冬の伊東の海がアツい! 抜群な透明度とカラフルなソフトコーラルを堪能してきた

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はじめまして! 三宅健史(たけちゃん)です。 今年からオーシャナで記事を書かせていただくことになりました!
私が担当する主なコンテンツは、#行ってみたレポ です。その時期に話題となっているポイントに潜りに行き、一人のダイバーとして生の声と写真をお届けする内容となります。

こうしてダイビングの話を記事にできることは本当にありがたい話ですが、まさか自分がダイビング業界でWebの記事を書くなんて、Cカードを取得した頃の私は1㎜も思っていませんでした。
というのも、ダイビングを始めた当初はダイビングが好きじゃなかったですし、海にいるのも息苦しくて、魚を紹介されても「魚は魚でしょ! ウミウシ? え? かわいい? カラフルでどんな味するんだろ?」としか思っていなかったです。海嫌いが海好きへと転じた珍しいパターンです。
そんな私ですが、今はダイビングが大好きで、海の色に憑りつかれ、【(いろどり)】をテーマに写真を撮り続けています。「あなたの心に届く海の色は何色ですか?」という問いの答えを探し続けています。

そして、これからオーシャナの記事を通して何を伝えていきたいか。
私は、ダイバーの方はもちろん、ダイバーでない方にも「“地球の7割”も目いっぱい楽しもうよ!」というメッセージを伝えていきたいです。地球は3割が陸、7割が海と言われていますが、その7割を知らないなんてもったいないとシンプルに今は思えてしまいます。
オーシャナを通じて、私は7割のうちの何%を伝えられるかわかりませんが、誰かが海に興味を持つキッカケになれると信じて、ダイビングのある生活を言語化し、さらに写真を通して海のおもしろさや素晴らしさを知っていただけたら嬉しいです。

さて、前置きが長くなりましたが、私の記念すべき初のダイビング記事は、静岡県の東伊豆に位置する「伊東」です!

ここは私自身、ダイビングに魅了された思い出の地となります。いつもお世話になっているダイビングショップのガイドは、DiveFamilyYellowの川坂秀和氏(以下、ヒデさん)です。

左が三宅、右がヒデさん

冬の伊東の海とは?

冬の伊東の海をひと言でいうと、透き通った彩りあふれる森の中を冒険しているかのように感じる不思議な青い海です。
伊東の海は、春から夏にかけて透視度は7m~15mほどですが、冬はそれ以上に透視度がよく、青く抜けた海とカラフルなソフトコーラルがきれいで、水中ライトで光を当てた瞬間に息を吞みます。

今回は2日間、「白根(しらね)」というポイントの南側ブイから入って冒険してきました。「白根」というポイントは、伊東の港からボートで10分ほどです。ブイが北、中、南の3ヶ所にあるくらい大きく、ダイナミックな地形になります。伊東の沖合にある手石島(ていしじま)まで出るため魚影が濃く、ソフトコーラルが群生していて何本潜っても新しい表情を見せてくれるポイントです。

濃密魚影をワイドで捉える

色鮮やかなソフトコーラル×魚影×太陽×冬の青い海

この日は快晴。深場30mを超えるポイントでも太陽を感じられるのは、テンション上がりますよね! 冬になるとクロホシイシモチが群れて、画角からはみ出てしまうことに幸せを感じてしまいます。

この写真は16-35㎜のズームレンズで撮影しましたが、さらにダイナミックな景観を表現するなら15㎜フィッシュアイレンズくらいの広角で撮影したほうがいいと思います。ゆっくりと寄って、壮大なソフトコーラルとグワーッと広がる魚影の密度を画面いっぱいに捉えてほしいですね。ダイナミックな地形だからこそ、いろんな角度で見て、どのように写真を撮ったら素敵かなと考えるのも一つの楽しみ方ですね。

ここはヒデさんが案内するポイントの中でも人気のエリアなので、是非リクエストしてみてください。

同じ根ですが、逆側から撮った写真がこちらです。

最初の写真は魚に、次の写真はソフトコーラルにフォーカスしています。どちらにフォーカスするかでまったく違う印象になりますよね。ちなみに、右下でレンテンヤッコが普通に泳いでいたり、左下にはクダゴンベがいたり、マクロで撮影しても楽しいポイントなのがおわかりでしょうか?ワイドで撮影した写真も後から見直すとその時気づかなかったことに気づいたり、その時の光景をもう一度思い出すことができて楽しいですよね。

ソフトコーラル×生まれたての深場のサクラダイ

そして伊東といえばハナダイ。今回は、サクラダイの幼魚を群れで撮影したいとお願いしました。撮影場所は、上のソフトコーラルとクロホシイシモチの写真のすぐ近くとなります。水深は少し深くなり40m手前です。
伊豆ではサクラダイが9-10月にベストシーズンを迎えますが、2月はちょうど産卵時期が終わり、幼魚が増える時期でした。

サクラダイは成長すると、メスからオスに性転換することをご存知でしょうか?みんなが立派に育ってオスに性転換し、今年の秋も海の中をサクラ色で埋め尽くしてくれることを想像すると、ニヤニヤして興奮しちゃいました。周りのゲストに見られていないことを切に願います。

