泳げなかった私が、沖縄の海でオーシャンアーティストになるまで。UMMYアンバサダー・TATSUMIインタビュー

海の中を気持ちよさそうに泳ぎ、マーメイドのような映像や360度カメラを使った作品をInstagramで発信している、日本発フリーダイビングブランド「UMMY」アンバサダーのTATSUMI

今では沖縄本島を拠点に「オーシャンアーティスト兼アクアパフォーマー」として活動しているが、実は昔は泳げなかったそう。さらに話を聞いてみると、元コスプレイヤーで、大人気ハンティングアクションゲームシリーズ『モンスターハンター』のガチ勢だったという意外な一面も。

今回は、海との出会いから今の活動、そしてこれから海を始めたい人への思いまで聞いてみた。

TATSUMI(遠藤立美)

Instagramで沖縄の海を発信し続けるオーシャンアーティスト・TATSUMI。UMMYアンバサダーのほか、Insta360、GARMIN、Waydoo Japan、Yeti Japanなどとも契約している(写真:夏井優樹)

「海が好き」じゃなくて「水が好き」だった

──今はどんな活動を主にされているんですか?

TATSUMI

主にInstagramで発信しています。動画を作ったり、撮影したりですね。2025年7月から「UMMY」とプロ契約をさせてもらっていて、「オーシャンアーティスト兼アクアパフォーマー」という肩書きで活動しています。普段のInstagramでの発信はオーシャンアーティスト。水中スクーターを使った映像作品みたいなものを作る時はアクアパフォーマーという感じで使い分けています。

──昔から海は好きだったんですか?

TATSUMI

昔から海が好きという感じではなかったんです(笑)。水は好きだったんですけど、実は泳げなくて。海水浴とかは好きでしたけど、「将来海に関わる仕事をする」とかはまったく思ってなかったですね。

イルカと泳ぎたい。その衝動が、海への入口に

──海に関心を持つようになった最初のきっかけは?

TATSUMI

YouTubeで野生のイルカと泳いでいる人を見たのがきっかけです。それまでイルカと泳ぐのって、水族館のトレーナーさんしかできないと思ってたんです。でも「え、一般の人もできるんだ!」ってなって。そこから御蔵島を調べて、スクールを探して、すぐ始めました。

──泳げなかったところから始めるには、かなり勇気がいりそうですが?

TATSUMI

それが、意外とすぐできたんです。最初はプールでのレッスンだったのですが、事前に動画をたくさん観てイメトレしていたおかげか、ダックダイブも耳抜きも、そのレッスンの中では誰よりも早くできてしまいました。

最初の海では溺れかけたTATSUMI

──初めて海に潜った時はどうでした?

TATSUMI

実は一番最初、溺れかけました(笑)。先生の後ろについて潜って、イルカを見て、帰ろうとした時に海の中を見たら、宇宙みたいだったんです。その瞬間に急に怖くなって。
「私いま何メートルいるんだろう」
「あとどれくらい息がもつんだろう」
って急に現実に戻っちゃって。パニックになりそうなところを先生に助けてもらいました。

──怖かったですね。

TATSUMI

ちょっと泣きました。でもイルカがまた来たら忘れて遊んでました。

──つ、強い(笑)。

沖縄で見つけた「海で表現する楽しさ」

──次に、沖縄との出会いを聞かせていただけますか?

TATSUMI

最初は渡嘉敷島でした。初めてシュノーケリングした時に「水族館みたい!」って思ったのを今も鮮明に覚えています。天気はあまり良くなかったんですけど、それでも海の中が本当に綺麗で。「沖縄にもっと行きたい!」ってなりました。

渡嘉敷島でシュノーケリング中のTATSUMI

渡嘉敷島での一コマ。「水族館みたい!」と感動した沖縄の海がスキンダイビングにハマるきっかけに

──そこからスキンダイビングにもハマっていったんですか?

TATSUMI

そうですね。もっと綺麗に潜りたいとか、もっと海の中で遊びたいって思うようになりました。実はその頃にあさきさんという、宮古島で活動しているフリーダイビングインストラクターのマーメイド写真をインスタで見たんです。それがすごく衝撃的で。それまでの私は「潜る」ことに興味があったんですけど、「海の中で表現する」という世界を知りませんでした。マーメイドスイムもやってみたいと思ったし、ロングフィンの存在を知ったのもその頃です。海の中で人ってこんなに綺麗に見えるんだって。

今思うと、それがこの活動につながるきっかけだったのかもしれません。私、結構形から入るタイプなので(笑)、「どんなシュノーケルがいいんだろう」とか、「可愛いフィンないかな」とか、SNSでずっと探してました。10年ほど前でしょうか、その頃は今みたいに選択肢も多くなかったんですけど、海のファッションもすごく好きでした。

