鹿児島・奄美市名瀬の漁港にジンベエザメが出現。翌日には外洋に戻った可能性
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透き通る青い海と豊かなサンゴ礁、冬にはザトウクジラも観られる奄美大島。ダイバーにも人気のそんな海で、12月2日(月)、なんとジンベエザメが目撃された。体長約4mの若い個体で、奄美市名瀬の大熊漁港内を回遊していた。しかし、一夜明けた3日には姿が消えていた。自力で外洋に戻った可能性が高いとされている。
名瀬の漁港に突然現れたジンベエザメ
ジンベエザメは成長すると体長10~12mにもなる世界最大の魚類で、熱帯から亜熱帯の海に広く分布している。大きな体とは裏腹に、動物プランクトンなどの小さなエサしか食べない大人しい性質を持つサメだ。今回目撃された個体は約4mと比較的小柄で、体には傷が見られたものの元気に泳いでいたという。
12月2日(月)、名瀬でダイビングショップ「マリンスポーツ奄美」を営む才秀樹さんが知人からの連絡を受けて船を出し、海に潜って様子を確認した。「30年ダイビングをしていますが、初めての遭遇が、まさか港の中とは…。2日間同じ港で確認されていました」と話す。
また、奄美海洋生物研究会の興克樹会長も現場に駆けつけ、ジンベエザメの観察を行い、「本来の生息域ではない場所に、たまたま何らかの理由で迷い込んでしまったのだと思います」と話した。
翌日には外洋に戻ったか
報道を見た多くの親子連れが漁港に駆けつけた。しかし、12月3日(火)午前には既に姿を消しており、期待を胸に訪れた人々の中には残念そうな表情を見せる姿もあったよう。興会長によると、「ジンベエザメは回遊するので、再び奄美大島の海でこの個体に出会うことは難しいだろう」と話している。
奄美大島を騒然とさせた珍客。無事に漁港から出られて一安心。長生きすることを祈りたい。
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