パプアニューギニアのとある島が水不足にならない理由
パプアニューギニアの北部に位置する、ケビエン・リセナン島。
1週間ほぼ無人島のようなリセナン島で生活してみて、疑問に思ったのは、“雨が降らなくなったらどうやって水を手に入れるんだろう”ということ。
雨水に頼って生活しているリセナン島では、水がなくなれば真水でのシャワーはおろか、生きるのに必要な食事でさえ作ることができなくなります。
それでもオーナーは「私たちは水の心配はしていない、ふんだんにあるから」と話します。
無人島だったリセナン島に惚れ込み、移住し、開拓したオーナーのアモンさんにリセナンの水の秘密を特別に見せてもらいました。
リセナン島が水不足にならない、宇宙ステーションと同じ秘密の装置を見せてもらった
「基本的には雨水を使用して生活しています。それでも雨が降らなかったりして水が足りなくなってしまったら、海水を使用します」と、オーナー。
「海水をそのまま使用するんですか?それとも塩を抜く作業もこの島でやっているんですか?」と尋ねると、もちろん塩を抜きます、と自信満々に回答。
「特別に見せてあげるよ、ついておいで」と連れて行かれたのは、なんだかずっと音がしているなと来島当初から気になっていた、器材洗い場の裏に位置する秘密の部屋。
「ここが、リセナンの心臓部。24時間、365日ずっと稼働させています。ここがある限り、私たちの水は保障されているから大丈夫」
これ、1日にどのくらい作っているんですか?
「一日トータルで約4000L作ります。雨水からだけでなく、海水から真水にすることも可能です。
しかし、真水になるのは、海などから採取した水のうち1/4だけ。3/4は海に返却します。
それだけ水のいい部分だけを凝縮させて料理などに使用しているから、リセナンの水はとても安全。海には水がたくさんあるからね、だから僕らは水には困らないんです。
でも大切に使ってもらわなくてはいけないというのは、変わらないけど」
驚いたことにこの装置、宇宙ステーションで使用しているのと同じ製品の小さい版なんだとか。
島でもおなかを壊さずに生活できたのには、こんな秘密がありました。