器材構成(コンフィグレーション)を自分の頭で考える必要があるサイドマウント

4月になりましたね。
来年のバレンタインデーまであとたった10ヶ月です。
男性諸君!ともに頑張りましょう!!

サイドマウントでのダイビング

さて、前回からサイドマウントのデメリットについてお話させていただいております。
※前回記事:サイドマウントのダイビングのデメリットとその解消法 | オーシャナ

今回もその続きをお話させていただきますね。

前回は器材についてお話しさせていただきました。
今回はその器材をどのように使うかについてです。

「コンフィグレーション」という言葉を聞いた事ありますか?

テクニカルダイバーであればお馴染みですが、レクリエーションダイバーの方には馴染みがないですよね。
「コンフィグレーション」とは簡単言ってしまえば「器材構成」になります。

サイドマウントダイビングはこのコンフィグレーション(以下:コンフィグ)はとても重要になります。

例えば、レクリエーション用のBCはある程度のサイズが決まっていますよね、SとかMLとか。
ですが、サイドマウント用BCの場合、その殆どが1サイズしかありません。
では、どうやって使うのか?

各自、自分の体型やスタイルに合わせて器材を組み立てます。
これが慣れないと、本当に大変。

そして、これが決まらないと、快適なサイドマウントダイビングはできません。

サイドマウントの器材構成(コンフィグレーション)

まず、基本としてハーネス(ベルト)を体型に合わせて調整します。
大抵ハーネスは長めに作られているので、余分な部分をカットします。

ハーネスは体にピッタリと装着しなければなりません。
これが緩かったりすると、水中でタンクの重さに負けバランスをとれなかったり、または姿勢や体の向きが変わるたびにハーネスが移動してしまうと安定できません。

次にDリングの調整です。

レクリエーションダイバーの方で「このDリング邪魔だなぁ」とか「この位置にDリング欲しいなぁ」とか思った事ありませんか?

サイドマウントのコンフィグでは(テクニカルダイビングでも同様)、自分の体型や好みに合わせた位置にDリングを取り付けられます。
そして、それぞれのDリングの意味を自分で理解・設定しなければなりません。

例えば、右胸上のDリングはライトのクリップをつける、とか。
そうする事によって、見えなかったり手で探さなくても、手が自然とその位置にくるように習慣ずきます。

実はこれ、とても大事!

サイドマウントの場合、レギュレーター等の器材が体の前面に来る為、結構ごちゃごちゃになります。
その中で、状況に合わせた作業をする際、何が何処に着いているかを把握しないとストレスを生みます。

ストレスだらけのダイビングって楽しくないですよね?
その為にも自分自身でコンフィグのルールを作る必要があります。

サイドマウントの器材構成(コンフィグレーション)とバンジーコード(ゴムひも)

そしてバンジーコード(ゴムひも)の調整。

前にもお話しましたが、サイドマウントダイビングでは、タンク上部はバンジーに引っ掛けるだけです。
ですが、このバンジーもかなり曲者。

長過ぎるとタンクが下がるし、短すぎるとタンクが取り付けられないか、または体に密着しすぎてかなり不快になります。
また、バンジーコードも固定式と取り外し式の2タイプがあります。
どちらが自分にあっているかも判断しなければなりません。

そして、バンジーの取り付け位置も非常に大事。
タンクの位置やタンクの脱着作業にも影響します。

さらに、ブラダーの位置も水中でバランスとる上で非常に重要です。
これもダイバーが水中で停止状態で体が傾かない位置に調整する必要があります。

サイドマウントの器材構成(コンフィグレーション)

写真は私が使用しているBC(X-DEEP STELTH 2.0)です。
このモデルはハーネスとブラダーが別体になっているので、スーツやダイビング内容によって位置の変更が容易にできます。

まだまだコンフィグは終わりではありません。

ライトの取り付け方やフロート等の緊急装備、スレート、ナイフ等のカッティングツール、場合によっては予備装備などなど、どのようにBCに取り付けるか?
さらにはウエイトの取り付け方法や位置も考慮しなければなりません。

サイドマウント用BCはコンパクトに作られているタイプが多く、皆様々な知恵を絞って取り付けています。

さて、いかがでしょうか?

サイドマウントは「コンフィグ」がとても重要なダイビングです。
そして、ダイバー自身が自分の好みに合わせて器材を組み立てなければなりません。

ある意味、レクリエーションダイバーにとってはデメリットと呼べますよね?
レクリエーション用BCは組み立てる必要がなく、ある程度のハーネスの調整で快適に使える筈ですから。

ではどうするのか?

先輩サイドマウントダイバーやサイドマウントインストラクターに聞きましょう!
そして良いアドバイスをたくさんもらいましょう!

それで全ては解決しなくても、なんらかの突破口はひらける筈。
あとは、自分自身で潜り、不具合があったら調整、そしてまた潜り、調整….とこんな風にコンフィグを仕上げて行きます。

インターネットも非常に重要です。
残念ながら最新の器材に関する情報は日本では得にくいです。

でもネットには、ダイバー自身の問題を解決する情報があふれています。
常に貪欲に、そして完璧を目指す為に努力する事がコンフィグを仕上げる最善の方法だと思います。

サイドマウントでのダイビング

次回もコンフィグについて説明させていただきますね。
ただ、コンフィグもデメリットと感じないで、「器材を作る楽しさ」と思ったくれたら幸いです。

冒頭のバレンタインネタが続いて、しつこい粘着野郎と思われないかと実は心配している小心者の石井でした!
また再来週もよろしくお願いします!!

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writer
PROFILE
40近くになり、家族で行ったグアム旅行、そこで嫁さんに体験ダイビングを勧められ初ダイビング。
その時の担当インストラクターに「ダイビングうまいねぇ。始めてみれば?」と言われてその気になる。

帰国後、地元のダイビングショップの門を叩き、ダイバーとなる。
この時40歳。

その後、調子に乗ってインストラクターまで一気に取得、

大手ダイビングショップで非常勤インストラクターとして勤務するも、もっとダイビングは自由で良いのでは?と考え始め、そんな中テクニカルダイビングに出会う。

自分の求めていたのはこれかもしれないと勘違いし、IANTDの小さな巨人・豊田聡氏(現PADIテクニカルダイビングアドバイザー)からテクニカルダイビングを教わる。

近年、サイドマウントダイビングを知り、その自由なスタイルに魅了され、ドンドン妄想はエスカレート。

終いにはサイドマウントを極めたいと、これまた大きな勘違いをし、オーシャナ執筆でおなじみの夜の帝王・田原浩一氏に「サイドマウントがうまくなりたいから教えてください!」と無茶な要求でケーブ系のトレーニングを始め、現在に至る。

 そんな訳でダイビング経験年数は6年(2013年11月現在)、経験本数は1500本(2013年12月現在)のお調子者若輩ダイバーです。

私は他のオーシャナ執筆者の方々のような著名人ではありません。
一人のダイバーの目線でサイドマウントの魅力をお伝えできればと思っています。

より安全に、より自由に、より楽しく。
レクリエーションサイドマウントダイビングはその可能性を秘めていると信じています。

是非、皆様の生暖かい目で今後もご支援いただければ幸いです。

主な資格等
■IANTD Normoxic Trimix インストラクター
■IANTD Trimix CCR Diver
■IANTD Trimix Diver
■IANTD Technical Wreck Diver
■PADI OWSIインストラクター MSDT
■PADI テックサイドマウントインストラクター
■PADI テックディープインストラクター
■日本テレビ系「いのちのいろいろ」映像提供多数
■小田原ダイビングスクール非常勤インストラクター
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