夏のダイバー怪談、和歌山県白浜の「三段壁」で起こった本当にあった怖い話


和歌山県白浜温泉街付近にあるダイビングスポット「三段壁」といえば、起伏豊かな地形ポイントとして多くのダイバーに愛されている。しかしその一方では、自殺の名所という顔をもち、一時は絶壁から飛び降りる人が後を立たなかったことから心霊スポットとしても知られているのをご存知だろうか。

現在は「いのちの電話」と呼ばれる電話ボックスも置かれ、地元のNPO法人である『白浜レスキューネットワーク』が管理している。

今回は、その「三段壁」にまつわる奇妙な話をお届けしようと思う。


今から数年前のこと、インストラクターが運転するハイエースはダイビングツアー客5〜6人を乗せ、一路白浜まで向かっていた。

時間は夜の7時頃、白浜にある宿には10時頃の到着予定だ。本来ならばそのまま宿に直行だが、季節は夏で、宿手前には心霊スポットもあるときたら、肝試しでもしようかという雰囲気になるわけで。

すぐ宿に行ってはつまらない。インストラクターは「三段壁」がある方向へハンドルをきった。一部の常連をのぞき、行先は秘密だ。


ほどなくして、初めてツアーに参加する、何も知らないA子さんが口を開いた。

「向かっているところって宿ですか?」。

インストラクターがそうだよ、と答えると、信じたのかそれ以上の質問はなかったが、しばらくするともう一度同じことを聞くので実は…と、事のあらましを打ち明けた。

するとA子さんは「やっぱり」と納得したように静かに答えたあと、「私、霊感強いんです。ちょっとしゃべれるくらいに。引きつけちゃうし、きちゃうので、私が一緒だと危ないかも」と続けた。

しかし、本気にするメンバーは誰もおらず、A子さんの発言は肝試しの雰囲気作りにしかならなかった。そうこうしている内に、車は三段壁に到着。一同は車から降りていく。

辺りは街灯1つ残して、漆黒の闇状態。もちろん民家やお店はない。少し先に見える電話ボックスだけが、煌々と緑色の光を放っている。


そんな状況で闇にこだまするのはメンバーたちの「怖い、怖い」という声。しかしただ一人、A子さんだけ声がしない。雰囲気から察して、妙に落ち着いているようだ。

インストラクターが怖くないのかと尋ねると、意外そうな声で「みんな分かっているんじゃないんですか?」と一言。

「だって…みんな怖いって言ってるから、てっきり見えてるのかと思って。電話ボックスの中に、信じられないくらいの人がはいってます」。

それを聞いた一人の男子が度胸試しのつもりだったのか、周りにいたメンバーの制止も聞かず、電話ボックスの中に入室。

入ったのは一瞬ですぐに出てきたものの「超疲れてきた、ヤバい」と言いだした。A子さんによると、どうやら3人ぐらいおんぶしているらしい。とはいえ、悪い霊じゃないとのことで事なきを得た。

それも束の間、いきなり別の女子が「今すぐここから立ち去りたい」と尋常ではないほど震えだしたのだ。


さすがにもう、ここにはいないほうがよさそうだ。そう判断し、車の方へ帰ろうとした道中、ふとA子さんの方を見やると、今回ばかりは真っ青な顔をしながら「あの子にはかなり‟ヤバい人”がくっついてる。お塩ありますか?」などと言うではないか。

急いで車に戻り、たまたまトランクに積まれていた、いつかのバーベキューで使った塩を袋ごと一気に頭からかけてやると震えはピタリと治まった。

このことがあって、最初は疑っていたメンバーもA子さんを信じるように。その場を離れる頃には、どうしたら霊感が強くなるのかという話題で持ちきりとなった。

A子さんは、コツをつかめば誰でも視られるようになると言い、分かりやすく教えてくれた。宿につく頃には、メンバーのほとんどが自分の霊感を実感するほどに。


その後、何事もなかったかのように眠り、翌日はダイビングを楽しんだ一同だったが、改めて帰りの車で昨日の肝試しの話となる。

昨夜の恐怖はどこへやら、また心霊スポットに行きたいとひとしきり盛り上がった後のことだった。

さっきまで笑っていたA子さんが突然、真顔でこう言ってきた。

「昨日から私が言っていたことって全部‟本当”だと思いますか」。

どういうことかと顔を覗き込んでも、A子さんはどこふく風。

そうすると、いったい昨日からの一連の出来事はなんだったのか。A子さんに教えてもらい、最後には人魂のようなものだって確かに視えたではないか。

それともあれは全部思い込みが見せた幻覚だったのか。

この話、信じるか信じないかはあなた次第。

なお、実際に肝試しに行かれる際は、つまずいて転んだり、思わぬケガをされないよう、くれぐれもご注意ください。

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