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サイドマウントダイビングについて、よくある質問を5つ紹介【連載最終回】閲覧無制限

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あけましておめでとうございます!

2015年も始まりました!!
今年は良い年になりそうですね。いえ、何の根拠もありません。
テクニカルダイバーは常に前向きです。

サイドマウントダイビング(提供:石井隆)

さて、このサイドマウント連載もいよいよ最終回。

国内のダイビングポイントにも、連載開始の1年前に比べてサイドマウントダイバーが増えてきましたね。
なんだかワクワクしてきます。

ただ、それでも、「サイドマウントって何?」「何が楽しいの?」「何の得があるの?」
という質問を良く聞きます。
そこで、今回は今までのまとめとして、よく質問されたことにお答えしたいと思います。

Q. サイドマウントって何?

スクーバダイビングで使用する、タンクを身体の側面に装着するダイビングスタイルです。
2つのタンクに2つのレギュレーターを使用し、主に専用のBCを使用します。

オープンウォーター環境での使用方法はさまざまです。

タンク1本で潜ったりもしますし、タンクの大きさや種類もさまざま。
基本的にはダイビングスタイルは自由です。
ダイバーのいろいろな発想で楽しむことができるでしょう。

Q. サイドマウントって何がいいの?

よく聞かれる質問です(笑)。

まず、水中での快適性が第一でしょう。
重いタンクが背中に無いことにより、水中での束縛感が少なく感じます。

また、重心が身体の上面から下面に移ることにより、水平姿勢がとりやすく、専用BCを使用すると安定感が増します。

楽にとれる水平姿勢と身体側面にくるタンク位置により、水中での抵抗が減ります。
水中での移動が楽になり、わずかなフィンキックでも推進力を得られるでしょう。

そして、身体の厚さを抑えることにより、今まで入れなかった狭い空間にも侵入できます。
また、レギュレーターとタンクが2つあるということにより、ダイビングの安全面も強化されます。
エントリー・エキジットもタンクの装着にさまざまな方法があるので、環境に合わせて選択できます。

サイドマウントダイビング(提供:石井隆)

Q. サイドマウントって難しい?

正直言って、最初は難しいかもしれません。

まず、サイドマウントは器材を自分で組み上げる必要があります。
テクニカルダイバーにはお馴染みのコンフィグレーション(器材構成)ですが、レクリエーションダイバーにはちょっと縁遠いですよね。

そしてこのコンフィグレーションはダイビングの快適性に大きく影響します。
そのため、サイドマウントダイビングではコンフィグレーションを重要視します。

ダイビングスタイルも最初は戸惑うかもしれません。

ダイビング中に、使用するレギュレーターを替えなえればならないからです。
普通のダイビングでは一度くわえたレギュレーターを外すことは少ないですよね。

でも、サイドマウントでは片方ずつ、一定の法則で空気を吸い分けます。
慣れないとちょっと大変ですよね。

さらに、使用するタンクによっては浮力の変化が生じます。
バランスが変わらないように均等に使い分けることと、浮力によって変わるタンクのポジションもコントロールしなければなりません。
慣れないとこれもちょっと大変。

あと、気をつけなければいけないのが、バディへのバックアップ空気の対処法。
これも通常のレクリエーションと大きく異なる手順があります。
とても大事なことですので、慣れるまでしっかり身に付けます。

どうでしょうか?

新しいダイビングスタイルということもあり、戸惑うことも多いでしょう。
ですが、一度身につけ慣れてしまうと、快適なダイビングを楽しむことができます。

Q. 通常装備のダイバーとサイドマウントダイバーは一緒に潜れるの?

これもよく聞かれる質問です。

確かに、タンク装備を考慮すると、通常装備はタンク1本、サイドマウントダイバーは2本使用します。

ですが、サイドマウントダイビングもタンクの種類やコンフィグの変更で通常ダイバーのようにタンク1本で潜れます。
もちろん、慣れるまでは練習は必要ですが、慣れてしまうと通常ダイバーと変わりません。

また、2本のタンクで潜る際、2本のダイビングで考える方もいらっしゃいます。
つまり、1日2本潜るとした場合、通常のダイバーはダイビング毎にタンクを交換しますが、サイドマウントダイバーは交換しません。

こうすると、タンクの使用本数は通常のダイバーと変わりません。
サイドマウントに熟練してくると、通常のダイバーより空気の使用を抑えられるのも理由の一つです。

サイドマウントダイビング(提供:石井隆)

ただ、しっかり注意していただきたいのは、残圧を常に注意すること。

「1/3ルール」ってご存じですか?

ダイビングで使用するタンクを常に1/3残してダイビングを終了することです。
基本的に1/3を行きで使用、1/3を帰りで使用、1/3を予備としてキープ、というテクニカルダイビングの考えから派生しています。

サイドマウントダイバーは、タンク交換なしで2本目を潜る場合、この1/3ルールを厳守しなければなりません。

例えば1本目終了時、タンクの残圧が、右は110bar、左は100barとします。
この場合、2本目に使用できる残圧はトータル210barですよね。

ということは、1/3ルールで残さなければならない残圧は70bar(各タンク35bar)です。

「ターンプレッシャー」ってご存じですか?

