宮城県石巻市リポート その5

宮城県石巻市に通うようになって、3回目、総滞在日数も10日間を越えました。
そんな中で、石巻市3回目にして、何もかも無くなってしまった被災者の方が暮らす、避難所に入りました。
場所は、牡鹿半島鮎川町の方が避難所ぐらしをしている牡鹿町保健福祉センター、清優館です。ここは、高台にあり、地震の被害をほとんど受けなかったところです。
ここに避難されている方は、5月2日現在、138人、うち17人の子供(乳幼児1人)がいらっしゃいました。
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入口を入ると避難所生活の中で元気に振舞うお母さん達がいました。
館内に流すミニコンポに、ぬいぐるみを乗せて、可愛くしたり、海辺で折れた桜の大木に桜が咲いていたと少し折ってきて飾ってありました。避難所生活について質問するとニコニコしながら答えてくれた。こんなところも、被災者とお話しすると元気をもらえる瞬間です。
一人のお母さんに、避難所の中を案内してもらいました。
大きな広間には、10家族以上の家族がいらして、ダンボールで仕切りが出来ていました。
奥には、子供達専用の遊びがあり、たくさんの子供達が遊んでいます。
廊下には、2家族がいましたが、ペットがいるため、みんなと離れたところで、過しているようでした。
男達は、日中は瓦礫の片付けや浜辺に行き、使える漁具を見つけて綺麗にして、いつ再開するかわからない漁の準備をしているそうです。
一通り見せていただき、もう一つの目的である館内に、こいのぼりを貼り付けていくことにしました。避難所生活が続き、日付の感覚が無くなりつつあるみなさん、特に子供達に季節を感じてもらうことが目的です。
一緒に車に乗せてきた若いボランティアの2人が、静岡県から送られてきた大量のこいのぼりを、館内の壁に貼り付けて行きました。その間僕は、職員の方の話を聞きに、事務所の方に行きました。
そんな中で、仮設住宅建設の遅れ、避難所で一緒に生活をしていることから、全員の仮設住宅が出来るまでは、避難所を離れたがらない事を聞きました。
いろいろお話を聞き、こいのぼりを貼り付けているボランティアの2人のところに戻るとこいのぼりを貼り付けている2人の周りにたくさんの子供が来ていました。
大学生の男の子の周りには、女の子がいっぱいいました。
「もてるな」と言って、近づいてみると。。。
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もてると言うよりか、むしろからかわれている感じでした。
一人の女の子は、明らかに年上のお兄ちゃんという感じで意識しているのですが、興味を持ってもらうために、わざと意地悪な事を言ってる感じで、彼のお手伝いをしていました。
何故、そう思ったかは、後ほど書きますね。
もう一人のボランティアは、石巻市牡鹿半島の出身で、看護学生で震災の時は、石巻市内の看護学校にいたそうです。震災後学校が休みになってしまったので、地元に戻りボランティアに参加したそうです。
その子は、小さな女の子に捕まり、絵本を読み聞かせをしていました。
そんな姿を見て、最初は僕らに無関心だった子供達が、遊び相手がほしいだなということを悟りました。
学校の友達共会えず、避難所での生活はつまらないと思います。
そんな中で、若い男女のボランティアは、いい遊び相手だったのでしょう。
でも、僕らには限られた時間しかなく、そんな子供達とゆっくり遊んであげることは出来ませんでした。出来る限り避難所にいましたが、夕方近くになると、海沿いの道路は、震災後の地盤沈下の為、高潮の影響で通行が出来なくなってしまうのです。
子供達と過す時間はあっという間で、別れの時が来ました。
車に残ったこいのぼりを積んでいると、男の子のボランティアに突っかかっていた女の子(中学生か高校1年ぐらい)が、僕のところに寄ってきて、「あの二人付き合ってるの?」と聞いてきたのです。
彼女には「付き合ってないよ」と答えましたが、やっぱりと感が当たった事を確信しました。
DSCF5002.jpgそろそろ帰ろうかというと女の子のボランティアと仲良くなった小さな女の子が、お散歩に聞きたいといいだし、返したくない彼女の気持ちが痛いほどわかったので、「行っておいで」と言い二人は、別れの時間を少し伸ばすことが出来ました。
この子達と会えるのは、いつなんだろうという思いがよぎりました。
被災者の方の為を思い、行動をしていますが、無責任な約束は出来ないので、いつ来れるかわからない時は、「また来ます」とは言わないようにしています。
でも、折角出来た子供達が、2人の若い男女のボランティアを見送る姿を見ていると、思わず「また来るね」と言ってしまいました。
もちろん、また行くつもりです。
でも、純真な子供達の気持ちを思うと、被災者の気持ちにあまり入り込むのは、いけないことだ思いつつも、そう出来ない自分がいます。
そんな子供達の為に、次に行くとは、喜んでもらえるものを届けてきたいと思います。そして、遊び相手をしてくれる人もつけていけたらいいなと思いで、初めての避難所を後にしました。

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