伊豆ダイバーにやんわりとオススメ。まぼろし博覧会
東伊豆の知る人ぞ知るアフターダイビング・スポットを取材してきました。
決して悪海況のため潜れなかったわけではありません。決して……。
アオリイカ見たかったな〜(遠い目)。
さて、僕らのように、近場の海へ潜りに行き、悪海況で潜れなかったら
ダイバーたちはどうしているのでしょうか?
東伊豆の通りがかりのガイドさんたちに聞いてみました。
・川奈《ジェスター》の鬼頭健介さん、
・八幡野《ダイビングショップ海好き》の福田航平さん、
・富戸《イエローフィン》の佐野健太郎さん、
・富戸《inside》の仲裕介さん
「伊豆の場合、すべてが潜れないことはないので潜る場所を変える」、
「海況で中止になるようなら、前日や早朝に知らせるのであまりない事態」というのが、皆さんの共通のご意見。
そんな事態にハマってしまった僕たちはどうしたらいいのでしょう……。
「ごく希にそういうこともあるね。うんうん」と励ましながら教えてくれたことによると、東伊豆は観光スポットとしても知られているので、
陸上の体験教室のようなものをオススメしているという。
陶芸やガラス細工作り、陸上散策ツアー、蕎麦打ち体験など。
ボウリングや水続館なんてご意見も。
伊豆高原はローカル感あふれる博物館が無数にあることでも知られますが、
当たり外れ、好みの差がはっきり出てしまうので、あまり人気がないとのこと。
ただ、その怪しさゆえに皆さんが共通して気になっている博物館がひとつあります。
それが、
名前を見ると怪しいということを自覚しているわけですが、
その中身は本人の自覚を超えて怪しさ全開。
受付からして、貞子のようなマネキン……。
ここでテンションが上がるか下がるかが楽しめるかどうかのリトマス試験紙。
ここでは書けないような本のラインナップがズラリとならぶ「まぼろし書店」
を抜けて「世界古代文明」ゾーンに行くと、巨大な聖徳太子(大仏?)が目の前に。
「狂っているね」「狂っていますね」と話し合いながらも、
僕といぬたく君はニヤリ。ワクワクが止まりません。
古代文明らしくエジプト文明に出てくる神様たちの像が立ち並びますが、
その奥には女性のマネキンたち……。
キャプションが思い浮かびません。
ダイバーとの共通を探してみると、
かろうじて「海底遺跡の模型」がありました。
ひと通り見終わると、その先は行き止まり。
出口はどこだろうと見渡すと、まさかの今来た道をそのまま帰るという
狂った導線がたまりません。
次に「昭和の時代を通り抜け」ゾーンへ。
果てしなく説明が難しいマネキンが出迎えてくれます。
「受付より若干、愛想がアップ!?」
とりあえずキャプションは無理やり書くしかありません。
昭和の授業風景は混沌としているようです。
昭和といえばジョーははずせるもんですか。
そして、最後はやはり来た道を足早にそのまま戻ります。
最後に、「魔界神社祭礼の夕べ」ゾーンへ。
撮影者のいぬたく君が写真を送ってくれた時の、
「一応アップしてもいいだろう、というものを選びました(笑)」という
言葉に集約されているように、
いろんなことがもうギリギリ過ぎてほとんどがアップできません。
アップできるギリギリの写真
この博覧会、かなり意見の分かれる物件だと思われます。
「つまらない」「怖い……」と敬遠されても仕方ありません。
「悪意に満ちている」「何か憑いてきそう」なんてご意見も。
ただ、僕といぬたく君の共通の感想は「愛にあふれている」。
途中から二人で感動すらしていました。
さりげない資料的価値の高さもさることながら、
ディテールへの注意の払われ方は“狙って”できるものではありません。
しかし、そのディテールにこそ愛があふれていると同時に、
狂気に満ち満ちていて、心をつかんで離さないのです。
例えば、作文を書こうと思う時、通常は構成を考え、
全体のラインの中で文章を落とし込んでいく人が多いでしょうが、
こちらは、とりあえずプロットはあるものの、
冒頭から、詳細に、5Bくらいの濃い鉛筆で、筆圧高く書いている感じでしょうか。
凄まじい集中力で、手が真っ黒になるのもおかまいなしに……。
一種の強迫観念的な世界観を感じます。
「もっといたい」と後ろ髪を引かれつつも
次の予定のため博覧会を後にしたのでした。
僕ら取材班の評価は「1200円の入場料を払う価値あり」でしたが、
「100円でも嫌」という評価でもそれはそれで納得です。
ですから、伊豆で潜った際はぜひ!とはなかなか言いづらいのですが、
「せめて、潜れなかった時に、どうですか?」くらいでよろしくお願いします。
って、お願いしている僕らは若干すでにファンだったりします(笑)。