日本のビーチダイビングスポットでサイドマウントを楽しむには
10月も後半になってきましたね。
寒くなりました。
今年は秋が短く、もう冬になった気がします。
10月といえばあちこちでオクトーバーフェストが開催されています。
ドイツのビールのお祭りです。
お酒が好きなダイバーも多いので、行かれた方も多いのではないでしょうか?
そうそうドイツといえば、バレンタインデーに義理チョコは贈らないそうです。
良心的な習慣でもあり、寂しい習慣でもありますね…。
ビーチダイビングも盛んな日本特有のサイドマウント
さて、今回から具体的にレクリエーションでのサイドマウントダイビングの基本的な注意点についてお話しますね。
レクリエーションサイドマウントは海外の環境で誕生しました。
そのため、日本の環境では難しいところも多々あります。
その一例として、海外のダイビングサイトと日本のダイビングとの大きな違いであるビーチダイビングポイントの多さがあげられるでしょう。
海外ではボートダイビングが主流だと思います(ケーブダイビングは除きます)。
そのためか、サイドマウントの取り扱いもボート主体で考えられている部分が多いです。
以前も少しお話しましたが、タンクの脱着がそうです。
先にダイバーがエントリーしてタンクを装着、エキジットも先にタンクを外し、船上にあげてからダイバーが後を続く。
非常に合理的に考えられています。
ところが、ビーチだと、こうはいきません。
非常に穏やかな海であれば、タンクを担いでエントリー、または先にタンクを水深1mぐらいのところに置いてから、器材を装着したダイバーがエントリー、その後水面で装着、なんてできます。
ところが、波が高かったり、うねりが強かったりすると、そう簡単にはいきませんよね。
そこで、日本特有のサイドマウントの取り扱いが必要になります。
サイドマウントに適したビーチポイントとは?
それでは、どのようなビーチポイントがサイドマウントに向いているのでしょうか?
それには、そのサービスが取り扱っているタンクの種類を考慮するのが良いでしょう。
以前にもお話させていただきましたが、サイドマウントにはアルミタンクの使用が適しています。
残圧により浮力の変化が大きいですが、何より軽いという事。
そして長さも重要なポイントになるからです。
アルミタンクを使用しているサービスは限られてしまいますが、それでもサイドマウントをストレス無く楽しむためには一つの大事な条件になります。
ただ、日本ではメタリコンスチールタンクの使用率が高いのも事実。
その辺は後日お話しさせていただきますね。
伊豆を例に考えてみましょう。
東伊豆で、アルミタンクで潜れるビーチポイントは川奈、富戸、IOPなどでしょうか。
西伊豆では獅子浜、大瀬崎、黄金崎などになるでしょう。初島もアルミタンクで潜る事ができます。
他にもまだまだあると思います。
ビーチダイビングに適したサイドマウントのスタイルとは?
やはり、前々回にお話させていただきましたが、シングルタンクが適しています。
ツアーなどでバックマウントの方と潜る場合、ダイビング回数やタンクの使用状況など、同じように扱えるからです。
また、エントリーも、ビーチの場合だと、迅速に行動しなければならない事が多いでしょう。
人が多かったり、波が高かったり理由はさまざまだと思います。
その時にタンクが2本あると、装着に時間がかかったり、何より片手でエントリーロープを持てなかったりするのは非常に危険。
穏やかな海であれば、先にタンクを沈めるころもできますが、それでもうねりがあるとタンクが水中で揺られてしまい、レギュレーターにダメージがあたえられる場合もあります。
水中に手の届く範囲で、スナップで止められるロープ等があれば良いのですが、それでもエントリー/エキジットする他のダイバーの邪魔になったり、誤って蹴られてしまいレギュにダメージ、なんて事も考えられます。
それらを考慮すると、やはりエントリー時にタンクを持って入るのが妥当でしょう。
シングルタンクでのエントリー方法
それでは、シングルタンクでのエントリーについてお話させていただきます。
私は波がそれほど高くなければ、フィンの上にタンクを乗せて、引きずるように後ろ向きにエントリーします。
あまりカッコ良くないですが(笑)。
そして、腰まで水に浸かったらそのまま水面でタンクを装着します。
足腰が強く、力持ちの方であればタンクを担いでエントリー、なんてのもありです。
ただ、くれぐれもタンクを落とさないように注意して下さいね。
では、波が高い時やうねりが強く、「潜水注意」なんて場合はどうするか?
私は先に陸上でタンクを装着します。
タンクバルブ付近にスナップを付け、それを胸のDリングに止めます。
ちょっと陸上だと着けにくいですが、ベンチや階段などに腰かけて作業すると、楽に装着できます。
そして、あとはそのまま波を見て、普通のバックマウントのようにエントリーできます。
エントリー後は水中でクリップ(スナップ)を外し、バンジーに切り替えます。
バンジーだけでのエントリーも良いのですが、それだけだとタンクの重さや波に揺られ、バンジーが伸びてしまい、タンクが大きく振られエントリーが困難になります。
そのため、タンクを固定する必要があるのです。
ダイビングからエグジットまでの注意点
ダイビング中は、バックマウントもサイドマウントも大きく変わりません。
ただ、先にも言いましたがアルミタンクは浮力の変化があります。
ましてシングルタンクだと、器材や人によってはバランスが取りにくくなるかもしれません。
そこは注意して適切に対応しましょう(詳しくはシングルタンクでサイドマウント・ダイビングを楽しむ方法をご覧下さい)。
そして、サイドマウントの基本姿勢はトリム(水平姿勢)です。
可能であれば、どのような場面でもトリムを意識しましょう。
深度変化はとても重要です。
器材にもよりますが、BCのエアの給気はインフレーターホース、排気はダンプバルブが基本です。
深度を上げる際は吹き上がりに注意しましょう。
エキジットですが、こちらもエントリー同様に海況に併せて方法が異なります。
波がなく、穏やかな海であれば、水中でインフレーターホースから中圧ホース(ドライスーツであればドライホースも)を外し、レギュレーターホースを首周りから正面にまわします。
そして、そのままタンクを外し、片手にはタンク、もう片方の手はエキジットロープを握ります。
余裕があれば、水中でフィンも脱ぎ、バンジーのついたスナップか着脱式のバンジーにとめます。
後は普通に水面に顔を出し、タンクを担ぐかひきずってエキジットします。
波が高ければ、エントリー同様にバンジーからスナップに切り替え、他のバックマウントダイバーと同様の手順でエキジットします。
※
さて、いかがでしょうか?
シングルタンクでのビーチエントリー、この方法が日本特有のサイドマウントだと思っています。
もちろん、ストレスなく潜るためにはトレーニングが必要です。
それでも、日本の環境でサイドマウントの生かすには重要な事だと考えます。
次回は、日本の環境でのもう一つの重要な要素、メタリコンスチールタンクでのサイドマウントについてお話させていただきますね。
今回も最後まで悩んでいたのが冒頭ネタでした。
入稿も遅れがちになってきています。良くない傾向ですね。
次回の冒頭ネタはこの原稿を書き上げた瞬間から考えたいと思います!
練りに練った冒頭ネタにご期待ください!
ではまた次回!