いい感じの浮力

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たまにはダイビングの話でも(って、たまにかいっ!)。

ダイバーの駆け込みで一番多い悩みはもちろん中性浮力。
しかし、初心者が悩むのはわかるのだが、
100本を超えたような方からも結構多い。

思うに、この人たちはできていないんじゃなくて、
中性浮力という言葉というか、
幻想に惑わされているのではないかと思うのだ。


まず、こういう方たちは、中性浮力で中層にピタッと止まりたがる。
中には、「ホバリングするとどうしても体が上下してしまう」と
神経質なまでに悩む人もいる。

しかし、ガイドでもなければピタッとは難しい。

これらのピタッと症候群の原因は、よく言っているが、
中性浮力を説明するときに使う〝浮きも沈みもしない〟という言葉だろう。

そもそも中性浮力という言葉は、
英語の〝peak performance buoyancy〟という言葉からきているが、
本来のニュアンスは〝超いい感じの浮力〟って感じだろう。

〝浮きも沈みもしない状態〟と〝超いい感じの浮力〟。

何だか印象が全然違いませんか?

つまり、流れのある海で、呼吸したり動いたりしている人間が、
〝浮きも沈みもしない〟完璧な状態でいられるはずがない。

なので、少しぐらいフィンキックで調整するなどして、
気楽に適当に〝いい感じの浮力〟でいればいいのかなと。

とはいうものの、それはある程度がんばった人の話。
いきなり適当ではいつまで経っても適当なまま。
まずは、中性浮力の仕組みを〝理解して意識して潜る〟ことが
大事なのは言うまでもないが、
そういう理論上で理解するときに使うのが〝浮きも沈みもしない状態〟。

理屈を理解して、ある程度マスターできたら、
あとはズルしながら適当に〝いい感じの浮力〟と付き合うというわけだ。

ちなみに、実際に〝浮きも沈みもしない浮力〟と訳したご本人も
「ちょっと堅かったかな〜」と言っているし(笑)。

※「モルディブ潜る人、この指と〜まれ!」
http://diving-commu.jp/ceditorblog/item_1531.html

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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