【屋久島】オオヒレテンスモドキの産卵 by 原崎森
【ポイント】 クレーン下
【水温】 25.2℃
【透明度】 30m
【海況】 凪ぎ
【天候】 くもり
【潜水時間帯】 13:58-16:56
【潮まわり】 06:17 202cm 満潮 / 12:07 94cm 干潮 / 17:46 213cm 満潮 / 大潮(月齢:13.3)
【日の出・日の入】 日出06:38 日没17:25
今日もシリテンスズメダイ(仮称)の屋久島での生息状況調査をしようと思っていつもの一湊タンク下へ。
しかし、今日も釣り人!!!!
しかも今日は4人もいるし。。。(・_・;)
いつもは釣り人なんていないポイントなのに、なぜにこんな時に限って多いんだろ。。。
オヤビッチャなどの浅場に群れる魚は釣り人がいるともうアウト。
釣り人が仕掛けを投入するととたんにみんなそこに向かって猛ダッシュで移動し、投入された仕掛けの周りに集まってしまうのだ。。。(・_・;)
そして餌がなくなるまで、みんなで器用に食べて無くなると去っていく。(つまり、釣れない(笑))
当然、釣りをしているワケだから、そこに近づくわけにもいかず、永遠に観察は不可能なのだ。(ーー;)
というわけで急遽、ポイントをクレーン下に移して、日頃あまりマジマジと見ることがないオヤビッチャという魚を目に焼き付けることにした。
このポイントに群れているのは多分、間違いなくオヤビッチャがメイン。
なぜそれが言えるかというと、毎年初夏になると、ここのテトラの壁面でドギツイ紫色の卵を広範囲に産みつける大産卵が見られるからだ。
これがオヤビッチャじゃないとしたら、もう何を基準に置けばいいのか分からなくなってくる。。。(笑)
なので、取りあえず、これをオヤビッチャとして観察したい。
ここで見られるオヤビッチャは大きな成魚が中心で、どれも背中の黄色がクッキリしていて、横帯は青い。
シリテンスズメダイとの識別点らしい側線上の鱗数もハッキリ3列だ。
当然、尾ビレに黒い2つの小黒点などなく、一番最初の横帯は胸鰭基底部でキッチリ止まる。
これをいつまでも観察していても何も進展はないので(笑)、若魚を中心に見ていくことにした。
多分、シリテンスズメダイ(仮称)という種類がいるとしたら、これはオヤビッチャの成魚ではなく、若魚と混同されているのではないか?と思う。
実際、今日もこの成魚中心の群れの中から模様や体色などが異質なものを見つけては凝視すると、それは一回り小さな個体(若魚含む)である事が多い。
こうした小さめの個体を中心に、今日はオヤビッチャを見まくった!!
いや〜夢にオヤビッチャが出てくるくらい。。。(笑)
どいつも遠目では一昨日に見たシリテンスズメダイ(仮称)くさい子と似ているのだが、近づいてよく見ると、尾ビレに黒い2つの小黒点などなく、一番最初の横帯は胸鰭基底部でキッチリ止まっていた。
帰ってからPCで見ても側線上の鱗数もハッキリ3列だ。
多分、オヤビッチャの若魚で間違いないと思うのだけど。。。(^^;)
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2時間くらいオヤビッチャを観察していて、もう疲れたから帰ろうかと思っていたら、お腹がパンパンに張ったオオヒレテンスモドキのメスを見つけた。
しばらく、こいつを撮っていたら、大きなオスも近くで見つけた。
この時はまだ産卵が見られるかも。。。?などとは夢にも思わず、オスに比べて撮りやすいメスをバンバン撮っていた。
その後、飽きて枯葉に擬態するオオヒレテンスモドキの幼魚に張り付いて、こちらをしばらく撮っていたのだが、また元のメスのところに戻ると、なんとメスのお腹がペッタンコ!!
そう。。。産卵してしまったらしい。。。(ーー;)
マジっすか。。。狙えば良かった。。。
その後はずっとオスを追い続けたのだが、どうもオオヒレテンスモドキは一夫多妻ハレム型の配偶システムのようで、縄張り内に3匹のメスを囲っていた。
オスは縄張り内の各メスを順番に回り、求愛のような行動を繰り返す。
1匹のメスにかける求愛の時間はそれほど長くはなく、ヒレをひろげてちょっとメスの周りをクルクル回る程度の地味な求愛だった。
派手な婚姻色らしい婚姻色もなく、それまで全体的に淡い緑色っぽかった体色が興奮するとやや茶色っぽくなるくらい。。。
面白いのがオスが来るとメスも体を縦に立てて上下に振る。
まるでオスに産卵をせがんでいるかのようだ。。。(笑)
もっと面白いのが、3匹のメス以外に、ハレム内には幼魚も1匹いたのが、こいつもオスが近づくとそれまで枯葉に混じってベッタリ寝転がっていた体を急に立てて揺する。。。(^_^;)
さすがにオスはまったく相手にしないけど、幼魚はオスが遠くに過ぎ去るまでそれを続けていた。
ハレム内のメス3匹のうち、2匹はまだお腹がパンパンに膨れていたのだが、結局産卵が見れたのは一番小さなメスだけだった。
もうすでにメスはやる気満々だったようで、オスがまとわりつく求愛に合わせてスグに上昇をし始めた。
むしろ、メスが積極的なくらいに。。。(笑)
産卵のための上昇はあまり高くなく、水底から40cm程度上がり放卵放精。
時間は16:04だった。
オオヒレテンスモドキの産卵は初めて見た!(*_*;
実はもう1匹お腹の大きな巨大メスがいたのだが、こちらは粘ったけど全然産卵に至らない。。。
求愛はするので、そのうち産卵するだろう。。。と確信していたのだが、ナゼか急にオスは石の下の砂に潜って一切出てこなくなってしまった。。。
んっ???何があったの???
もう頭の中は????だらけ。。。(ーー;)
不思議なことに大きかったメスのお腹もいつの間にか萎んでいて、これまた頭の中が混乱。。。
意味が分からねぇ〜!!!!