【読者プレゼントあり】月刊たくさんのふしぎ「イカは大食らい」発売!作者・吉野雄輔さんの想いとは
自然や環境、人間の生活・歴史・文化から数学・哲学まで、第一線で活躍する研究者や専門家が、あらゆる不思議を小学生向けにお届けする科学雑誌「たくさんのふしぎ」シリーズより、「イカは大食らい」が8月に発売される。
1年で驚くほど成長するイカの秘密に迫った本書。今回は写真と文を担当した海洋写真家の吉野雄輔さんにインタビュー!それだけにはとどまらず、特別に読者プレゼントもご用意いただいた。
多くの図鑑や写真集も手がける吉野さんの「イカは大食らい」、そして子ども向け絵本制作に対する想いをお届けしよう。
「心が広がるきっかけを作りたい」
吉野雄輔さんの想い
ー
「イカは大食らい」ではどんな不思議に迫っているのでしょうか。
吉野さん
この本で主人公にしているのはアオリイカなんですが、このイカは1年で5000倍くらいになるんです。1g以下で産まれて、5kgくらいに1年で育って死んでいく。短期間でここまで育つのって不思議ですよね。
その理由の一つが、大食漢ってこと。つまり 、“擬態する”とか“ものすごく目がいい“とかっていうハンターとして有能な能力を持っている、というところをお伝えしたいと思っています。
それから様々な種類のイカの一生。一般的な生物の本は、一種類の誕生から死までをみせることが多いんですが、僕の本ではその一生を色んな種類のイカでみせています。イカにも種類がたくさんあり、それぞれ生態が違うので、アオリイカだけでなく深海のイカなどの卵や子供をみせて、なんとなくイカというもの全体の一生が伝わるようにしました。
ー
色んな種類のイカが掲載されてますが、一番最初に載っている、イカが遠くを泳いでいる写真も印象的ですね。
吉野さん
海の中で泳いでいるイカの姿を見たことない子どもがほとんどだと思うので、こうやって青い海を泳いでるんだっていうのを見せたかったんです。また、本ってどうスタートしてどう終わるのかが大事だと思っているのですが、この写真には、自分がダイバーになって初めて見たイカが、こっちを見ながら遠くを通過していった時の「目が大きくて色がくるくる変わるし、地球の生き物とは思えない!」という感動が詰まっているんです。そういった、イカの一つひとつの不思議に迫る本として、最初に持って来たいと思いました。
ー
イカの泳いでる姿ってあまり馴染みがないですもんね。今回のような子ども向けの絵本を制作する際は、特にどんなことを大事にしているのでしょうか?
吉野さん
「答えを書き切らないこと」を一番大事にしています。イカの写真を子どもが見たときに「なんでこんな形をしてるのかな」「目がおっきくて変だな」「綺麗な色してるのはなんでだろう」って疑問を持ち、なぜなのか想像してもらいたい。そんな風に、心が広がっていくきっかけを作るのが子どもの本だと思っています。
吉野さん
今はネットでなんでも答えが見つかるし、学校の勉強でも正解を求められることが多いですが、本当は「答えがないことや分からないことがあるんだよ」っていうのが、親が子どもに一番伝えたいことなのではないでしょうか。新型コロナウイルスでも専門家がたくさん集まって解明しようとしていますが、空気感染するの?しないの?など分からないことだらけです。
疑問に対して想像力を働かせるっていうことを、子どもたちにも絵本を通して体感してほしいですね。
ー
吉野さん、ありがとうございました。
ダイビングでも見る機会が多いイカの魅力とその不思議に、読者のみなさんも今一度触れてみてはいかがだろうか。
月刊たくさんのふしぎ2020年9月号(第426号)
「イカは大食らい」
文・写真:吉野雄輔
発行日:2020年9月1日(書店に並ぶのは、8月5日前後)
出版社:(株)福音館書店
サイズ:25×19センチ
ページ数:本文40ページ(ふしぎ新聞つき)
金額:本体700円+税
「イカは大食らい」3部プレゼント!
今回の「イカは大食らい」発売に際して、抽選で3名様へ本書をプレゼント!
応募方法は下記をご覧ください。
【応募方法】
下記のメールアドレスに指定の件名で空メールをお送りください。
応募期限は、8月11日(火)まで。
当選者には、メールにてご連絡致します。(1週間以内にご返信ない場合は無効とさせていただきます)
■応募先メールアドレス:editor@oceana.ne.jp
■件名:オーシャナプレゼント 月刊たくさんのふしぎ2020年9月号「イカは大食らい」
海洋写真家・吉野雄輔プロフィール
1954年、東京生まれ。
大きな海の写真から小さな生きものまで、スチール写真を専門に、40年以上撮影している。写真集、図鑑、写真絵本、雑誌、新聞、広告などの世界で幅広く活躍。
著書に『海の本』(角川書店)『山渓ハンディ図鑑 改訂版 日本の海水魚』(山と渓谷社)、『世界で一番美しい海のいきもの図鑑』(創元社)発売5年目でもAmazonでベストセラー1位、増刷決定、7刷。
たくさんのふしぎでは『海は大きな玉手箱』(101号)、『ウミガメは広い海をゆく』(174号)、『この子 なんの子? 魚の子』(294号)、『ヒトスジギンポ 笑う魚』(328号)、『サメは、ぼくのあこがれ』(354号)、『海のかたち ぼくの見たプランクトン』(391号)など多数(福音館書店)
▶︎吉野雄輔の海底探検
▶︎ゆうすけの豪海倶楽部