海で遊び始めたばかりのTATSUMI。初めて自分で買ったマスクとフィンでシュノーケリング

海で遊び始めたばかりのTATSUMI。初めて自分で買ったマスクとフィンでシュノーケリング

──そこから沖縄のスキンダイビング仲間とも出会っていったんですね。

TATSUMI

そうなんです。SNSでつながった人たちと一緒に潜るようになって。当時は今みたいに情報も多くなかったので、みんなで新しいことを探していた感じでした。「バブルリングって知ってる?」とか、「水面を歩いてるみたいな写真が撮れるよ」とか、みんなで遊びながら試していました。

──今の発信にもつながっていますね。

TATSUMI

たぶん、あの頃が原点かもしれないです。その頃は「海ではこうしなきゃいけない」みたいなスタイルも今ほどなかったので、みんなそれぞれ自由に楽しんでいました。海でニーハイ履いて潜ったり(笑)。みんなで色違いを揃えたり。今思うとおもしろいですよね。

沖縄のスキンダイバー仲間たちと

沖縄のスキンダイバー仲間たちと

──かなり攻めてますね(笑)。

TATSUMI

そうなんです(笑)。でも「みんなと同じじゃつまらない」っていう気持ちはありました。海の中ってどうしても同じような格好になりがちじゃないですか。だからファッションも楽しみたかったし、自分たちなりの表現をしたかったんです。

ハロウィンコスチュームで海へ

ハロウィンコスチュームで海へ。「みんなと同じじゃつまらない」というスタイルは当時から変わらない

──発信もその頃から積極的に?

TATSUMI

そうですね。実はちょっと下心みたいなのがあって(笑)。当時ってまだ、メーカーさんから商品提供してもらえる人がすごいみたいな時代でもあったんです。私も「いいなー」って思っていたひとりで、自分が使ってるものを提供してもらえたら嬉しいなって。だから頑張って投稿していた部分はあります(笑)。

もちろん本当に思い出を残すという意味でも投稿していました。友達とのコミュニケーションや、「こんなところ行ったよ」という記録を通して、だんだん「こんなの撮れたよ!」って見せるのが楽しくなってきて。その頃はまだ情報も少なかったので、
「こんな撮り方あるんだ」
「こんな遊び方あるんだ」
って反応してもらえるのが嬉しかったですね。

──昔から発信するのは好きだったんですか?

TATSUMI

そうかもしれないです。実は海にハマる前はニコニコ動画でゲーム配信とかもしていて。ただ遊ぶだけじゃなくて、「こんなの見て!」って誰かと共有するのが好きなんですよ。海も同じで、自分が楽しかったこととか感動したことを、誰かにも届けたいなっていう気持ちがずっとあります。

UMMYとの出会い

──UMMYとの出会いは?

TATSUMI

UMMY代表の夏井優樹さんから「マスクを使ってみない?」って声をかけてもらったのが最初でした。実際に使ってみたら自分が普段使っていたマスクにも近い感覚で使いやすく、見栄えも良く映るのですぐに気に入りました。

私は、機能性ももちろん大事なんですけど、海の中でも可愛いとか、自分らしくいられることって大事だと思っていて。UMMYはそういう部分もすごく考えられているなと思いました。

UMMYのギアを纏い水中へ。「機能性と、海の中でも自分らしくいられることを両立できるマスク」(写真:夏井優樹)

UMMYのギアを纏い水中へ。「機能性と、海の中でも自分らしくいられることを両立できるマスク」(写真:夏井優樹)

「オーシャンアーティスト」って何だろう?

──今、オーシャンアーティストという肩書きで活動されていますが、自分ではどういう意味だと思っていますか?

TATSUMI

私はもともと泳げなかったですし、機械の操作も得意ではありません。体も硬いほうなんです。だから自分に特別な才能があるとは思っていなくて。でも、海で自分を表現したり、マーメイドのような世界観をつくったりすることはできる。それを見た人と気持ちを共有できるのが、なにより楽しいんです。

海の中で「綺麗だな」と思ったことや、「こんなふうに泳げたら気持ちいいだろうな」と感じたことを、写真や動画にして誰かに届ける。映画を見たあとに「このシーン良かったよね」って誰かと話したくなるのと、少し似ているかもしれません。だから「アーティスト」というより、海の楽しさを表現している人なのかなって思っています。

──今、撮影で意識していることはありますか?

