いい感じの浮力
たまにはダイビングの話でも(って、たまにかいっ!)。
ダイバーの駆け込みで一番多い悩みはもちろん中性浮力。
しかし、初心者が悩むのはわかるのだが、
100本を超えたような方からも結構多い。
思うに、この人たちはできていないんじゃなくて、
中性浮力という言葉というか、
幻想に惑わされているのではないかと思うのだ。
まず、こういう方たちは、中性浮力で中層にピタッと止まりたがる。
中には、「ホバリングするとどうしても体が上下してしまう」と
神経質なまでに悩む人もいる。
しかし、ガイドでもなければピタッとは難しい。
これらのピタッと症候群の原因は、よく言っているが、
中性浮力を説明するときに使う〝浮きも沈みもしない〟という言葉だろう。
そもそも中性浮力という言葉は、
英語の〝peak performance buoyancy〟という言葉からきているが、
本来のニュアンスは〝超いい感じの浮力〟って感じだろう。
〝浮きも沈みもしない状態〟と〝超いい感じの浮力〟。
何だか印象が全然違いませんか?
つまり、流れのある海で、呼吸したり動いたりしている人間が、
〝浮きも沈みもしない〟完璧な状態でいられるはずがない。
なので、少しぐらいフィンキックで調整するなどして、
気楽に適当に〝いい感じの浮力〟でいればいいのかなと。
とはいうものの、それはある程度がんばった人の話。
いきなり適当ではいつまで経っても適当なまま。
まずは、中性浮力の仕組みを〝理解して意識して潜る〟ことが
大事なのは言うまでもないが、
そういう理論上で理解するときに使うのが〝浮きも沈みもしない状態〟。
理屈を理解して、ある程度マスターできたら、
あとはズルしながら適当に〝いい感じの浮力〟と付き合うというわけだ。
ちなみに、実際に〝浮きも沈みもしない浮力〟と訳したご本人も
「ちょっと堅かったかな〜」と言っているし(笑)。
※「モルディブ潜る人、この指と〜まれ!」
http://diving-commu.jp/ceditorblog/item_1531.html