奄美大島南部、アフターダイビングスポットめぐりの旅! 〜前編:古仁屋&住用〜
『海・旅・人』をつなぐマーメイドライター・小笠原愛が、奄美大島のアフターダイブスポットをご紹介します!
今回、拠点として利用したのは、奄美大島南部にあるヴィラ「ゼログラヴィティ」。
まずは、宿からほど近い、古仁屋(こにや)&住用(すみよう)エリアの陸の魅力を発掘してきました。
一緒にめぐったのは、バンクーバーパラリンピックのアイススレッジホッケー銀メダリスト上原大祐選手、7月のシーカヤックマラソンに出場予定の神宿正旭(まさあき)選手。
奄美大島を訪れたのは3月の中旬頃。
例年、3月の平均気温が17度の奄美大島にしては寒さが目立つという島の人たちの声の通り、滞在中はずっと肌寒い日が続き、寒がりな私は上着を手放せない旅となりました。
古仁屋編1
アマミノクロウサギナイトツアー
奄美大島の空港に到着したのは日も暮れ始める夕方。
「ゼログラヴィティ」がある古仁屋に向かう途中、奄美大島に生息する絶滅危惧種であるアマミノクロウサギ(奄美野黒うさぎ)を観察するナイトツアーに参加しました。
窓のない4WDのジープに乗り込みいざ森の中へ!
肌寒い風を全身に浴びながら、真っ暗な山道をガイドさんの説明と共に車のヘッドライトだけで進んでいきます。
何が出てくるか分からない、ドキドキワクワク感がたまりません。
道の途中、ジャックと豆の木で有名な世界最大のマメとして文化財にも指定されているモダマの豆に遭遇!
1mはゆうにある豆の大きさに思わず驚きの声が漏れます。
まだまだ知らない自然はたくさんあるんだな〜。
そして、その後も奄美から沖縄にかけて生息している琉球コノハヅクや奄美大島、沖縄北部、徳之島地域の固有種である毛長ネズミ、日本固定種である奄美ヤマシギ、アマミアカガエルなど奄美大島や琉球でしか見られない動植物たちが登場。
夜の森の中で出会う命たちに冒険心をくすぐられます。
メインのアマミノクロウサギはというと、3月の涼しい気候は、アマミノクロウサギにとって快適な温度だそうで、1年の中でも一番俊敏な動きをする時期らしく、姿は見えるもののなかなか近くで観察できません。
しかし、チャンスは突然訪れました!
普段は自分で作ったお決まりの通り道しか通らないというアマミノクロウサギですが、何を間違えたか通り道を外れてしまったようで、たまたまフェンスの外に出てきたところに遭遇できました。
ちょっと怯えながらも、フェンスの上でじっとしている姿は、耳が短く茶色っぽくてまるでネズミのようです。
夏になって気温があがってくると、動きが鈍くなってきて道路の真ん中でジッとしていることもあるそう。
フェンスの上に間違えて出て来てしまったウサギちゃんはどことなく不安そうで、すぐに安心できるフェンスの下へと戻っていってしまいました。
たくさんの動物に出会える本物のジャングルクルーズのような時間に、大人でも大興奮でした。
住用編
マングローブツアー
2日目の朝は、古仁屋から南に30分ほど車を走らせた住用町の日本で2番目に大きいマングローブで水上散歩。
初めてのマングローブツアーに胸を弾ませながら、カヌーに乗り込んで水の道を進んでいきます。
カヌーを初めて漕ぐ人でも、問題なくカヌーで進んでいくことができます。
マングローブの中はとても静かで、カヌーを漕ぐ水の音と鳥のさえずり、ガイドさん声だけが響き渡るピースフルな時間。
大自然のエネルギーを感じて自然と呼吸が深くなっていくのがわかります。
マングローブとは、海水と真水が混ざったエリアで生息できる植物の総称で、この住用町のマングローブには、7〜8mほどに成長するメヒルギと10mほどに成長するオヒルギが自生しています。
どちらも根や葉を使って上手に塩水をろ過して真水だけを吸い上げて生存しているとのこと。
植物の進化ってすごいですね。
私たちがマングローブに行った時間は干潮で、マングローブのトンネルを抜けていくような水路には水位が低く入れませんでしたが、その代わりにメヒルギ、オヒルギの特徴的な根っこを観察することできました。
流れの関係で、行きはスイスイだった道のりも、帰りは流れに逆らって進んでいかなくてはならないため、流れの強い場所は私一人では戻ることが困難に。
ガイドさんに引っ張ってもらって、無事に出発地点まで到着できました。
古仁屋編2
トトロのバス停
マングローブの後は、ゼログラヴィティがある古仁屋エリアの観光スポットへ。
まずは奄美大島の観光スポットとして、ジワジワ人気が出つつあるトトロのバス停に。
トトロとネコバスのお出迎えに、大の大人が3人で「わーきゃー」言いながら大盛り上がり。
子どもが来ても、よろんでくれること間違いなし。
小屋の中にもかわいい仲間たちがいるのでぜひ探してみてくださいね。
それはそうと、こんなにかわいい小屋の中にこんな文字が。
写真右にある棒の中に「ハブ注意!」の文字。
こちらの棒はハブを捕まえるための棒です。
ハブと共に生活している奄美大島ならではの光景ですね。
みなさま茂みに潜むハブにはお気をつけて……。
トトロのバス停の次の目的地は、バス停から東に車で約20分のホノホシ海岸。
その前に、ホノホシ海岸に向かう途中にある『ハートが見える風景』にも立ち寄りました。
ハートが見える風景
数段ほど階段を上った高台から海を見下ろすと……
心が純粋なあなたには、ハートが見えているはず!