浅場の明るい青い海×安全停止前も楽しませてくれる魚影

深い水深にいられる時間は短いので、もう浅場に戻らなくちゃいけないのか、と寂しい気持ちが普通ありますが、伊東の海はそれも感じさせません。浅場10m前後でも楽しませてくれるのが伊東の海。透視度が15m以上ある明るい海の中に魚影が入り込んでくると、素敵な光景が広がります。この日は、ヒデさんがブイから離れて沖へ泳いでいったかと思うと、奥からタカベの群れを引き連れて帰ってきました(笑)。人を完全に覆いつくすほどのタカベが入ってくることもあるので、安全停止前も油断ができませんね。

ほかにも浅場ではキンギョハナダイやメジナが多く生息しているので、安全停止前も楽しませてくれます。メジナはキンギョハナダイの卵を食べたりするので、個人的には外敵だと思っています(笑)。

鮮やかな背景でマクロ撮影を楽しみ尽くす

青い海で色とりどりのソフトコーラルをワイドで撮影するのも楽しいですが、伊東の海にはマクロ派のみなさんにも、おすすめの被写体がたくさんあります。

これだけ色があふれた海の中、マクロで撮る写真がおもしろくないわけがないです! むしろ個人的には、背景が選び放題な伊東の海を、マクロで攻めてほしい気持ちもあります。1日じゃとても足りないです。私はいつも延泊したい気持ちをぐっと堪えてます。

ハナダイ×ソフトコーラル

私がダイビングを始めて、いつかは見てみたいと恋焦がれたマダラハナダイ。レジャーダイビングの水深で見られることがほとんどないので、出会えることが珍しい種の美しいハナダイです。
今、この子は素敵なソフトコーラルに囲まれています。「キュン」があふれますね。

このシチュエーションは今まで見てきた中でもトップクラスで、今もっとも人気なのではないでしょうか。マダラハナダイは動きがゆっくりしているので、TGカメラでも撮影しやすいのは嬉しいポイントですね。ただし、着底できない環境にいるので、中性浮力はマストとなります。見たい方はヒデさんに問い合わせください。

ほかにも多くの種類のハナダイが生息しており、伊東の海では背景を明るく撮れるのが特徴的です。

マダラハナダイを撮影した箇所から水深30m手前ほどまで上がるとスジハナダイが多く生息しています。どのスジハナダイを撮るか迷ってしまいますね。この写真はスジハナダイを背景にスジハナダイを撮影した写真です。マニアックなくらいが人間ちょうど良いのです。

あまりフィーチャーされないですが、よくみるとヒレが美しいベニハナダイ。艶やかですね。

伊豆の普通種×色鮮やかなソフトコーラル

そして、ハナダイだけではなく、伊豆の普通種でも色とりどりなソフトコーラルと組み合わせると、ちょっとだけ特別感が生まれて楽しいですよね。小さな普通種だけど伊東の海ではより輝いて見える、それも伊東の海の素晴らしさだと思います。

ナノハナスズメダイ

オキゴンベ

ヒドラのような生えモノって、ただの草っていう人もいますけど、よく見ると美しく凛としているので、私はとても好きです。生えモノこそ表現の幅が非常に広いのでは? と永遠の課題のように感じて楽しんでいます。

ヒドラ

今回、個人的にお!ってなったのが、タカベを背景に撮影したキンギョハナダイの写真です。

浅場に戻るとタカベの群れがいて、キンギョハナダイが舞っているのが伊東らしい画だなと、ふと感じました。イメージ通りには撮れなかったのでリベンジ案件ですが、是非みなさんもマニアックチャレンジしてみてください。

伊東の海の紹介は以上になりますが、本当に色彩にあふれていて、魚影にダイナミックな地形、まるでモルディブみたいな海ですよね! あ、モルディブには行ったことがないんですけども…。

是非、伊東の海で色彩あふれる世界を冒険してきてください。
そして、みなさんとこの海で会えたら嬉しいです!

PADIの冬の海がアツい!

ちょうどこのタイミングで、PADIさんが「#冬の海がアツい」Instagramキャンペーンもやっています。 今こそインスタグラムに写真や動画をアップして、冬のダイビングをみんなで盛り上げましょう!
期間は3月31日までです。
詳細はこちら

関連記事:伊東・白根南のセルフダイビングコースの見どころ-ダイナミックな地形と魚群-
関連記事:まさかのモルディブ超え!? 伊東の夏季限定ダイビングポイント・五島根がスゴい!

取材協力:DiveFamilyYellow

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PROFILE
2016年の秋にダイビングCカードを取得。
海嫌いから海好きへと転じた海狂い変わり者。現在は休みの日に伊豆や沖縄に通い、いろどりあふれる海の世界にのめり込んでいる。「ダイビングをしたことない人にも海の彩を通じて伝えられるものがあるのでは」という想いを持って活動を続ける。
海の魅力を広く発信するために、2022年はmic21のアンバサダーモデルを務めた。
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