死なないためのダイビングスキル(第9回)

エア切れで死なないために知っておくべきいくつかの原因と対処法

セブ島のダイバーのシルエット(撮影:越智隆治)

水中で突然空気が吸えなくなる!?

どんな人でもミスはあります。
ついつい楽しくて残圧チェックを怠り、気がついたらエア切れ、ということもないとはいえません。

水中でエア切れになると、誰でも想像がつくように、生命の重大な危機です。

ダイビングで死なないために、自分の呼吸ガスをコントロールし、コントロールミスの際に対処ができるスキルが必要です。
でも、そもそも……

残圧計がある器材で何故エア切れになるのでしょう?

  • 楽しくて残圧計を見忘れる
  • 強いストレスで残圧計を見るゆとりすらない(海洋に出てはいけないレベルです)

ほぼこの2点が原因ですが、まれに「エアが残っていてもレギュレータから呼吸できなくなる」ケースもあり、考えられる原因は以下のようなものです。

  • バルブの開放が不完全
  • 残圧計が不備
  • 中圧ホースが破裂

それぞれの原因について考えてみましょう。

エア切れの原因と対処法

残圧計を見ていない

残圧計をチェックするのはダイバー本人の責任です。
もし、「誰も残圧を聞いてくれなかった」なんて言い訳をするダイバーは、体験ダイバーレベルか、意識が小学生レベルのダイバーです。

強いストレスで残圧計を見るゆとりがない

強いストレスで残圧計を見るゆとりがない人は、ストレスを軽減するためにプールで再度トレーニングをすべきです。
でも現実には強いストレスを抱えて潜っているダイバーが多いのも事実です。
これは認定をしたインストラクターの無責任さが原因です。

タンクバルブの開放が不可全

タンクバルブの開放が不可全な場合は、呼吸をするたびに残圧計の針が動きます。
バディチェックの際に残圧計を見ながら呼吸をする習慣を身に付けることで簡単に防げます。
もし見落としても水中で残圧計を見れば気づくことなので、残圧計を定期的に見る習慣を身につけることは大切なスキルです。

残圧計をチェックせずに潜り続け、深い所へ行って呼吸が速くなれば、空気供給が追い付かなくなり、レギュレータから呼吸ができなくなることもあります。
落ちついてバディの予備空気源をもらい、バディにバルブの開放してもらえば問題は解決します。
バディが近くにいることは大切な安全管理です。

残圧計の不備

残圧計を信じて疑わないダイバーはほとんどだと思います。
でも、ダイビング前の残圧がいつも周りの人よりも少ない、または少し多い。
こんなことってないですか?

時々ならこんな状況はあり得ることですが、残圧計の手入れが悪いと、残圧の値を正しく指さないことも起こりえます。
残圧がいつも少ない、または多い人は、残圧計を早急に点検することが必要です。

中圧ホースの破裂

残圧計が繋がっている高圧ホースの方が、高圧の空気が流れているので破裂すると大量のエアが漏れ出て、たちまちエア切れになると思っている方は多いと思います。
しかし、高圧ホースの空気が通っている部分は、針の穴のような細い管なので、破裂しても漏れ出る空気の量はそれほど多くありません。

一方、セカンドステージ(BCDも)の中圧ホースは、ホース内の径が太いため、破裂した際の漏れ出る空気は大量で、瞬く間に残圧が無くなります。

中圧ホースが破裂したらバディに頼るか、浅い水深ならそのまま浮上するしかありません。
ホースの破裂の原因は、ほとんどは劣化の進んだホースを使っているためです。

定期的なオーバーホールの時に、ホースの点検もする必要があります。
レンタル器材でレンタル料無料サービスしてくれている場合は、オーバーホールもしていないケースもあります。
潜る前にホースの劣化やひび割れを確認することもダイバーの責任です。

次回は、それでもエア切れになってしまった際に大切なことについて書きます。

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PROFILE
九州は小倉に生まれ、法政大学アクアダイビングクラブでダイビングを始める。

学生時代からインストラクターになり、認定したダイバーは数千人、NAUI時代にコースディレクターとしてインストラクターも多数養成。

インストラクターの集まったNPO日本安全潜水教育協会(JCUE、ジェイキュー)会長、雑誌「月刊ダイバー」ではDUKEヤマナカとしてダイビングテクニックのアドバイザーなどなど、比較的スキルや安全のことに比重を置いて活動している。