何匹か確認されている。今後は「愛南と言えばピグミーがたくさんいる場所でしょ!」と言われそうな勢いである。

とても近くて面白いポイント「アカバエ」。今後も調査していったらもっと新しい発見がありそうだ。

今の時期の愛南では珍種タイワンザメを狙ったり、他の場所でみられる水深より浅い場所の生物を観察することができたりするので訪れてほしい場所である。

また今回撮影したポイント以外でも冬場のポイントも開拓中で今回は撮影で入らせてもらった。こちらも凄いポイントなので秋頃に紹介していきたい。

撮影協力/DIVE愛南

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PROFILE
日本を拠点に活動している⽔中カメラマン。カメラマンになる以前はダイビングガイドをしながら数々のフォトコンテストで⼊賞。現在はダイビング・アウトドア・アクアリストなどに関連する雑誌やウェブサイト、新聞などに記事や写真を掲載、水中生物の図鑑や教書にも写真提供している。2019年に日本政府観光局(JNTO)主催の“「⽇本の海」⽔中フォトコンテスト 2019”にて審査委員、2020年には“第28回 大瀬崎カレンダーフォトコンテスト”の特別審査員も務める。近年は訪⽇ダイビングツーリズム促進を⽬的として“NPO 法⼈ Japan Diving Experience”としての活動も⾏っている。