水中写真家・鍵井靖章さんに「生(ライフ)って何ですか」って聞いてきました

2013年11月15日(金)からFUJIFILM SQUAREにて開催の写真展「生(ライフ)~写真がとらえる野生~」に行ってきました。

今回の写真展、“海の写真”や“山の写真”などとカテゴライズされているわけではなく、それぞれ違うフィールドで自然や生き物を撮影している4人のカメラマンの写真を集結させたもの。
その中に、水中写真家・鍵井靖章さんの写真が展示されているとのことで、早速初日に行ってきました!

生(ライフ)~写真がとらえる野生~

まず写真展に入って驚いたのは、4人の作品が混ざり合って展示してあること。
私はカメラマンごとに区切って展示してあるのかと思っていたのですが、このような展示方法にすると、全く違うフィールドの写真にも共通点を見つけることができ(写真展で確かめてみてくださいね)、また今まであまり目にしてこなかったカメラマンの作品にも同時に触れることができるので新しい写真展として楽しめました。

鍵井さんに少しお時間を頂いてお話を聞かせてもらいました。

生(ライフ)~写真がとらえる野生~

実は私、鍵井さんと直接お話しするのは初めてでかなり緊張していたのですが、そんなことは一瞬で忘れさせてくれるようなとても素敵な笑顔で答えてくれました。

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いつから撮りためた作品が展示されているのですか?

鍵井

デジタルになってからなので、5年程前からです。
でも3枚だけフィルムの写真もありますよ。今回の写真のテーマが海の可愛い写真ではなくて、“野生を感じるもの”だったので写真を選びながら「もう今は撮れない写真だなー」なんて思っていました。

―――

どうして今は撮れないんですか?どの写真のことを言っているのですか?

鍵井

例えば、あのジンベイザメが大きく口を開けている写真。あれは今回数少ないフィルム写真の一つですが、あれは僕が22歳の時に撮ったものです。
当時僕は生物に優しくなかったんですよね笑。だから、海に飛び込んで“ワーー”ってぐいぐい近づいて撮ることができた。
でも今は生物に対して優しくなったし、守りたいとも思う。だから今ではもうあれは撮れない写真なんです。

―――

では今回一番のお気に入りは、今お話し頂いたジンベイザメの写真ですか?

鍵井

そうですね。僕にとっては水中写真家になるきっかけにもなった写真だし、今ではとても価値のある写真なんです。

生(ライフ)~写真がとらえる野生~

全員が写真の前でじっと立ち止まり一枚一枚真剣に見ているのが印象的でした

―――

今回展示している作品の中で、撮影していて大変だった・苦労したという写真はありますか?

鍵井

実は、大変だった写真はないんです。
ここに展示しているだけではなくて、基本的に大変だったと思う写真はないです。

―――

どういうことですか?

鍵井

(海や生物に)撮らせてもらってる感じですね。タイミングとか自然の流れにうまく乗っかってシャッターを切る。無理はしないんです。

―――

では、撮っていて楽しかった写真はありますか?

鍵井

それはあります。
今回展示しているアシカやマナティですね。生き物の中でも、より生き物っぽいので撮影していて楽しいです。

―――

今回はトークショーも予定されていますよね?

鍵井

実は一緒に展示している他の3名の方とは今回初めてお会いしたんです。
自分にとってすごく刺激になりましたし、今の水中写真に足りないものが(自分の中で)わかり、とても良いきっかけになりました。
この4人でこのテーマでというトークショーはもう二度とないと思うので、是非聞きに来てほしいです。

―――

今回の展示は“野生を感じる写真”ということでしたが、最近鍵井さんの中でのテーマはあるのでしょうか?

鍵井

今じゃなくて写真集出したときに聞いてくださいよ笑。でも、「一歩先の幸せ。目の前にある幸せ」を撮りたいですね。
最近特に(自分の中でのテーマが)変わったと思いますよ。

―――

最近というのはダンゴウオの写真集あたりからですか?

