サイドマウント時のタンク&レギュレーターのコンフィグの考え方とは

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先週、セブ島でサイドマウントで潜ってきました。
ダイビング内容にもよりますが、やはりリゾート地ではサイドマウントは快適です。

あ、そうそう。セブのスーパーマーケットではバレンタインの飾りがまだ残ってましたよ(笑)
のんびりしているのか、はたまた来年の商戦を狙っているかは不明です。

サイドマウントでのダイビング

さて、今回も前回に引き続きコンフィグレーション(器材構成、以下コンフィグ)について説明させていただきます。
前回ではサイドマウント専用BCの説明をさせていただきました(器材構成(コンフィグレーション)を自分の頭で考える必要があるサイドマウント)が、今回はその他のコンフィグについてです。

タンクとレギュレーターのコンフィグレーション

サイドマウントの器材構成でもう一つ大事な器材、なんだかわかりますか?

そう、タンクとレギュレーターも大事なコンフィグの一つ。
特にタンクのコンフィグは、サイドマウントダイビングをする上で重要な要素になります。

まず、タンクですが、レクリエーションダイバーの方でもスチールタンクとアルミタンクの違いは意識されていますよね?

例えば、アルミタンクの時はウエイトを増やしたりするのは、アルミタンクがスチールタンクに比べて軽い為です。
また、アルミタンク自体が軽い為、残圧が少なくなると、マイナス浮力からプラス浮力に変化します(アルミタンクの容積や種類によっては初めからややプラスの場合もあります)。

スチールタンクは、日本では亜鉛メタリコン(コーティング)が殆ど施されています。
その為、タンク自体の重量が重く、残圧が少なくなっても浮力は常にマイナスのままです。

他にもメタリコン処置されていないスチールタンクがあります。
(海外でのスチールタンクはこのタイプが主流です。)

それでは、まずアルミタンクの場合からお話しさせて頂きますね。

アルミタンクでのサイドマウント

アルミタンクでのダブルタンク

写真はアルミタンクでのダブルタンクの例

サイドマウントダイビングではタンクをタンクバンド等でBCに固定しません。
常にブラブラした状態です。

その為、タンクの浮力は大きな問題!
特にアルミタンクは軽くて良いのですが、残圧が少なくなるダイビング後半はタンク浮いてくる為、体のバランス等が大きく変わります。

では、どうするのか?

ひとつは、BCのバンジーの強さで調整します。
バンジーが丁度良い伸縮性を保っていると、ある程度タンクの浮力を抑える事が出来ます。

そしてもうひとつは、タンク下部に着けるクリップ(スナップ)の位置。
このクリップの位置を数センチ変えることで、快適度はガラッと変わります。

また、浮いてくるタンクはBCの腰のハーネス(ベルト)に付けたDリングで調整します。
水中で不自由無くクロップの取り外しが出来るかどうかも、そのクリップの位置で大きく変わります。

ちょっとややこしいですけど、要はアルミタンクだと快適だけどコンフィグが大変、という事です。

スチールタンクでのサイドマウント

次にスチールタンクです。

メタリコンされていないスチールタンクのダブルタンク

このタンクはメタリコンされていないスチールタンクです(すみません!タンクバンド付け忘れました!)

こちらは残圧が減っても浮力は変わりません。
その為、常にマイナス浮力。

その場合は、ぶら下がる状態を想定してコンフィグを決めます。
アルミタンクと同じコンフィグは通用しません。

重いタンクが水平にくるようクリップの位置や、人によってはバンジーも変える方もいます。

つまり、使用するタンクの種類ごとにコンフィグをまとめなければなりません。
ちょっと面倒ですよね。

レギュレーターのコンフィグレーション

さて、次にレギュレーター。
こちらもタンク程ではないですが、使用するタイプによって様々なコンフィグが必要となります。

サイドマウントの場合、自分の脇にレギュレーターのファーストステージがきます。
その為、レギュレーター周辺がコンパクトにまとまっていないと、ごちゃごちゃしてタンク脱着はおろか、水中での活動にも影響します。

