独特のアイディアがキラリと光る宮古島の水中写真10点

アマミスズメダイ(撮影:國廣哲司)

宮古島を表現する写真といえば、“地形”が王道。

王道は王道で、宮古島の魅力を伝えるために、ずっと王道であり続けるわけですが、「地形に埋もれてしまった光る魅力を知って欲しい」、「地形でもオーソドックスな撮り方だけでなく、他人が撮っていない撮り方を考えて撮るのも楽しいですよ」と、宮古島を右斜め後ろからニヤリと見つめ続ける男がいます。

アクアストーリーのクニさん(國廣哲司さん)。

ガイド会にも所属するクニさん&ゲストが撮った、王道ではない宮古島の魅力を伝える写真セレクト10をご紹介します!

バイオレットボクサーシュリンプ

バイオレットボクサーシュリンプ(撮影:國廣哲司)

「水中写真のタブーといわれる“青かぶり”。本来の色が出なく写真が青くなってしまうこの現象を、逆に有効活用しました」

「穴の中に、RGBlue(ライト)のスヌート使用で照らし出し、スローシャッターで撮っています。すると手前の光の当たっていない岩が青被りし作品をより面白い独特のものにしてくれます」

アカネハナゴイの喧嘩

アカネハナゴイの喧嘩(撮影:國廣哲司)

「宮古島の海には魚がいない? そんな話をよく耳にしますが、そんな!ただ地形という魅力の陰に隠れているだけです。生態シーンだって見られます。この写真は最近ハマっているアカネハナゴイの喧嘩です。地形を抜きにして、1つの被写体とじっくり向き合い、生態のシーンを狙ってもおもしろいですよ」

ヤマブキベラの放精放卵

ヤマブキベラの放精抱卵(撮影:國廣哲司)

「前半の地形ダイビングではワイドのカメラで攻め、後半の船下ではじっくりマクロをする。これも宮古島だからできることです。浅場は魚たちの繁殖活動が良く行われている場所。地形を堪能した後の浅場での安全停止時にどれだけ他の人よりアグレッシブにネタを探せるか。これがガイドの力量」

八重干瀬

八重干瀬(撮影:國廣哲司)

「フォト派は被写体に没頭するものですが、ガイドはゲストに喜んでいただいてナンボです。そう考えると、自然に、ゲストが気持ちいい写真を撮っているシーンを撮る、なんてことが多くなります。写真としても、ダイバーが写り込んだ決まりのいい構図になりますよ」

シンデレラウミウシ

シンデレラウミウシ(撮影:國廣哲司)

「天井の泡に映るシンデレラウミウシです。ケーブにはところどころ泡がたまっていて、鏡のように利用するとおもしろい写真が撮れます。これも宮古島ならではの地形でマクロ」

アマミスズメダイ

アマミスズメダイ(撮影:國廣哲司)

「春の風物詩アマミスズメダイの子供。春には普通に見られますが、赤い海面と緑のサンゴ抜きにしてみると何ともファンタジーな写真になると思いませんか。こんな背景のいい場所を探して、ゲストに20分くらいじっくり狙ってもらうのが楽しいのです」

マスクに反射する太陽の光

マスクに反射する光(撮影:國廣哲司)

「以前、オーシャナでマスクを光らせるコツの記事があり、自分もやってみようと思ったのですが、偶然ですが、マスクからビームが伸びたんです。これだ!と思い晴れた日の地形ではマスクビームを打ちまくる日々です」

マリンレイク

マリンレイク(撮影:國廣哲司)

「このポイントの王道は“一つの穴を美しく撮る”。しかし、日々潜りながら新しい角度から写真が撮れないか考えて潜っています。この写真もその中の一枚。今まで誰も撮ったことがないであろう場所から撮影しています。何百回も潜ったポイントでも、まだ見ぬ姿がきっとあるはずです」

地形+サメ

地形とサメ(撮影:國廣哲司)

「無機質な地形写真が一気に躍動感あふれる写真に。そして一番楽しいのは毎回撮れる写真が変化するということ。地形に生物を入れるということで、何回も納得いくような写真を撮りたくなり、飽きが来なくなります。」

ハゼの仲間たち

ハゼの仲間(撮影:國廣哲司)

「宮古島だけどマクロで遊ぶ。地形に富んだ宮古島の陰にひっそりと生活しているハゼたち。数は少ないのですが、アケボノハゼやニチリンダテハゼなども見られます。写真はエダミゾヤギ越しに撮ったものです」

アイデアひとつで、こんなに新鮮で、おもしろい写真になるんですね!

「何百本も潜っていると、そのポイントの撮り方が定着してくるので、皆さん、意外と新しい撮り方をしないのです。僕も自分で撮ってみて、目からウロコ、ということがよくあります。まだまだ地形は新しい方向からの撮り方があると思いますので、チャレンジしてみてくださいね!」

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フォト派ダイバーのアイデア作品

魔王の宮殿

魔王の宮殿(写真:高橋ひろゆき)

写真:高橋ひろゆき

「魔王宮殿内、玉座に君臨する魔王をイメージした写真。ただ地形を撮るだけでなくこういった遊び心をプラスするとより地形写真の選択肢が広がります」

白鳥ホール

白鳥ホール(写真:デューク津川)

写真:デューク津川

「光降り注ぐ美しい地形もそれだけではいつか飽きます。そんな時はスノーケルで地形に潜入しゲストの前でモデルになることも。
モデルが入ることによってより地形写真が奥深くなり、今度はこんなポーズでとか、この辺でこうしてほしいとか、新しい発想が出るんです」

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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