隠れ家アイランドリゾートで潜る!パプアニューギニア・ケビエン(第4回)

美しすぎる飛行機の残骸が沈む、PNG・ケビエンの海

この記事は約4分で読めます。

パプアニューギニア・リセナン、沈んだ飛行機(撮影:中村卓哉)

先日開催されたパプアニューギニアナイトで、話題の中心となったケビエン・リセナン島。

「行きたくなった」と同時に、「もっと詳しく知りたい」との声も多く、イベントでは、伝えきれなかった情報をお伝えします。

以前、リセナン島付近での一番の人気ポイント「アルバトロス・パッセージ」についてご紹介しましたが(パプアニューギニア・リセナン島、一番人気のポイントの実力)、私が取材で訪れて最も興奮したのは、実はレックダイビングポイント。

パプアニューギニアの沈船や沈飛行機は、ほとんどが第二次世界大戦の時に沈んだもの。
その中で忘れることのできないレックダイビングポイント2か所をご紹介します。

Deep Pete(ディープピート)

水深40mの真っ白な砂地に眠る飛行機

沈んでいるのは旧日本軍の三菱重工製の飛行機だと言われており、水深は40m。
取材陣に今までにない緊張が走りました。

減圧の関係で、水深40mにいることが許されるのはほんの数分。
15分の時間差で2班に分かれて潜ることとし、私はカメラマンの中村卓哉さんと共に先行チームになりました。

時間を守ること、砂地を荒らさないことなど注意事項を確認しながらも、「飛行機が真っ白な砂浜に横たわっているポイント」だと聞いていたので、エントリー前から胸が躍っていたのは正直なところ。

沈飛行機Deep Peteは美しすぎた

その日は天候にも透明度にも恵まれ、水深25mの地点で眼下に飛行機を確認することができました。

パプアニューギニア・リセナン、沈んだ飛行機(撮影:稲生薫子)

水深40mの地点で撮影。右下がプロペラ、後ろには尾翼が見えます

母体、翼、プロペラは想像以上に原型を留めており、飛行機の”残骸”というにはもったいなすぎるほど美しく、初めのうちは雰囲気に圧倒され、近づくのを躊躇。
飛行機の周りを一周するのには1分ほどかかり、機体の周りのヨスジフエダイの群れが華を添えていました。

7分ほどすると無減圧潜水時間が限界に近かったので、名残惜しくも浮上を開始。
19mで1分間減圧してから浮上を再開し、5mで安全停止したのちにエキジット。
全員の第一声はそろったことは言うまでもないかもしれません。

「ここは、何としてでももう一回潜りたい!」。

長年水中で活躍しているプロの水中カメラマンたちでさえ、神秘的なその姿を目の前に、興奮しているのが伝わってくる、そんなポイントでした。

カタリーナ

空中分解し水深25mに沈んだ沈飛行機

2つ目にご紹介するポイントは「カタリーナ」。
その名の通り、アメリカ軍の飛行機が沈んでいます。

このカタリーナ、第二次世界大戦の際にはケビエンからトラック諸島(チューク)に視察のために飛び立ったものの、離陸直後に空中分解を起こして沈んだとのこと。

カタリーナはプロペラを2つ保有しており、その2つともが残っていることなどから、こちらも予想よりは原型を留めていたのですが、それでも、弾はあっち、タイヤはこっち、拳銃はそっちのように、バラバラと海底に散らばっているといった印象。

空中分解ののち墜落するとこうなるのか・・・という現実を目の当たりにし、戦争の生々しさを痛感させられました。

残ったプロペラとボディーは、すでに多くの魚の漁礁になっており、プロペラの裏にはイソギンチャクが住みつき、その中には可愛らしいカクレクマノミも。

パプアニューギニア、リセナンのカクレクマノミ(撮影:中村卓哉)

コックピットの位置に住んでいるカクレクマノミ。撮影:中村卓哉

Deep Peteとカナリーナはポイントが近いので、水面休息さえきちんと取れば続けて潜ることも可能。

両機体共、南太平洋に面して沈んでいることから、透明度にも恵まれることが多く、水は薄い水色。
さらに白砂の上にふわっと乗っているので、俯瞰して見てみると、未だに空を飛んでいるかのようにも見えてきます。

叶うならもう一度潜りたいポイントです。

パプアニューギニア・リセナン、沈んだ飛行機(撮影:中村卓哉)

カタリーナ。撮影:中村卓哉

\メルマガ会員募集中/

週に2回、今読んで欲しいオーシャナの記事をピックアップしてお届けします♪
メールアドレスを入力して簡単登録はこちらから↓↓

writer
PROFILE
成蹊大学文学部国際文化学科卒業。
ナレーター、司会、ダイビング・モデルとして、TV、雑誌、モーターショー、トークショーなどで活躍。宝くじのキャンペーンガール「幸運の女神」では、46都道府県を旅する。

2013年からは、大物運・海況運をつかさどる「海の女神」へと転身し、舞台を海に変えてオーシャナの突撃体験レポートを担当。
潜水士資格も取得し、2014年は伊豆大島復興観光大使「ミス椿の女王」として、伊豆大島をはじめとした被災地復興支援活動にも尽力する。

「ダイビングがきっかけで、物の見方も感じ方も生き方も180度変わり、自分の周りまでもキラキラ輝き出したことを実感。 
いろんなことを体験しながら、たくさんの“きっかけ”を届けていきたいです」

【経歴】
・第25期 日本テレビイベントコンパニオン
・第11~12期 スバルスターズ
・第33期 宝くじ「幸運の女神」
・第23代 ミス椿の女王(2014.2~)
・第29代「ミス熱海・桜娘」(2016.1~)
FOLLOW