鹿児島のメジャーダイビングポイント「南薩摩」。錦江湾とはまったく異なるその表情に迫る
鹿児島市にある多くのダイビングサービスは、SB(スマイルビームス)のように、錦江湾でのダイビングに注力するよりは、外洋に面した南薩摩まで車で移動してのダイビングが多いのだとか。
錦江湾の最大の特徴の一つでもある、緑色で暗い海の景観は、やはりビギナーダイバーには、少々不安も感じる要素であるのは、間違いない。錦江湾は、どちらかと言えば、ある程度潜り込んで、水中撮影に興味を持ったダイバーには、超おすすめの海。
ビギナーダイバーであれば、やっぱり、青い海でまったりとダイビングを楽しみたいのは当然のことだろう。
その欲求を満たしてくれるのが、鹿児島市内から車で1時間ほどの南薩摩の海だ。多くのダイビングサービスが、ビーチエントリーのみなのに対して、SBは、こちらにも十人乗りの小型ダイビングボートを所有しているので、当然のことながら、ダイビングポイントの選択肢は増える。
鮮やかなソフトコーラルに群がる
多種多様な生物
南薩摩の海は、東シナ海に面して広々と口を広げる、長さ約47kmの砂丘、吹上浜の前に広がる。季節によっては、外洋をマッコウクジラが回遊するし、この広い吹上浜の海岸にストランディングすることもしばしばなのだとか。
市や県が予算を組んで、ホエールウォッチング事業を展開しようとした時期もあったのだそうだが遭遇率はそれほど高くなく、今ではやっていないとのこと。
さて、そんな海で最初に案内されたポイントは、大きく口を開ける湾のかなり沖、水深が数百メートルに一気に落ち込む手前にある「大瀬」と名付けられた隠れ根。
この時期には、イサキやメジナの群れがソフトコーラルに覆われた根の山頂部分に大群で回遊してくるため、カラフルなソフトコーラルと群れを絡めて撮影が可能だ。
トップが水深7m、ボトムが50mの根の周囲は、カラフルなソフトコーラルやナンヨウキサンゴに覆われている。
個人的に気になった生物は・・・ユウレイクラゲに共生するハナビラウオと、ソフトコーラルの上にのっかるテズルモズル。クラゲマニアがクラゲだけ求めて撮影に来ることもあるのだそうだ。
豪快なダイビングを楽しみたいダイバーにはおすすめだ。
サンゴが広がる
ダイナミックな景観
ボートが出る大当海岸は水深5mくらいから、サンゴの群生地域が広がる。シコロサンゴ群は、シコロサンゴとサオトメシコロサンゴ。枝珊瑚はスギノキミドリイシ。
そこには、イトヒキベラが多く生息していて、オス同士の縄張り争いや、婚姻色を出してのメスへのアプローチが結構簡単に撮影できるのが、興味深かった。
水深20mの砂地に沈められた瓶の中には、ミジンベニハゼが住み着いていて、人気だ。潜ったときには、まだ小粒の可愛いペアが住み込んでいた。
錦江湾と違って、オーソドックスな海の表情を見せてくれる南薩摩の海。錦江湾でマニアックに潜るも良し、南薩摩でこんなダイビングを楽しむも良し。そんな両方の海を楽しく、的確に案内してくれるのが、SBのガイドたちだ。
■supported by Scuba Diving Shop SB (スマイルビームス)
松田康司さん、環さん御夫婦とスタッフガイドの射手園さん3名のアットホームなDS。鹿児島市内にあるダイビングショップで唯一、自社ボート(ブラックパール号)を所有。船長は松田さんのお父さんの俊一さん。
桜島を仰ぎ見て潜る超個性的で独特な海、錦江湾だけでなく、外洋で透明度の高い南薩摩の海専用の小型ボートも所有。
ボートダイビング、ビーチダイビング両方対応してもらえる数少ないDSだ。オーナーの松田康司さんは、ガイド会にも所属し、錦江湾の海中の四季を捉えた写真は、他の海ではあまり目にすることがない不思議な光景で、とても興味深く、撮影意欲を掻き立ててくれる。
錦江湾でのマニアックなダイビングから、南薩摩の明るい海でのファンダイビングまで、どんなダイバーにも、対応してくれるダイビングサービス。
〒891-0144 鹿児島市下福元町7641
TEL/FAX:099-262-5838
営業時間:10:00~19:00
店休日:毎週火曜日(夏季7月~9月無休)
http://sb-diving.sakura.ne.jp