鍵井

そうですね。東日本大震災前と後ではだいぶ変わりました。
震災前は夢の中で写真を撮っていたんです。いい海に行って、写真を撮ってって。
でも震災を経験して、一回夢から醒めたんですよね。それで「ダンゴウオ」の写真集を作ったんです。
でもその後、“それならもっと夢の世界を作ってやろう”って思ったんです。

―――

それで出来上がったのが「夢色の海」ですか?

鍵井

そうです。夢の世界を作りたかったんです。

鍵井靖章の写真集

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お忙しい中、ありがとうございました。

鍵井さんはとても優しい笑顔をする方だなというのが第一印象だったのですが、お話を伺っているとすごく真剣な眼差しで写真を見つめながら話してくださる場面も多くありました。
鍵井さんにとってのジンベイザメの写真は、私にとっては何になるんだろうなんてちょっと自分を見つめなおしながら写真展をまわりました。

また、テーマが“生きる”という壮大なものなので、見た人は必ず“生きるとは何か”と自分自身に問いかけることになる写真展だと思います。

なので、かなり恥ずかったんですけど、素直に聞いてみました。

―――

鍵井さんにとって「生きる」ってなんですか?

鍵井

え、それ答え持ってる人いるの?!
・・・“恋する”かな笑。

―――

ありがとうございます、そのまま書かせて頂きます。

鍵井

まぁでも、「今、お前、ちゃんと生きてるか?」ってことに繋がるんだろうね。
うん(写真展を見渡して)繋がった気がする。

鍵井さん、本当にありがとうございました。

写真展には、空の上から海の底までの本当に命を感じる写真が並んでいます。
鍵井さんが“under”、前川さんが“over”、松本さんが“on”、山形さんが“along”。個人的にはそんなことを思いながら、写真を見てきました。

会場にいたお客さんも「素晴らしい写真ばかり。見たことない景色で楽しい。」「迫力が違う。命を感じる。」と興奮気味でした。

また「(自分の)子供も見にくるし、子供たちにも見てもらったらきっとなんか感じてくれると思う」と鍵井さん。
みなさんもお早めに足を運んでみてください。
そして感想をぜひ聞かせてください。

生(ライフ)~写真がとらえる野生~

FUJIFILM SQUARE企画写真展「生(ライフ)~写真がとらえる野性~」概要

2013年11月15日(金) ~ 2013年12月4日(水) 
10:00~19:00 期間中無休
出展写真家:鍵井靖章/前川貴行/松本紀生/山形豪

■詳細はこちら
FUJIFILM SQUARE 企画写真展「生(ライフ)~写真がとらえる野性~」 | 写真展・ フジフイルムスクエア(FUJIFILM SQUARE)

■トークショー「写真でとらえる野生」
日時:11月30日(土)14:00~15:30
会場:フジフイルムスクエア2F
入場料:無料
定員:150名(予約制)
申し込み:館内受付または、電話予約(03-6271-3350)にて

※写真展の中は撮影禁止ですが、今回は特別に許可を頂いて撮影しています。

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PROFILE
成蹊大学文学部国際文化学科卒業。
ナレーター、司会、ダイビング・モデルとして、TV、雑誌、モーターショー、トークショーなどで活躍。宝くじのキャンペーンガール「幸運の女神」では、46都道府県を旅する。

2013年からは、大物運・海況運をつかさどる「海の女神」へと転身し、舞台を海に変えてオーシャナの突撃体験レポートを担当。
潜水士資格も取得し、2014年は伊豆大島復興観光大使「ミス椿の女王」として、伊豆大島をはじめとした被災地復興支援活動にも尽力する。

「ダイビングがきっかけで、物の見方も感じ方も生き方も180度変わり、自分の周りまでもキラキラ輝き出したことを実感。 
いろんなことを体験しながら、たくさんの“きっかけ”を届けていきたいです」

【経歴】
・第25期 日本テレビイベントコンパニオン
・第11~12期 スバルスターズ
・第33期 宝くじ「幸運の女神」
・第23代 ミス椿の女王(2014.2~)
・第29代「ミス熱海・桜娘」(2016.1~)
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