クソガキでした……

ミクシィ経由で、思いがけないメールをもらう。

「『マリンダイビング』を見て、ずーっと気にはなっていたのですが、
10年前に土肥101でNAUIのIQ受けませんでしたか？
で、そのとき落ちて、次回の沖縄でまた受けました？
もし、ひと間違いならごめんなさい」

おぉ！　受けましたとも、受けましたとも。で、
落ちましたとも、落ちましたとも。え〜ん（泣）。

とても懐かしく彼とメッセージのやり取りをしたところ、
「男女２名ずつ、計４名で受けましたよね」と
彼は鮮明にその時の様子を覚えているのがこっちはあまり記憶にない。

ただ、何度もネタで書いているように、
なぜＩＱ試験(指導団体によるイントラ試験)に落ちたかは覚えている。

試験の中に｢トラブルの発見＆対処」というのがあって、
トレーナーに耳打ちされたトラブルする役の生徒が、
わざとらしくトラブルを起こす。それを発見して対処するというわけだ。

しかし、僕はなぜかそのことを知らず(後で理由はわかったが)、
バディ役の人がトラブルを起こしているのを見て、
「バカだな〜」くらいに思って見ていたのだが、バカはこっち(赤面)。

その後、自分がトラブル役になったとき、トレーナーにトラブルを耳打ちされて、
｢え、そういうことなの！｣と理解したが、後の祭り。

まあ、何はともあれ、実力がなかっただけなのだが、落ちたと報告したら、
いろんな人に｢え！　あれって落ちることあるの？｣とびっくりされた。
はっはっは(泣)。

ストレスダイバーだったり、ＩＱ落ちたり、
びっくりするぐらいダメダメダイバーだったなぁ。
今、ダメダメダイバーの方、勇気がわいてきたでしょう？(笑)

その時の様子をいろいろとその時の様子を聞いてみると、
さらに自分のダメっぷりが浮き彫りに。

｢NAUIのIQを受けるには、
きちっとした身なりで、NAUIのロゴ入りのシャツ等を着なければならない、
という規定がありますが、寺山さんはサンダル履きで、
ロゴ入りシャツ着ていませんでした。
で、担当の人から初日に注意を受けていました(^^) 」

死んでくれないだろうか、この時の俺（泣）。
「一般常識のない若造イントラ」という話題をよく大人ダイバーから聞くが、
優しい目で見守ってあげることにしよう。

さらに、
「私も危うく落ちるところでした。
で、それを救ってくれたのが寺山さんなのです」

え！　俺、何かいいことしちゃったくさいかも？
ほめて、ほめて〜。名誉挽回のチャンス。

「学科講習のプレゼンのとき、私のITCを担当したコースディレクターは、
よく言えば実践的な教え方だったのですが、
IQに合格するためのコツのようなものを全く教えていませんでした。
だから、私のプレゼンは、教え方そのものは褒められたものの、
規定として言わなくてはならない部分があまり入ってなく、結果不合格。
で、二日目に再度やり直すことになりましたが。
私自身何がダメなのかよく分からない状態でした」

なるほどなるほど。

「寺山さんは宿が決まっていないということだったので、
私が予約していた101からすぐ近くの宿に一緒に泊まりました。
で、その日の晩に、プレゼンのコツを教えてもらい、翌日私は無事にパスできました。
ところが……教えてくれた寺山さんが不合格。
なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
結果が出た後、その場ですぐに寺山さんは次回の沖縄のIQに申し込んでました」

穴もってこ〜い、穴。ひと思いに入れさせてくれ、穴〜。

プレゼンのコツを偉そうに教えておいて自分は不合格。
コントに出てくるダメな奴ではないですか。
恥ずかしいよ〜。恥ずかしいよ〜。

それに、スルーしそうになったけど、宿が決まってないって何だ？
何だか、どうしようもなくダメな臭いがプンプン。

「その後、沖縄で合格したんですよね？
どうなったのか、結構気になっていました」

無時、合格しました。気にかけていてくれて嬉しい。

「寺山さん、マリンダイビングで随分活躍されていますね。
前回のマリンダイビングフェアのステージでクイズ出している姿見ましたよ」

人は成長できる、ってまとめでどうでしょう（泣）

あのとき僕はクソガキでした……

法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール／コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書：「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD：「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal