エア切れをした経験から心がけている大切なこと

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先日の山中さんの連載で紹介したエア切れで死なないために知っておくべきいくつかの原因と対処法を読み、「あるある……」と自戒を込めて自らのエア切れを思い出しました。

あれは、何年も前、パラオのクルーズで潜った時のこと。

パラオの魚の群れ(撮影:越智隆治)

クルーズでは、エグジット後に新しいタンクにセッティングしてから休憩するシステムだったのですが、自分はグループのリーダー的立場にあり、他の方のトラブルに気を取られて、自分のタンクの交換をすっかり忘れてしまったのです。

残タンクはそのままスタッフによってダイビングボートに積まれ、乗船した僕はすっかり交換したと思い込んでいるので、バルブが開いていることとレギュレーターから空気がくることだけをチェック。

残圧計は見ずにそのまま器材を背負ってエントリーしてしまったのです。
この時、いろいろと水中でやらなければいけないことがあり、心ここにあらずの状態でした。

ダイビングを始めて15分。

あれ?呼吸の抵抗が強くて息が詰まるぞ…。
残圧形を見ると、なんとゼロ。

それなりに潜っているので、自分の呼吸の状態と水深でエアの減りはだいたい把握できています。
まさか15分でエアが無くなるわけもなく、え?え?どういうこと?と、一瞬、何が起こったのかわかりません。

とにかくエアを確保しなければと、とりあえず、後ろにいたアシストのスタッフにエアをもらいつつ、アシストと二人でエグジットするハメになったのです…。

タンクを交換して、エアがフルに入っていることを確認した〟と思い込んだ末の、単純なチェックの怠りと、陸上での心の乱れを引きずったままダイビングをしてしまったことが原因です。

単純なことですが、陸上で慌てるとロクなことがありません。

それでなくても、非日常空間である海の中にはストレスが多く(だから、楽しくもあるんですが)、だからこそ、潜る前にはリラックスして、海の中にストレスを持ち込まないのが鉄則。

呼吸を整え、あえてゆったりと時間をかけてルーティンを行なうことが大事だと再認識させられる出来事でした。

  • 海の中のことを想像する
  • 人より早めに行動する
  • スローな動作を心がける
  • 深呼吸する

かつてストレスダイバーだった自分が心がけたことを思い出しました。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
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〇NPOプロジェクトセーフダイブ
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〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
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