バラエティに富んだ鯨類から傷ついたクジラまで ~スリランカ・ホエールスイムWEEK3まとめ~

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スリランカ・シロナガスクジラ(撮影:越智隆治)

スリランカ北東部でのホエールスイムweek3も無事終了。

■マッコウクジラの群れに大接近!~スリランカ・ホエールスイムWEEK3スタート~
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■尻尾を振るワンコのようなカジキにほっこり~スリランカ・ホエールスイムWEEK3~
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4日目は、前日にかなり群れと一緒に泳いだため、疲れも出ていて、漁師から「マッコウもう少し北にいたよ」という情報を確認したものの、「今日は早く帰って身体を休めよう」ということになり、近くにいたハシナガイルカの撮影をして引き上げた。

最終日の5日目は、漁師の情報を元に、かなり北まで遠征。
昨年TV局の撮影で訪れた海域まで足をのばす。

途中で遭遇したのは、まずはニタリクジラ。
べた凪の海域を静かに南下していた。

最初は、背びれが全然見えないので、「このクジラ何の種類だろう」と思いながら接近すると、ボート上からでも、背びれが欠けているのがわかった。

スリランカ(撮影:越智隆治)

サメにでもやられてのかな?
とガイドのメナカと話していたが、後で海中で撮影した写真を確認すると、どうやら漁網が巻きついて、それで背びれも引きちぎれてしまったようだった。

もう網も無く、古い傷のように見えるが、背びれの位置に丸く凹むように跡が残ってうるのが痛々しかった。

スリランカスリランカ・ニタリクジラ(撮影:越智隆治)・シロナガスクジラ(撮影:越智隆治) スリランカ・ニタリクジラ(撮影:越智隆治)

海域には、漁師が仕掛ける網をよく見かける。
クジラの回遊するエリアでも普通に見られるから、ひっかかってもおかしくはない。

数日前にも南のエリアでシロナガスクジラが漁網に絡まり、ホエールウォッチング船のクルーやゲストがその漁網を取り外してあげたことが、スリランカでは話題になった。

しかし、貧しい生活を続ける漁師に対して、一方的に「漁網を使うのを止めろ!」と訴えかけるのもなかなかできないとメナカはいう。
「それに、この海域で使っている漁網はトビウオを取る程度の網だから、クジラがひっかかっても問題無い」と弱々しげに主張した。

どんな弱い網にせよ、手を使えないクジラにとって、絡まってしまったものを取り外すことは容易ではないのは、本人も理解しているはずだ。
しかし、ホエールスイミングをする上で、この海の漁師との信頼関係を崩すことは、彼にとってもなかなか難しい判断なんだろうなと、彼の話ぶりから理解した。

彼らの生活を今以上に困窮させること無く、クジラやイルカにとっても安心できる漁法が見つかるといいのだけど。

ニタリの後は、バンドウイルカの群れや、数百くらいはいるコビレゴンドウの群れ、ハシナガイルカの群れに遭遇した。
しかし、北のフィーディンググランドまで足を伸ばしたけど、結局マッコウの群れには遭遇することは無かった。

スリランカ・ゴビレゴンドウ(撮影:越智隆治)

結局、week3では、3日間マッコウに遭遇、しかも、毎日一緒にいる時間が長かった。

最終日にはニタリ、バンドウ、ハシナガ、コビレとバラエティに富んだ鯨類たちに遭遇できた。

特に3日目のマッコウの群れは、久しぶりに見たサイズの群れだった。

スリランカ・マッコウクジラ(撮影:越智隆治)

これからweek4のゲストを迎えにコロンボへ移動。
月曜日からまた海に出る。

2017年も3月、4月にスリランカにてシロナガスクジラ、マッコウクジラ狙いのホエールスイミングを開催します。

★ご興味のある方はお問い合わせください。
tour@oceana.ne.jp

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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