宮古島・八重干瀬の海底を彷徨う謎の沈船へ潜る

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宮古島の沈船(撮影:中村卓哉)

今回僕は、宮古島で24°NORTHの所有する日本初のクルーズ船「TIDA again」に乗って2泊3日の旅に出たのだか、その時に彷徨える謎の沈船に出合った。

24ノースTIDA again

TIDA again

宮古島北部に広がる日本屈指の珊瑚礁、八重干瀬。
巨大な珊瑚礁に抱かれるようにひっそりと海底に眠る一隻の船がある。
およそ20年前に八重干瀬で座礁してしまったこのタグボートは水深15mの海底に横たわり「沈船タグ」というダイビングポイントになっている。

船の大きさはおよそ60フィート(18m)。
透明度も良く水深も比較的浅いので、初心者でも楽しめる沈船ポイントだ。船の周囲には人懐っこいツバメウオが群れ、ダイバーを出迎えてくれる。

宮古島の沈船(撮影:中村卓哉)

見た目は普通の沈船。
しかしダイビングの直後、ガイドをしてくれた24°NORTHの渡真利将博さんに驚くべき事実を聞かされる事になった。

「実はあの船、海底を彷徨っているんだよね…」

一瞬耳を疑ったが、よくよく話を聞くと元来沈んでいた場所から70m近くは船の位置が移動しているのだという。

しかも、現在は真横に傾いている船体も、以前は甲板が上を向くようにまっすぐ立っていたのだとか。

船の場所をいくら山あてして潜っても、まったく船が見つからないこともあったという。

宮古島の沈船(撮影:中村卓哉)

そんな奇妙な話を聞いていると、彼方にうっすら見えるのは、神人の島・大神島。

「まさかとは思いますが、大神島の神様のパワーが船を引き寄せているのではないですか?」
スピリチュアルな気分に拍車がかかり、ついオカルト的な話の展開に。

「だっからよ~」

……だからなんなのだろう。
かくいう自分も過去に大神島で神秘的な(恐怖の方面の)体験をしたことがあるので、意味深な渡真利さんの返答に少しだけ寒気を覚える。

きっと猛烈な台風の力などで少しずつ海底を引きずられているのだとは思うけれど、もしかしたら新たな海底パワースポットになる可能性を秘めているのかもしれない。
神人のパワーすら感じられた不思議な沈船ポイントだった。

宮古島の沈船(撮影:中村卓哉)

気になった方は八重干瀬エリアに強い24°NORTHにぜひ、ポイントのリクエストをしてみてください。
船が彷徨い移動していなければ、きっと不思議な沈船タグに出会えるはずです。

この海を案内してくれたのは
24°NORTH(ニイヨンノース)

24ノース渡真利将博さん 24ノース

1977年オープンの老舗ダイビングショップ。
デイトリップはもちろん、25mのダイビングプールでの講習、コンドミニアム完備、カタマランのクルーズ船と、ハード面の充実は宮古島随一。
アンカーから料理まで何でもこなす右腕のキヨさん(脇本起代)と若手有望株のゆうた君が渡真利さんの脇を固める。
現在はパラオからチャンスくんが3か月間の研修にきている。

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PROFILE
1975年東京都生まれ。

10才の時に沖縄のケラマ諸島でダイビングと出会い海中世界の虜となる。

師匠は父親である水中写真家の中村征夫。
活動の場を広げるため2001年に沖縄に移住。その頃から辺野古の海に通いながら撮影を始める(現在は拠点を東京に置く)。

一般誌を中心に連載の執筆やカメラメーカーのアドバイザーなどの活動もおこなう。
最近ではテレビやラジオ、イベントへの出演を通じて、沖縄の海をはじめとする環境問題について言及する機会も多い。

2014年10月にパプアニューギニア・ダイビングアンバサダーに就任。

■著書:『わすれたくない海のこと 辺野古・大浦湾の山 川 海』(偕成社)、『海の辞典』(雷鳥社)など。
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