緑色のアワビ?三陸の海で行われる稚貝の放流
今日は潜水ボランティアによる、あわびの稚貝放流の様子をお伝えします。
三陸はあわびの漁場としても有名ですが、震災後の2012年度においても、全国で岩手1位(278t 22.0%)、宮城3位(96t 7.6%)、2県で全国の3割の水揚げを誇っています。
ちなみに世界で日本は第4位。
震災後は環境が変化したり、漁をする船が足りなかったりと水揚げが落ち込みましたが、昨年の水揚げは震災前にかなり近づいてきています。
多くの放流においては船の上から漁場にばらまくのが普通ですが、震災後、もともと海藻が生い茂っていたところに何も生えていなかったり、転石帯が砂地になっていたりと、ダイバーが直接海に入り、環境の変化をとらえながら放流したほうが、効率が良いという意見が上がりました。
ダイバーが適切な深度で、コンブ類が付いている転石帯や岩盤等を探しながらあわびの稚貝を放流していきます。
外敵となるヒトデやタコやカニにも注意が必要です。
人工種苗の稚貝のサイズは2〜3cm、その飼料から緑色になります。
(天然物は赤っぽいです)
これらが無事に育ち、アワビ漁で採捕されるのは4年後、大きさは9cmほど。
みなさんの食卓にあわびが上ったら貝殻の色を確認してみて頂きたい。
殻のはじまりの小さな部分、そこに緑色が残っていたら放流のしるしです。
今回、参加したダイバー系ボランティア団体は、三陸ボランティアダイバーズ、ブルーサポート岩手、石巻・海さくら、TSUNAGARI project。
また、地元の窓口となってくれている、テラルネッサンス。
各地元で頑張っている活動団体同士が連携を強め、お互いに協力し合いながら地元の復興へ向けたニーズに応えています。
彼らの活動と連携によってさらにダイバーと漁師との信頼が築かれているのも事実。
ダイビングという手段を通して、冒険する、癒しを手に入れる、水中で写真を撮影する、学術的な研究をする、潜水作業をする、など、人それぞれ色んなダイビングがあると思います。
ボランティアダイビングによってあなたのダイビングもかなり意義のあるものになるかもしれません。