この日はあいにくの曇り空でしたが、晴れていれば青く透き通った海の景色をさらに美しく眺めることができます。
ホノホシ公園
そして、次の目的地ホノホシ公園へ到着。
公園につくと、一面緑が広がる野原の先に、ジュラシックパークに出てきそうな手付かずの山がお出迎えしてくれます。
この山の形がかっこいい!
さらにトレイルを奥に進んでいくと、珍しい丸い玉石のビーチが出現。
波の音に耳をよーく傾けると、波が押し寄せる音とともに玉石がゴロゴロとぶつかり合う音が聞こえてきます。
なかなか聞けない自然の音も旅を彩る要素ですね。
2日目の旅はこれにて終了。
半潜水船「ニューせと」
旅の3日目。
たまたま古仁屋に住んでいる私の友達のアテンドで、午前中は引き続き古仁屋エリアの観光へ。
朝一で、古仁屋港から出ている半潜水船「ニューせと」で海中散歩へ。
古仁屋港には海の駅があり、新鮮な海鮮の食事やお土産を買うことができます。
乗船すると、3日目にしてやっとお日様が顔を出してくれました。
お日様が出た瞬間、海の色が鮮やかな青に変わり水面がキラキラ。
太陽さんありがとう〜!
船に揺られること10分、水中観察ポイント瀬戸崎に到着。
海中を見るために潜水船部分に降りていってビックリ。
こんなに綺麗に見えるの? というくらい、サンゴやたくさんの魚たちがいる青い世界が目の前に広がっていました。
海の中に入ることでしか海の世界をみることができないという思い込みがあったんだなぁ〜と気づかされました。
半潜水船は、海に入らない人たちにはかなりオススメ。
ラッキーだとウミガメが泳いでいるところに遭遇することもあるそうですよ。
白浜海水浴場
古仁屋港から北西に車を走らせ、次の目的地、白浜海水浴場へ。
海岸線に続く道の左手には海が広がっており、途中、古仁屋の産業であるマグロ養殖の養殖場を見ることができます。
15分程走ると、目的地の白浜海水浴場へ到着。
小さな集落の海沿いにデイゴの木が立ち並び、私たちの到着を歓迎してくれているようです。
海岸沿いの通りの目の前には白浜海水浴場の名前の通り、白い砂浜のビーチが細長く広がっています。
私たちが足を運んだのは午前中でしたが、ここは隠れたサンセットポイントで、
天気がいい日には金色に輝く太陽が海に沈んでいく姿が拝めるそう。
島と島の間に沈んでいく夕日はなかなか見ることができませんよね。
人も少ないので、プライベートサンセットが楽しめるかもしれません。
後編は加計呂麻(かけろま)島編と宇検村(うけん)編。
奄美南部の旅はまだまだ続きます。
■supported by ゼログラビティ
奄美大島・南部のマリンアクティビティリゾート。
施設全体がバリアフリーになっているため、健常者だけでなく、障がいをもつ方も快適に過ごすことができます。
車いすのままエントリー可能なカタマラン船を所有しているほか、オーシャンフロントのプールも完備!
もちろん宿泊施設も完全バリアフリーです。
美しい奄美の大自然を満喫できます。
鹿児島県大島郡瀬戸内町清水122番地
TEL0997763901
小笠原愛プロフィール
『海・旅・人』をつなぐをテーマに、ライター、ツアーアテンダント、Pikai swim Hawaiiアンバサダー、インターネット番組のMCなどを務めるフリーランサー。
フリーダイビングの世界に魅了され、フリーダイバーとしてトレーニングも行っている。
10代の頃から海と自然が大好きで、20歳の時ダイビングのライセンスを取得するが、すぐにパニックになりダイビング不可能に。
2013年ハワイ島に長期滞在し、日常的に野生のイルカと泳ぐ日々を過ごす。
「もっと海の中に長くいたい・自分とつながりたい」という気持ちから、2015年よりフリーダイビングを開始。
記録を追いかけることよりも、水を感じること・ひとつになることを大切にしている。
『たくさんの人と海をつなぐこと』を目標に、ツアーアテンダントとしておもてなしを学んだり、まちづくりプロジェクトにも参加中。
イルカ・クジラ・シャチが好き。