はじめてのショップツアー 【FINAL】

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①ショップ選び編
②申し込み編
③移動編

とある海に到着。ショップの車3台が合流し準備開始。

何気なく「え?」って顔をしたミセスを見ると、
なんと『マリンダイビング』のお魚シールを見ているではないですか、おっかさん!

目が合うとミセスが寄ってきて、「あの〜。今日は何をやっているんですか?」


は、はう!?

それにしても、確かに自分はいったい何をやっているんだろうか?
リラックスするために来ているのに、なぜか緊張しているし……。

「いや、今日はたまには普通にダイビングを楽しもうと思いまして……」

聞けば、たまたま乗り合わせた車で、
愛読誌である『マリンダイビング』の和尚が、
「テ、テラって呼んでください」と緊張して目を泳がせながら自己紹介しているのを見て、
何のこっちゃと思っていたらしい。

ただ、まだバレたのはこの方だけ。内緒のお願いをして再び平静を装うことに。

各方面から集まったダイバーたちは3班に分かれていよいよダイビング。
僕の乗ってきた車を運転していた僕イケメン・イントラはボート班になり、
僕を担当してくれることになったのは、22歳のさわやかなイントラ。
冗談抜きにかわいい(注:男性)。そりゃイントラ目当てに潜りに行く気持ちもわかるってもの。

そのさわやかイントラが言う。「では、自己紹介しましょうか」

ア、アゲイン!?

確かに初対面の人もいるので仕方がない。
そして、やっぱり「じゃあ、こちらから」と僕がトップバッター……。

「寺山英樹と申します。テラって呼ばれているので、テラちゃんとかテラさんとか呼んでもらえると……」

何の進歩もない残念な自己紹介。
紙媒体以外ではエンターテイナーにはなれそうにない。

自己紹介が終わると、グループ6名のバディ分け。
ご夫婦と仲良し奥さまペアがいたので、
自動的に僕はひとり参加の同じ歳ぐらいの男性とバディを組むことに。

素敵な女性との出会いは叶わないが、
ダイビングを通じての男同士の友情もありだ。
隣同士でセッティングしながらいっぱい話かける。

テラ :今何本くらいなんですか〜?
バディ:16本です。まだまだ始めたばかりでハマっちゃって。
テラ :今日はどちらからいらっしゃったのですか?
バディ:埼玉なんですよ。
テラ :あ、僕も埼玉出身! 海なし県は海が遠くて大変ですよね〜。

なんて自然な会話!
「これがダイバー同士の交流? みたいな?」と
結構うれしい気持ちになってきたところで、バディから衝撃のひと言。

「ところで、今日は金ピカで潜らないんですか?」


は、はうっ!?

「きょ、今日は、金ピカで、潜ること、ありません。すいません……」
頭が真っ白になり、片言でなぜかあやまる。

もうこうなったらイントラにバレければいいやと、
バディにも内緒のお願いをしてダイビング。
そして、昨日書いたような衝撃のダイビングも無事に終わり休憩タイム。

更衣室で着替えていると、
Cカード講習を受けている他のショップの人たちと一緒になり、ついつい取材。

そのショップはものすごい数の講習生だったのだが、聞けば、
「キャンペーン中で、3万円代で取れる」というのがこのショップを選んだ理由の大半のようだ。
ふむふむ。やっぱり安さとか限定キャンペーンが効くわけだなぁ。
ちなみに、自分が講習をやるために設定した値段は7万5000円。
うん。太刀打ちできない(笑)。

また、新品の器材を買ったばかりの人に値段を聞いてみると、
ダイコンやウエットまで含め一式50万とのこと。
僕がざっと頭の中で値踏みしたところ(我ながら嫌なダイバーだ)、
量販店で42〜45万くらいだろうか。そんなにヒドイ話でもない。
もっといろんな人に聞こうとメモを取りにいったところで、
「ただ遊びに来たゲストだろう、俺」と言い聞かせ調査打ち切り。
器材の値段を聞きまくるゲストは、やっぱり変だもの。

もっとダイバーらしいことを聞こうと魚の話なんかを聞くと、
講習生たちにはやっぱりニモが大人気。おかしい。夢だったはずなのに(笑)。

着替えた後にジュースを買いにセンターの施設に行くと、
『マリンダイビング』を読んでいる人と目が合い、
「あ、和尚! というかマイミクです」、
「あ、はじめまして、いつもお世話になっております」と変な会話。
最近、どこにでもマイミクさんがいる(笑)。

結局バレたのはこの3人だけ。
何よりイントラに気付かれていないので
、このまま最後まで通そうと、
その後も普通にゲストとしてイントラさんと会話する。

しかし、いかんせん海の話をしていると、どうもシドロモドロになってしまい、
最終的に「ご職業は?」と聞かれてしまったので、
隠すのはいいが嘘をつくわけにもいかないので、ここで告白。
全部ゲロりました。う〜ん、あとちょっとだったのに。

車でずっと隣にいたイントラさんにも伝えると、
「あ〜和尚さんだったんですね! これで胸のつっかえが取れました」と。
聞けば、イントラ同士でも「どこかで見たことない?」とか
「何か嫌な胸騒ぎがする」的なことを話していたらしい。

やはり同じ業界の人間だと空気でわかるらしい。

そういえば、昔、おもしろうそうなのでショップの駅前キャッチに
ついて行ってみようと思ったことがあるが、
何度前をウロウロしても声かけてもらえなかった。
「海に興味ありますか〜」って声かけていたので、
「めちゃんこ興味あります!」って言う準備してたのに。

それに、癖でことあるごとにノートにメモってたし、
施設やエントリー口の写真を撮ったりしてたもんな。今思えば怪しいかも。

ということで、イントラさんには2ダイブ後にばれたのだが、
帰りの車でいろいろ話を聞けたので、まあ良かったのかも。
それに、やはり申し込みで来店したときから変だと思っていたらしいので、
変な空気の理由が尻の穴を狙われていることではないとわかって
僕イケメン・イントラも安心したことだろう。

そんなこんなでエピソードは尽きないのだが、また後で。
たったの1日でもはじめてのショップツアーは、
僕にとってはかなり刺激的でした。
やっぱり外から見るのと中から見るのでは景色が違うし、
お金を払って潜るかどうかでも同じ。
また、どこかに潜入してみよっと。リクエストあったらメッセください。

最後に、今回のツアーで最も印象的な言葉は、
晩御飯を食べながらロギングをしているときの、おばちゃんの言葉。

「お兄さん、イントラに向いているよ!
水中でよく人のこと見ているし、イントラなったほうがいいよ!

ありがとうございます。冗談抜きでちょっと嬉しかったです(笑)。

ちゃんちゃん。

※ちょっとお真面目な総括は次回。

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writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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