パラオの海からマニアックに魚を語る連載スタート!

パラオのミッドナイトダイビング(撮影:坂上治郎)

パラオのミッドナイトダイビング

坂上治郎と申します。
この度、オーシャナの誌面を拝借致しまして、魚を中心とした水中生物に関する新たな発見などを個人勝手な視点から自由に綴れる機会を与えて頂きました。

自分のことはプロフィールページでも色々と書いてあるので、どういった人物なのかはそれで十分ご理解頂けるとは思いますが、初回ということで自己紹介も兼ねまして、もう少し詳しく書かせて頂きましょう。

自分はいわゆる魚キチ。
そう、単純に魚好きです。

とは言っても、守備範囲はそんなに広くはなく、特に好きな対象は魚の生態や行動観察でして、いわゆる生きている魚をじーっと見るのが趣味みたいなものです。

そんなわけで幼少の頃から魚を観察するのが大好きでした。

水槽で飼育する魚を見ながら、この魚はフィールドではどんな風に泳いでいるのだろう?
どんな生態を持っているのだろう?
と水中の世界に憧れていたのですが、ある時スクーバ潜水という、自分の人生に影響するテクニックを手に入れました。

実は大学を選んだ動機も、この大学なら部活動でダイビングができる!
というのが理由であったレベルでして…。

そんな趣味が高じて実際の仕事となり、今では研究としても必須の技術となっています。
自分にとってダイビングは一つのツールであり、特にこだわりはないのですが、最近はその魚を見るために深く行くための勉強などもしております。

パラオの内湾ダイビングポイント(撮影:坂上治郎)

パラオは「ブルーコーナー」など大物ポイントが有名だが、内湾ダイビングも面白い

そんなわけで、これからはダイビングがどう、というようなお話ではなく、パラオやその他の海域で見られた魚を中心とした、生物のライフヒストリーに焦点を当てて色々綴って参りたいと思います。

現在、自分のメインとなっている研究は、パラオでは有名なイレズミフエダイやバラフエダイの産卵行動に関する研究ではありますが、最近はミッドナイトダイビングという、魚の稚魚を筆頭とした浮遊系生物を観察したり、撮影したりするダイビングに、個人的にもハマっております。

パラオのバラフエダイの群れ(撮影:坂上治郎)

パラオのバラフエダイ

もちろん、ゆくゆくは色々な魚にまつわる生態ネタをご紹介したいとは思いますが、まずはそんなホットな話題を提供して行きたいと思います。

一般的なダイビングでは知られていない、ある意味未知の世界。
次回から開始する予定ですので暫くお付き合いください。

■写真/坂上治郎

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PROFILE
1967年東京生まれ。
北里大学大学院水産学研究科修士課程修了。水産学修士。
現在はパラオ共和国においてサザンマリンラボラトリーを主宰。
また、北里大学大学院水産学研究科博士後期課程にも在籍中。専門は魚類生態・行動学

主要な研究テーマは、内湾域におけるハゼとテッポウエビの共生における社会構造、フエダイ科における集団産卵行動生態、パラオ沿岸部における稚魚の出現動態などパラオの海洋フィールドを、昼夜水深を問わず幅広く活動。

分類学における研究も積極的に行い、最近のトピックとしては生きている化石である「パラオムカシウナギ」の発見・学術論文発表など。近年はパラオの淡水域や汽水域(マングローブ域)などの淡水魚類層調査にも力を入れている。

初めてパラオを訪れたのは1990年。
以降パラオの自然に取り付かれ、2000年にパラオに渡りガイドダイバーを経て、現在に至る。
現在もUOHARU DIVEのスタッフとしてガイドを行うことも!?

■主な著書はReef Fish Spawning Aggregations: Biology, Research and Management(共著、Splinger)。
他にマリンアクアリスト、アクアライフ(エムピージェー)の魚や水中生物に関する雑誌などにも寄稿。NEO魚、NEOポケット魚、NEOポケット水の生物(小学館)、魚・水の生物のふしぎ(ポプラ社)などに生態写真を提供。
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