また、日本では少ないですがDINバルブ(オープンウォーターの学科でしか見たことがない人も多いのではないでしょうか?)もサイドマウントには大変有利。

ヨークバルブとDINバルブの装着例

写真左手がヨークバルブ、右手がDINバルブの装着例になります

ヨークに比べて突起物が少ない為、胸元をスッキリおしゃれに演出してくれます。

また、各ホースの長さやポートに取り付ける位置も非常に重要。
重ねて言いますが、これらも胸元をすっきりさせ、かつ水中での快適さを生み出す大事な要素です。

これらを、どのコンフィグが一番自分にあっているか(快適か)をBC同様に自分で捜し出さなければなりません。

どうですか?
もう読んでて嫌になっちゃいましたか?(笑)

でも、前にも書きましたが、器材をいじって、そして自分にぴったりのコンフィグを見つけた時は、つい水中で一人ドヤ顔しちゃうぐらい楽しいですよ。

だって、自分にぴったりの器材と言う事は、自分専用の器材なわけですから。(俺専用BCみたいな(笑))
今よりもっと愛着がわいて愛しくなり、ついベッドで添い寝したくなるはずです。

サイドマウントでのダイビング

さて、2回に渡ってサイドマウントのデメリットとしてコンフィグを取り上げさせていただきました。
次回はデメリットの続きとして、「サイドマウントが向かないダイビング」について説明させていただきますね。

もし、セブのスーパーマーケットのオーナーが来年のバレンタインを狙っているとしたら凄い策略家だなぁ。
あ、でもその前のクリスマス商戦の方が大事か…。

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writer
PROFILE
40近くになり、家族で行ったグアム旅行、そこで嫁さんに体験ダイビングを勧められ初ダイビング。
その時の担当インストラクターに「ダイビングうまいねぇ。始めてみれば?」と言われてその気になる。

帰国後、地元のダイビングショップの門を叩き、ダイバーとなる。
この時40歳。

その後、調子に乗ってインストラクターまで一気に取得、

大手ダイビングショップで非常勤インストラクターとして勤務するも、もっとダイビングは自由で良いのでは?と考え始め、そんな中テクニカルダイビングに出会う。

自分の求めていたのはこれかもしれないと勘違いし、IANTDの小さな巨人・豊田聡氏(現PADIテクニカルダイビングアドバイザー)からテクニカルダイビングを教わる。

近年、サイドマウントダイビングを知り、その自由なスタイルに魅了され、ドンドン妄想はエスカレート。

終いにはサイドマウントを極めたいと、これまた大きな勘違いをし、オーシャナ執筆でおなじみの夜の帝王・田原浩一氏に「サイドマウントがうまくなりたいから教えてください!」と無茶な要求でケーブ系のトレーニングを始め、現在に至る。

 そんな訳でダイビング経験年数は6年(2013年11月現在)、経験本数は1500本(2013年12月現在)のお調子者若輩ダイバーです。

私は他のオーシャナ執筆者の方々のような著名人ではありません。
一人のダイバーの目線でサイドマウントの魅力をお伝えできればと思っています。

より安全に、より自由に、より楽しく。
レクリエーションサイドマウントダイビングはその可能性を秘めていると信じています。

是非、皆様の生暖かい目で今後もご支援いただければ幸いです。

主な資格等
■IANTD Normoxic Trimix インストラクター
■IANTD Trimix CCR Diver
■IANTD Trimix Diver
■IANTD Technical Wreck Diver
■PADI OWSIインストラクター MSDT
■PADI テックサイドマウントインストラクター
■PADI テックディープインストラクター
■日本テレビ系「いのちのいろいろ」映像提供多数
■小田原ダイビングスクール非常勤インストラクター
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