ダイビングの折り返し点をこう言います。
折り返しの判断はさまざまです。残圧や時間等で判断します。
でこの場合は残圧です。

210barの場合、ターンプレッシャーは140bar。

つまり、各タンクが70barになったらダイビング終了のため、帰らなければなりません。
でも、各タンクが70barと言ったら少なく感じますが、140barって考えたら、通常ダイビングであればOKですよね。

注意してもらいたいのは緊急時の対処法。

ちゃんとしたサイドマウントダイバーであれば、均等にタンクの空気を使用しているはずです。

もし、バディに何らかのトラブルがあり、空気を共有しなければならない場合、ターンプレッシャー時、つまり一番遠い所でも各タンクは70barずつ残っているはずです。
70barずつ残っていれば、お互い無事に帰れるでしょう。

もし、例えば、バディの空気使用量が多く、70barでは足りない場合は、バディの使用する空気量でルールを考えます。

例えば、1/3ルールを1/4ルールに変更するとか。
(1/4を行きで使用、1/4を帰りで使用2/4を予備としてキープ)

ただし、どのようなトラブルが起きるかわからないのがダイビング。
可能であればフル充填のタンクで潜りたいですよね。

Q. お金はいくらかかるの? 専用器材って高い?

受講料については各ショップでさまざまです。
実際にお問い合わせするのがよいでしょう。

例えば、PADI サイドマウントSPの場合、他のSPのように価格を抑えているところもあれば、テクニカルダイビングのように設定している所もあります。

私が所属するTDCJではテクニカルダイビングの一環として講習内容や価格を設定しています。

サイドマウントダイビング(提供:石井隆)

そして器材ですが、専用BCは購入したほうが良いでしょう。

通常、ダイビングのBCでもタイプによってはサイドマウントで使用できるモデルもありますが、使用感や安全面を考慮すると、サイドマウントに慣れないうちは、専用BCのほうがオススメです。

使用方法や型式によって値段はさまざまですが、大体10万円前後ではないでしょうか。

レギュレーターは2セット必要です。
2セット無い方はそろえる必要があります。

また、そのうち一つは1.5m以上のロングホースが必要ですし、各レギュレーターには残圧計も必要です。

レギュレーターやホース、残圧計をそろえた場合、15~20万円程度でしょうか。
他にはタンクバンドやゴムバンド、各クリップ(スナップ)などが必要です。
併せて2万円ぐらいだと思います。

その他、マスクやフィン等は普段ご使用になっている物が使えます。

他にもいろんなご質問をいただきました。
すべてにお答えしたいのですが、記事に限りがありますのでこの辺にしたいと思います。

もし、他にもご質問やご意見がございましたら、オーシャナ編集部か直接私までお問い合わせください。

今回でこのサイドマウントに関する連載はひとまず終了とさせていただきます。
冒頭でも書きましたが、この1年で国内のサイドマウント需要は大きく変わったと思います。
と同時に、国内で独自にサイドマウントが進化しているのも感じました。

日本という環境を考えれば、独自に進化していくことは当然のことだと思います。
素晴らしいことでしょう。

ただし、気になったのは、サイドマウントのベーシックな部分も変わりつつあるところ。
特にコンフィグレーションでは、安全面に対して違和感がありました。

例えば、タンクを止める方法。
サイドマウントのスタイルは自由です。タンクの止め方ももちろん自由。
ですが、中にはサイドマウントのメリットをなくし、しかもデメリットが生じている止め方をしている人を見かけることもあります。

もう一度、私を含めたサイドマウント・インストラクターは、メリットを生かし、安全を考慮した指導を再確認する必要があると思います。

そして、本当のサイドマウントの楽しさを伝えることが重要でしょう。

サイドマウントダイビング(提供:石井隆)

フィリピン・スービック湾にて

それでは、1年間本当にありがとうございました。

寺山編集長はじめ、オーシャナスタッフの皆さんも本当にありがとうございました。
いつも原稿が遅くてすみません。

掲載写真で協力してくださった安藤カメラマンや写真をご提供してくださった方々、ありがとうございました。

そして1年間ご愛読いただいたオーシャナ読者の皆さま、本当にありがとうございます。
文章を書くのが苦手なため、もしかしたら私の記事を不快に思われた方もいらっしゃるかもしれません。
本当にすみませんでした。

最後に、願わくば、この連載を読んだ方が、一人でも多くサイドマウントを初めて、新しい冒険の世界へ向かわれることを切に願います。
では、またいつか再度(サイド)お会いしましょう!!

あ、ちなみに今年のバレンタインデーは、フィリピンで講習を受けています。
いえ、決して逃げたわけではありません!!
絶対に違います! 断言します!! 逃げてません!!!

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