ダンゴウオ、海の中で見続けたその生態
ダイバーならご存知の方も多いはずですが、ダンゴウオ科の魚達は腹びれが変形し吸盤状になっています。
これを使い、省エネ?生活を営んでいるのですが、吸盤が実際どのような形になっているのか、見た事のある方は少ないと思います。
何か別の生き物が寄生しているようにも見える吸盤。
実は吸盤のサイズには秘密があります。
オスとメスの吸盤のサイズが違うのです。
オスの方が大きい吸盤をもちます。
理由は繁殖にあり、オスは長い間、卵塊を守り続けなければいけません。
外敵やうねりが来てもガッチリくっ付き、守り通すために大きくなったと考えられています。
この日しか見た事がありませんがクロヘリアメフラシの殻に乗っている事も!
さらに、メンコガニの甲羅に乗り捕食を繰り返している、なんて事も!
昔、ダンゴウオが素手に乗った事がありますが、くっ付いた状態になると軽く皮膚をつかまれる感覚があります。
泳ぎだす一瞬前に解放されます。
面白い事に、その瞬間には必ず両目を揃えて泳ぎだす方向を確認するのです。
泳ぎだす時に関わらず、捕食しようとする時や繁殖期など、次のアクションを起こそうとする時に、生き物はしっかりその目標を両目でとらえているのですね。
そんな様子を感じ取れるようになるには、一種を長く観察し見慣れる事がポイントです。
目の前の小型甲殻類を捕食しようと狙いを定めているダンゴウオ。
このような場合、普段左右別々に動いている目の焦点がバッチリあいます。
この写真は、ダンゴウオではなくその仲間のホテイウオygです。
次の瞬間には泳ぎ上がりカメラのポートに張り付きました。
こうした瞬間にダンゴウオ科の魅力的な表情を撮影出来るチャンスです。