TATSUMI

海の中では恥ずかしさを手放すことを大切にしています。見てくれた人が「こんな風に泳げたらいいな」って感じてもらえる存在でありたいんです。技術の高さを見せたいというより、「なんか楽しそう」「私もやってみたい」って思ってもらえることが、何より嬉しいですね。

水中を美しく泳ぐたつみんTATSUMI(写真:夏井優樹)

水中を美しく泳ぐたつみんTATSUMI(写真:夏井優樹)

──海の中ではとても堂々としていますよね。

TATSUMI

でも普段は結構モジモジするタイプなんですよ(笑)。人前に出るのも本当はそんなに得意じゃないです。ただ海に入ると別モードになるのかもしれないですね。恥ずかしいとかあんまり考えなくなります。

──昔からそういう切り替えは得意だったんですか?

TATSUMI

似たところで言うと、アニメのキャラクターのコスプレを昔していました(笑)。

──それは意外です(笑)。

TATSUMI

アニメも好きですし、ゲームもすごくしていました。モンハンの日本3位のギルドにいたこともあります。

──えっ!?

TATSUMI

通しで6時間とか普通にやってました。絶対にミスできないクエストを何時間も(笑)。今でもゲームは好きなんですけど、絶対ハマってしまうので新作情報は見ないようにしています。海をやめてゲームしかしなくなる気がして(笑)。

海を始めたい人へ

──最後に、海に興味がある人へメッセージをお願いします。

TATSUMI

海に興味があるなら、まずは無理のないところから海に触れてみてほしいです。私自身、最初から泳ぎが得意だったわけではないですし、不安な気持ちもありました。でも、海の中にいると、自分の悩みや考えていることがすごく小さく感じられることもあって。だからまずは「潜らなきゃ」とか「上手くならなきゃ」ではなくて、海の気持ちよさを感じてみてほしいなと思います。

その上で、もし「もっと綺麗に潜りたい」とか「もっと長く海の中を楽しみたい」と思ったら、フリーダイビングを習うのがおすすめです。遠回りをせずに基礎から学べますし、安全面の知識も身につくので安心だと思います。

「海を知らない人に届けたい」

──これから、どんな発信をしていきたいですか?

TATSUMI

「今までは海が好きな人たちに向けて発信してきましたが、海を知らない人たちにはまだ届いていないと思うんです。「危なくないの?」とか、「私には無理そう」っていう声をもらうこともあります。でも実際は、私も最初から泳げたわけじゃないですし、特別な人間でもないんですよね。だから、「自分には関係ない世界だな」って思っている人にも、誰でもできるんだよっていうことと、『海って楽しそう』って思ってもらえるような発信をもっとしていきたいです」。

泳げなかった頃からの気持ちの変化を思い出しながら話してくれたTATSUMI(写真:夏井優樹)

泳げなかった頃からの気持ちの変化を思い出しながら話してくれたTATSUMI(写真:夏井優樹)

イルカと泳ぎたい。そんな思いから始まった海との出会いは、宮古島で見たマーメイドの写真や、沖縄で出会った仲間たちとの時間を経て、今の活動につながっている。今度はTATSUMI自身が、海を知らない人たちに海の楽しさを伝える側になろうとしている。彼女の発信が、誰かにとって海と出会うきっかけになるかもしれない。

Profile TATSUMI
TATSUMIプロフィール写真
沖縄在住。オーシャンアーティスト兼アクアパフォーマー。Instagramでスキンダイビングの動画・写真を発信し、マーメイドのような映像や360度カメラを使った作品が話題に。2025年7月よりUMMYとプロ契約。Insta360、GARMIN、Waydoo Japan、Yeti Japanなどとも契約。「泳げない人にも、海の気持ちよさを届けたい」をテーマに活動中。

UMMY
(写真:夏井優樹)

(写真:夏井優樹)

2022年8月に夏井優樹氏が創設した日本初のフリーダイビングギア特化型D2Cブランド。「UMI(海)は人の命に欠かせない」というブランド哲学のもと、沖縄を拠点にマスク・スノーケル・ウエットスーツ・キッズライン、アパレルなどを展開。最大2点まで無料で試せる「UMMY Free Fitting」サービスも好評。

Sponsored by UMMY

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PROFILE

IT企業でSaaS営業、導入コンサル、マーケティングのキャリアを積む。その一方、趣味だったダイビングの楽しみ方を広げる仕組みが作れないかと、オーシャナに自己PR文を送り付けたところ、前社長と当時の編集長からお声がけいただき、2018年に異業種から華麗に転職。
営業として全国を飛び回り、現在は自身で執筆も行う。2020年6月より地域おこし企業人として沖縄県・恩納村役場へ駐在。環境に優しいダイビングの国際基準「Green Fins」の導入推進を担当している。休みの日もスキューバダイビングやスキンダイビングに時間を費やす海狂い。

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