バディ(セルフ)ダイビングのススメ ~恐怖と喜びの入り交る感動の体験~
オーシャナでは、伊豆半島や真鶴半島で起こりつつあるバディダイビングのムーブメントを応援しています。
※バディダイビングの定義:
セルフダイビングとも言われていますが、ガイドやインストラクターと一緒に潜るのではなく、バディ同士が自己責任で楽しむダイビング。
なぜ、バディダイビングなのか?
バディダイビングをして欲しい。
なぜか?
ひと言で言えば、自分の体験に基づくおせっかいです。
「スキルアップ寺子屋」(水中造形センター刊)の“あとがき”に、和尚がいいこと書いています(笑)。
書いてから10年経ちますが、気持ちはまったく変わっていません。
(一部抜粋、省略しています)
※変な口調なのは、その昔、僕が和尚というおじいちゃんキャラで雑誌に連載を書いていたからです……。
「ダイビングって何が楽しいのじゃろう?」。
一時、そんな迷路に迷い込んでしまったことがある。
ダイビング自体の楽しみが見いだせなくて、ふと「ダイビングっていった……」と悩むようになり、ダイビングをやめようとさえ考えていた。今まで、ガイド殿や先輩ダイバーについていくだけのダイビングしかしていなかったが、ある日、初めて気の置けない友人と2人だけで潜ってみることになったのじゃ。自分たちであれやこれやと相談してダイブプランを立て、海況判断をして潜る。
水中では自己管理をしつつ、自分たちで決めたコースを通り、生物も自分たちで見つけ出す。この大いなる探検には、恐怖と喜びの入り混じる感動の世界があったのじゃ。
海に潜るということがただごとではないと肌で感じる瞬間でもあった。この体験を通じて思ったことは、ダイビングは海と自分の意思とが向き合って初めてそのおもしろさがわかるということじゃ。
日本ではガイド潜水が主流になっており、もちろん、それはそれでいいこともたくさんあるのじゃが、一度、自分の頭で考え、自分の責任で海と遊んでみることが、一歩上を行く、自立したダイバーへの道じゃろう。
バディダイビングのムーブメントが起きているのは、先達のダイバーたちの中にも、こういう思いのダイバーが少なくないからでしょう。
また、ダイバーの中にも、実はやってみたいという人が結構いることに、最近、気がつきました。
先日、オーシャナでバディダイビングをしたことのダイバーに「なぜ、やったことがないの?」とアンケートで問うてみたのです。
なぜ、バディ潜水(セルフダイビング)をしたことがないのでしょうか?
- その他 (6%, 10 Votes)
- 行きつけのショップへの配慮 (1%, 1 Votes)
- できるとは知らなかった、考えたこともなかった (3%, 5 Votes)
- ガイドやインストラクターと潜ったほうが楽しいから (16%, 25 Votes)
- 怖い、難しそうなのでやりたいとは思わない (8%, 13 Votes)
- やってみたいけれど、バディがいない (20%, 32 Votes)
- やってみたいけれど、機会(場所)がない (21%, 34 Votes)
- やってみたいけれど、自信がない (25%, 39 Votes)
Total Voters: 159
やったことがない理由はいろいろありますが、いずれも「やってみたいけど」できていないという結果です。
ならば、できるような環境を整え、バディダイビングのやり方をお伝えすればよいと考えていたところ、皆、同じことを考えていたんですね。
ということで、オーシャナとしては、バディダイビングを進めている海の皆さんをつないで、システムを作るお手伝いをして、ダイバーの皆さんには、バディダイビングをするために必要な情報をお伝えてしこうと考えています。
また、今年、ダイビング指導団体の最大手であるPADIが、Cカード講習のカリキュラムを変更し、バディダイビングを明確に海洋実習の中に組み込みました。
ダイビング界としても、バディダイビングはムーブメントと言えそうです。
最後に誤解なきよう言っておきたいのですが、ガイドやインストラクターを付けずに潜るべきだと言っているわけではありません。
むしろ、バディダイビングをすることによって、ガイドやインストラクターの価値を実感すると思います。
登山で山頂を目指す時、自力登山、ガイド付き登山、ゴンドラで一気に山頂、という選択肢がありますが、同じ山頂でも見えている景色は違うでしょう。
ダイビングにも選択肢が増えて欲しいと願っています。
【ダイビング業界の皆さまへ】
都市型ダイビングショップ、現地ダイビングサービス(センター)、器材メーカーなど、ダイビング業界のすべての皆さんにとって、良い方向にいく施策を考えています。
僭越ながら、このムーブメントの窓口を仰せつかっていますので、ご興味にある方は、ぜひご連絡くださいませ。ご説明いたします。