メキシコのダイビング旅行で盗難事件~海外旅行保険は入りましょう!~
前回の連載で、「次回は、どういう原因で耳抜き不良が起きるのかを解説していきます」と言ったのですが、その前に、私がちょうど先日タイムリーに遭った不幸についてお話しさせてください。
ユカタン半島のセノーテ、そしてジンベイやバショウカジキの群れで有名なムヘーレス島へ行く日本人ダイバーは、だんだん増えていますね。
メキシコシティーほど治安は悪くありませんが、やっぱり日本とは違ったメキシコならではの注意が必要です。
私はこれまでに20回以上ユカタン半島に通っており、何度かトラブルも経験しているのですが、今回は、私の年末年始旅行のダイビング器材盗難事件のお話です。
皆さんのご参考になればと思います。
セキュリティーがあるはずの駐車場で盗難発生
メキシコは車上荒らしが多い事で有名です。
これまでは、24時間セキュリティーのガードマンがいる有料駐車場、あるいはゲート付きのホテル専用駐車場を使用してきました。
今回の駐車場は、道路に面していて、ゲートはなかったものの防犯カメラが設置されていて、真横がレセプションで人の目が届くという、安心できそうな環境でした。
ですので、レンタカーにはダイビング器材を入れっぱなしにしていたのです。もちろん外からは見えないトランク内です。
しかし、その駐車場で盗難事件が発生。
恐るべし、メキシコ。
録画機能のない防犯カメラ
ダイビング9日目の朝、ダイビングに出かけようと車に行ってみると、トランク内に2つ置いてあったメッシュバッグのうちの1つがなくなっていました。
よく見ると、運転席の鍵が壊されていたのです!
どうせ出てこないとは思いましたが、保険の盗難証明書をもらうためにも、すぐにレセプションで警察を呼んでもらいました。
現場でとても簡単な(!)事情聴取を受け、防犯カメラがあることを話すと、警官はフロント係に話を聞きに行きました。
でもなんと、モニターは見ているだけで録画機能がなかったのです。
そして、深夜帯は後ろの仮眠室みたいなスペースで寝ていたというのです。
これじゃあ路上駐車と変わらないなぁとぼやく私。
これぞメキシコ!
保険のための盗難証明書が欲しい!
保険に使う盗難証明書を欲しいと警官に頼みました。
しかし、書類関係は警察の事務部門の仕事で、自分たち保安の警官の仕事ではないと言われ、事務係の警官がいるという場所を教えてもらいました。
雨の中をとぼとぼと保険会社に電話しながら10分ほど歩いていってみると、そこはまるで観光案内所のような小屋。
そこに警官はおらず、近所のお土産屋さんに事情を話して訪ねたところ、20分ぐらいしたら来ると思うよと言われ、待ちぼうけ。
やっと警官が来て事情を話すと、保険の書類ならばministerio publico(英語でpublic ministryと思われる)に行けば書いてくれるといわれ、場所を教えられました。
すぐにタクシーを使って行ってみると、土曜日だから今日は書けないと言われ、本当にそこが証明書を書いてくれるところなのかどうかをしつこく確認し、帰国前日の月曜日に出直すことに。
すっかりたらい回し。さすがメキシコ!
なんとか、盗難証明書をゲット!!
そして月曜日の朝、再度役所にいってみると、なんと1時間待ち。
やっと順番が来ると、そのおばちゃんは英語がまったく話せない。
なんとか英語が出来る若い女性に変わってもらいました。
その女性に訊ねると、書類の即日発行はしませんとのこと。
明日帰国なので、何とかしてください!と、どことなく日本人ぽい目もとの女性に頼み込むと、じゃあ何とかしましょうと言ってくれて、30分もかけて書いてくれました。
警察との連携は何も取れておらず、こちらの言い分通りにただ書いてくれるのです。
メキシコは適当だなあ、これじゃあ偽って申請書を手に入れることも出来るじゃん、などと考えてみたり。
最後に115ペソ(1000円ぐらい)を請求され、安いけど盗難証明書が有料とは。アメリカや日本では考えられないなあ。
う〜む、やっぱりメキシコ!
帰りには、乗る前に値段確認をしてあったのに、待たせていたタクシーに待機料金をふっかけられ、あ〜メキシコはめんどくさい。
海外旅行保険には入りましょう!
保険申請の手順
現地から盗難被害に遭ったことの第一報を保険会社へ入れると、まずは事故受付が終了です。
盗難証明書が手に入らないときには、同行する旅行者の証言が必要で、それも無理ならば証明書が入手できない理由を自分で書きます。
そうなった場合には、保険が絶対に降りるとは限りません。
事故受付は、帰国してすぐに連絡することも出来ますが、この様な指示を現地でしてくれるので、早いほうが何かと有利。
指示された通り、帰国後に再度保険会社に連絡を入れ、必要書類をそろえます。
まず、紛失した品物のリストを作成。
ブランド名、購入時期、値段、販売照影所や領収書、あるいは保証書など、確かにその商品を持っていた事を証明する物があった方がいいのです。
海外のネット通販の明細書は、こういうときのためにとっておいてあります。
日本で買って領収証がないものは、購入したショップで販売証明書を書いてもらえます。
携行品保険は、盗難の場合には一つ10万円、合計30万円までと、いくら携行品の保険を多くかけても上限があります。
そして古い物は経年劣化の値段査定をされます。
ですから30万の上限を考えず、なくした物すべてをきちんと申請した方がよいのです。
こうして保険金申請を済ませ、今は審査待ち。
減圧症を含めた病気やケガのためにも、皆さんも必ず海外旅行保険に入りましょう!