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バーチャル船内捜索!チューク(トラック)諸島の沈船ダイビング(レックダイビング)を360度動画で体感しよう閲覧無制限

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行ってきたレポ
チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

平安丸の船内

世界随一の沈船(レック)ポイント、チューク諸島

ミクロネシア連邦のチューク諸島は、1989年までトラック諸島と呼ばれていた地です。

第一次世界大戦後の1919(大正8)年に日本の統治下に入り、その地理的な重要性の高さから、旧日本海軍の一大拠点が置かれていました。
チューク諸島を取り囲むように形成されているチューク環礁は、太平洋の湖と称されるほどの穏やかさ。日本統治時代は、この世界最大級といわれる周囲200kmの環礁内に多くの旧日本海軍の艦船が停泊していました。

しかし、チューク環礁は、1944(昭和19)年2月17〜18日、アメリカ軍により大規模な空襲を受けます。このトラック島空襲により、約40隻もの艦船が沈没しました。
今回紹介するのは、いずれもトラック島空襲の際に沈没した船や飛行機です。時を経てなお、穏やかな環礁の海底で眠っている艦船たちは、圧倒的な存在感で見るものに迫ります。

沈船ダイビング(レックダイビング)が盛んな海外では、チューク諸島は有名です。アメリカでは、ダイビングスポットベスト10に数えられることもあります。
テックダイバーが集うほか、戦艦、プラモ、ゲームなど、ミニタリー関連好きも潜ると言います。
何度も潜り、慣れることで視野が広がり、発見が増えていく楽しみがあるため、リピーターの方が多いのも特徴です。

内部には、日常を感じさせる日用品が残り、また、激しい戦いを思わせる武器も積まれています。当時、船で働く人々は、どんな生活をしていたのか。何を食べ、何を行い、何を考えていたのでしょうか。

沈船ダイビング(レックダイビング)を
安全に楽しむために必要なこと

  • 事前のブリーフィングをしっかり聞き、必ずガイドの指示に従うこと。
  • 船内捜索の際には、閉鎖された空間や暗い場所もあるので、落ち着いて潜れること。
  • 狭いところを通ったり、中の砂を巻き上げるとうしろの人が見えなくなってしまうので、中性浮力のスキルはマスト。
  • 深いポイントに潜る際には、残圧管理に特に気をつけること。また、ダイブコンピューターの使い方を復習しておくこと。浮上や安全停止は、ガイドの指示のもと行うこと。

取材班が撮ってきた360度動画で
沈船ダイビング(レックダイビング)に出発!

今回は、実際に潜ったレポートと沈船の写真、そして、360度動画で臨場感たっぷりに沈船ダイビング(レックダイビング)の様子をお伝えします。
背景にある歴史に思いを馳せながら、過去へと思索を巡らせるアドベンチャーへと出発しましょう!

沈船ダイビング(レックダイビング)ポイント1
富士川丸

1940年に輸送用として徴用された貨物船です。長さ133m、重さ4960t。

船内の回廊が、タイタニックの水中シーン(一部)のロケ地として使われたことでも有名な富士川丸。
水深10~28m(船首10m、甲板20m、船倉28m)のアカマツカサが群れるポイントです。

回廊は今でも潜ることができ、途中にはトイレや洗面所も見ることができます。

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

回廊を抜けると沈没後50周年に沈められたメモリアルプレートもあります。
その周辺には、お弁当や水筒、長靴などの日用品が散乱。
当時、実際に使われていたものを見ると、想像力がかきたてられました。

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

洗面台のかけらには、東洋陶器(現在のTOTO)の文字があったり、通信用のテレグラフには、大阪布谷製作所の文字があったり。ぜひ、細部に注目してみましょう。

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

船倉では、零戦、96式の一部を見ることもできます。
なぜ、一部なのかというと、当時、米軍に捕まってしまった場合にその構造がバレてしまうこと懸念して、別々の船で輸送していたからだと言います。

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

360度動画で富士川丸の沈船ダイビング(レックダイビング)へGO!

mission▶︎ドラム缶を発見せよ!

沈船ダイビング(レックダイビング)ポイント2
平安丸

日本郵船が所有・運航していた貨客船です。横浜市の山下公園前に繋留されている氷川丸とは姉妹船なので、構造、性能がほぼ一緒です。
1941(昭和16)年に旧日本海軍に徴用され、特設潜水母艦となりました。

全長約163m、総トン数10,000t以上。チュークの沈船の中では最大級の大きさを誇ります。
その大きさゆえに、一度では全てを回りきることはできません。
今回は、先端部分を中心に潜ってきました。

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

船の側面に平安丸という文字がはっきり見えます。
貨物船ではなく、貨物と旅客の双方を載せる貨客船だったため、戦艦に比べ、内部の設えも豪華です。
日本郵船のマークがついたお皿、旧日本海軍のマークがついたやかんのほか、番号まではっきり見て取れる統制陶器も残っています。
電話、キリンビールの瓶、ワカモトの瓶、浄水器やシャワーヘッドなど、日用品も散在。

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

また、大砲の弾や魚雷、潜望鏡(夜用と昼用両方あり)などから、特設潜水母艦として使用された名残も感じ取れます。

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

外周や一部船倉は初心者から楽しめますが、船内は光が入らず狭い場所もあるため、上級者向けです。

360度動画で平安丸の沈船ダイビング(レックダイビング)へGO!

mission▶︎平安丸の「安丸」文字を発見せよ!

