水中写真家・越智隆治がダイビングや撮影時に見舞われたトラブル体験談(第3回)

ヤップ島でプチ漂流した時にとった行動とは

ヤップで漂流した話(撮影:越智隆治)

自分の漂流経験が一番多いのは、マーシャル諸島。
でも、あんまり続けて書くのもマーシャルの印象悪くするかもしれないので、今度はミクロネシアのヤップの話。
ここにも、しばらくの間、毎年のように取材に訪れていた。しかも、家族全員を引き連れて。

何度も訪れている海なので、マーシャル同様、当然アクシデントも多くあった。

ある日の事、モデルのNちゃんを伴って、ガイドのDちゃん、ビデオ撮影担当のMちゃん、それにヤップ人スキッパーのSちゃん・・・・全員ちゃん付けなので、僕以外全員女性スタッフか!と思うかもしれないけど、Nちゃん以外は、男性です。・・・と一緒にボートで撮影に出かけた。

この日撮影は、ダイビングではなく、マングローブなどでの船上撮影。

ヤップで漂流した話(撮影:越智隆治)

良い場所を探して、撮影を終えて、そろそろ戻ろうと思ったときの事。

ボートが動かなくなってしまった。
エンジンの調子がおかしいのかと思ったのだけけど、どうやら原因はガス欠。

過去に、ボートのガス欠でのプチ漂流は、このヤップの時と、トンガでクジラを探しまわり過ぎてやはり帰路途中でガス欠になってしまった、その2回だけだ。

ガソリンくらい、ちゃんと入れておけよな。
そう思いながらも、このときは外洋ではなくてインリーフだったから、お腹は空いていたものの、皆の間には「まあ、どうにかなるだろう」という空気が漂っていた。

一般のゲストもいないし、特に気を使う事もない。
それに、漂流と言ってもインリーフで、しかもボートの上。
とは言っても、いまだに石のお金を使っている未開の地、ヤップ。
そんなにボートの往来は多く無いし、すでに、夕刻だった。

ヤップで漂流した話(撮影:越智隆治)

ガス欠で漂流した場所は、強い潮の流れの発生するチャネルになっていて、しかも、周囲は鬱蒼としたマングローブ。
簡単に接岸できる場所もない。
ボートが小さかったので、フィンを履いて数名が海に入り、ボートを押して1時間。
何とか島に上陸することができた。

ここまで来れば大丈夫。
後は携帯で連絡して、救助を待つばかり。
しかし、お腹が空いているし、皆疲弊しきっていて、口数も少なくなっていた。

そんな時、皆の明るさを取り戻そうと思って取った行動とは…。

ヤップで漂流した話(撮影:越智隆治)

以下、過去にYOU TUBEにアップした、そのときの動画が掲載されています。
特に漂流したときの参考にはならないかもしれないけど、まあ、こんな対応策も時には有りかな…、ということで。

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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