船酔いに強いORICAでも勝てない大時化を乗り切った秘密教えます
船旅の悪いイメージ、要らぬ賜り物「リバース」。
…と言うと色々想像してしまうので、ここでは「地球に還元」という言葉に置き換えて話を進めていきましょう。
島巡りシンガーとして船旅を続ける私ですが、小学六年生になった頃に、ようやくわが家にはマイカーが導入されたので、幼少期から車の揺れに対する免疫を持ち合わせていませんでした。
揺れに加え、タクシーや誰かのおうちの車の匂いを嗅いだだけで即ダウンする子で、遠くの方を見たり、酔いに効くという手首のツボを押してみたりと、それなりに頑張ってはみたものの体質はそう簡単に改善されるものではありませんでした。そんな私も、身体の成長とともに三半規管もそこそこ強くなり、高校入学二日目には、バス通学で爆睡するまでに。
さらに船に関しても多少の揺れでは酔わないことが分かり、むしろ揺れを楽しむくらいになってきた私は、「もっと揺れたらどうなるだろうか?」という常軌を逸する欲が出てきたのである。
人生初の大時化チャレンジ!
2020年のカウントダウンは大型船の上にいました。
2019年の大晦日、東京の島を結ぶ東海汽船の大型船、旧さるびあ丸でカウントダウンをした私は、2年連続船上で新年を迎えるか悩んでいました。常日頃「時化の日に乗ってみたいなぁ」なんて頭のおかしいことを言っていたら、年末の海が大荒れになることを知ってしまい、乗船は必須となったのだ(笑)。
以前、鹿児島から与論島までのフェリーに乗った時も超絶に揺れ、同じ部屋にいたおばちゃんと「今日はえらい揺れましたね~」なんて話しながらも、睡眠は取れたし、むしろ揺れが楽しいと感じていた私は、この日の時化だって全然大丈夫だと、たかを括っていたのです。しかし、この日の時化は、本人の予想とは裏腹に今まで経験をしたことがない見事な大揺れとなったのでした。
調べてみたところ、時化の定義は波高4m以上、大時化の場合は6m以上らしい。この日の波高4m、風速は15mだったので本来「大」はつかないのですが、もう一つの航路の橘丸は欠航になり、ギリギリ出航してくれたさるびあ丸がどれだけ揺れたかが分かるでしょうか。そもそも客船として時化を味わえる限界値でしょうから、「大分(だいぶ)時化った」ということで「大時化」と呼ばせていただこう(笑)。
※時化ているが美しい初日の出
立っていられないくらい揺れていた、なんていう月並みな表現では全く伝わらないでしょう。
左右に大きく揺れ、ベッドの上で寝転んでいると下から体が突き上げられるようにうねり、船体が波に叩きつけられるたびに、ドーンと地響きのような音とともに頭を両手で揺さぶられるような感覚と言ったら良いでしょうか。
自然の動きに規則性なんて無いというのを思い知らされ、体を慣らそうとしても前から横からグルグルかき混ぜられてあっという間に目もグルグルになっていました。
旧さるびあ丸が大好きな私ですが、この時ばかりは新造船して間もない3代目さるびあ丸のピカピカのおトイレを心からありがたいと思わずにいられませんでした。「地球に還元」時、トイレがキレイだと便座にコンニチワしても悪い気はしません。
揺れない・快適・高速ジェットフォイルだけど?
さて、ここでもう一つ高速船のお話をしましょう。
ふだんの高速船ジェットフォイルはとても快適で、心地よい振動が眠気を誘い必ずといっていいほど、心地良い眠りに付いてしまう私。そのくらいストレスの少ない乗り物なのです。
そんなジェット船も、本当に稀ですが大きく揺れることがあります。その稀に当たってしまったら覚悟して乗るしかないでしょう。
ジェット船は水面を滑るようにして、約43ノット(80km/h)ものスピードで走るので、波が高いとスピードが出せないわけです。飛行機と同じようなスタイルで窓も開きません。デッキにも出られません。航海中は基本シートベルトをして着席しています。トイレや自動販売機を利用するとき以外は席を立ちません。だからこそ高速で航行できるわけですが…。
ある日、強風が吹き荒れていた時の伊豆大島からの帰り、夕方に予定があった私は大型船ではなく珍しくジェット船で帰ることにしました。
※竹芝まで大型船で約5時間、ジェット船で約1時間45分
停泊中のジェットが船体を大きく揺らしているのを見て、乗船前から嫌な予感はしましたが、案の定座席に着いて10分後には目がバッテンになり、終始遠い目になってしまいました。
高波が船に当たり、二度の緊急停止をしたのち、普段より45分ほど遅れて帰ってきたのでした。この時運良く「地球に還元」することなく竹芝に無事帰還したのですが、それもそのはず、乗船前に危険を察知した私は、いつも財布に忍ばせている乗り物酔いの味方「アネロンニスキャップ」を飲んでいたからなのです。
アネロンニスキャップのすごいところ
話を大時化の大型船に戻しましょう。
揺れのピークは約3時間ほどでしたが、辛いなりにも動画を撮ったり写真を撮ったりする余裕があったのは、船酔いの救世主「アネロンニスキャップ」があったからです。
エスエス製薬「アネロン」ニスキャップ
https://www.ssp.co.jp/product/all/annys/
酔い止めは基本乗り物に乗る前に飲みますが、アネロンは酔ってから服用してもその効果を発揮します。
個人差はもちろんありますが、私の場合元々酔いやすいくせに朝方までしゃべり倒して寝不足もいいところ。ほとんど睡眠をとらずに時化に突入してしまったわけです。ですが、アネロンを飲んでいたことでこの程度で済んだと思われます。どの程度かと言うと、人と会話ができて、揺れが収まったらちゃんと歩いたり笑ったりできる、という状態。
島に到着後、顔を真っ青にして下船する青年がいました。だいぶ酔って一人でまともに歩けない様子。乗組員さんが荷物を運び出すのを手伝ってようやく降りてくる姿を見て「ああ私はアネロンに守られていたんだ」と気づくのでした。
アネロンが好き過ぎて友達がクリスマスにプレゼントしてくれた。
かなり極端に揺れる船旅を紹介しましたが、ふだんの少々大きめの揺れだったらアネロンを飲んでおけば全く問題ないORICAです。むしろ揺れが心地よいのでそれを楽しんでいます。
ではなぜアネロンを飲んでいても酔ってしまったかと言うと原因は完全に「寝不足」です。
旅先でテンションが上がってしまうのは仕方ないことですが、翌日を元気に楽しむためには睡眠はとても大事ですね。あなたも明日突然船に乗る事があるかもしれないので、お守り代わりに財布にアネロンを入れておくと良いかも。
今度は体調を万全にして大時化チャレンジをリベンジしようと思っているとか、いないとか…。
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