沈船ダイビング(レックダイビング)ポイント3
日豊丸

1941年に輸送用として徴用された貨物船です。長さ107m、重さ3,764t。

水深20m付近に船首のマストが見えてきます。
そして、水深34m付近の甲板でまず目を引くのは、甲板に残る装甲車。非武装時だったことから火砲こそありませんが、車体やキャタピラはその姿を留めています。

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

装甲車のほか甲板には、高射砲やトラックのフレーム、対戦車砲などもあります。
また、防毒マスクも落ちています。

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

深度を上げて、操舵室へ。
操舵室の保存状態が良好で、操舵機のほか、通信用のテレグラフや伝声管も残っています。特に日の光が差すと、当時のままの姿が美しく姿を現します。

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

周囲には、ギンガメ、サザナミトサカハギ、バラクーダなどが群れています。
通常コースの最大水深は36m。残圧管理は必須です。
DECO(減圧不要限界)ギリギリのダイビングとなるので、ダイビングコンピューターの扱いに慣れておきましょう。

360度動画で日豊丸の沈船ダイビング(レックダイビング)へGO!

mission▶︎トラックのフレームを探せ!(高難易度)

沈船ダイビング(レックダイビング)ポイント4
乾祥丸

1940(昭和15)年に特設運送船として徴用された貨物船です。長さ116m、重さ4862t。
保存状態がよく、また、海面と平行に沈んでいるので、船内捜索(ペネトレーション)しやすい沈船です。

船倉から入り、真っ暗な船内をライトを頼りに進みます。
エンジンの上部にある可動式の丸窓からは、光が差し込み幻想的な光景が広がります。

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お風呂には蛇口が残り、かまど式のキッチンには卵焼き用のフライパン、エンジンルームにはピストン、洗面所には痰壺も。
マストには、ソフトコーラルが茂り、クジャクスズメダイが群れていいます。

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暗闇の中、中性浮力をとり残圧管理をしながら進むため、一定以上のスキルが必要です。

360度動画で乾祥丸の船内捜索へGO!

mission▶︎卵焼き用のフライパンはどこだ?

沈船ダイビング(レックダイビング)ポイント5
一式陸攻(ベティ)

正式には、一式陸上攻撃機ですが、「一式陸攻」と呼ばれる爆撃機です。米軍からは、ベティ(Betty)というコードネームで、恐れられていました。
山本五十六が乗り、そして、撃墜されてしまった飛行機と同じ種類です。映画「永遠の0」では、スピードが遅かった一式陸攻の周りを零戦が囲んで守っているシーンもありました。

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

ブルーラグーンから15分くらいにあり、水深約20mと浅場のため、3本目に行くことが多いポイントです。
機体の周りや周囲のリーフには、魚が群れているため、フィッシュウォッチングにも◎

ジュラルミン製の機体は、いまだ錆びておらず、機体の内部に入ることができます。
翼にある小さな三菱のマークを探してみましょう!

少し離れたところには、エンジンも形を留めていました。

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

周辺には、トイレ、機関銃、酸素ボンベが落ちています。浸水していない酸素ボンベもあり、持ってみるとその1本だけ軽いのが分かります。

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

チューク(撮影:Motoki Kurabayashi)

360度動画で一式陸攻(ベティ)の沈船ダイビング(レックダイビング)へGO!

mission▶︎丸窓の数はいくつだ!?

■supported by TREASURES(トレジャーズ)

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ミクロネシア連邦チューク諸島では唯一となる、日本人が経営するダイビングショップです。空港やホテルがあるウエノ島に位置しています。
沈船からリーフダイビングまで幅広く対応。知識と経験が豊富なスタッフが揃っていて、特に、オーナーガイドのKEISUKEさんが語る現地のエピソードにはファンが多いとか。

■supported by ニューギニア航空

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パプアニューギニアの国営航空会社。25都市に就航しています。機内食の味付けが日本人好みと評判です。2018年9月〜首都ポートモレスビーと成田空港間にチューク直行便が就航しましたが、今は運休中。今後の復活に期待が高まります。

(スチール撮影:チューク州政府観光局 ⻘年海外協力隊 倉林元気、動画撮影:オーシャナ 積田)

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