冬こそ潜りたい!宮崎・南郷の海〜ダイナミックな地形と多様なマクロ生物を満喫〜
世界最大級の黒潮が通る宮崎県の海。特に南部の南郷エリアではサンゴの種類が群を抜いており、2022年、2024年と次々に新種のサンゴが発見されるほど水中生物の宝庫となっています。
現地ショップのおすすめはなんと冬。11〜3月は透明度が格段に上がり、点在するダイナミックな地形は迫力が増し、魚群の美しさも一層際立つためです。
この記事では、南郷エリアで潜るべきダイビングポイントとその特徴を紹介し、オフシーズンである冬でも魅力的なダイビング体験を楽しむ方法をお伝えします。
南郷の海の特徴

新種のソフトコーラルが多数見られる南郷の海
宮崎の南部に位置する南郷エリアは、「サンゴの聖地」として知られる沖縄でさえ見つかっていない新種のサンゴが複数発見されており、サンゴの研究者や熱心なダイバーたちにとって、重要な観察地点となっています。
黒潮の影響により熱帯と温帯の水中生物が共有するユニークな環境が形成されているのが特徴で、透明度が向上する冬季は、アオウミガメやマダラトビエイ、多様な回遊魚に遭遇する確率も高いため、ダイナミックな水中体験が期待できるのです。
沖合に広がる大きな根には、様々な魚群や大物回遊魚が集まり、ダイバーのすぐそばを次々と通過していく圧巻の光景が広がります。
冬季には「ウミウシ天国」と称されるほど四方八方にウミウシが出現。また豊かなサンゴの恩恵により、エビやカニが通年観察ができ、マクロ撮影には「外れがほとんどない」と地元ダイバーからも高い評価を得ています。

色鮮やかなボブサンウミウシ。春の南郷ではほぼ観察ができます

人気のピカチュウ。1ダイブで10個体もの確認記録も

南郷では定番のイガグリウミウシ

ウミウシと判別しにくい珍しい個体、キッカミノ
マクロからワイドまで幅広い被写体が揃うこの海域は、冬のオフシーズンならガイドを独占できる環境で、じっくりと水中撮影に専念できます。フォト派ダイバーにとっては、まさに理想的なダイビングスポットと言えるでしょう。
ここは潜るべき!
南郷のおすすめダイビングポイント

冬は透明度も海況も最高潮(ダブルアーチ)
現地で活躍するインストラクターが太鼓判を押す、南郷エリアの必見ダイビングポイントをご紹介します。それぞれに異なる魅力があり、複数回潜っても飽きることがありません。
五本松
マクロ生物の宝庫として、水中写真愛好家に特におすすめなポイント。ピグミーシーホースなどの希少なマクロ生物と遭遇できることが大きな特徴となっています。ソフトコーラルの豊富さは日本有数と評されており、マクロ撮影を楽しみたいダイバーには絶好のポイントです。

マクロが豊富な五本松で見られるピンクスクワットロブスター 写真提供:スーパーナチュラル
初心者でも安心して潜れる浅場から、より多彩な生物が見られる深場まで、ダイバーのレベルに合わせた楽しみ方ができるのも魅力の一つ。特に冬季は透明度が20mを超えることも多く、水中写真の質が格段に向上します。
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ピグミーシーホースを浅いところで見ることができます!

ダイバーに人気のピグミーシーホースが水深18m程度と通常よりも浅いところ数おおく見られる
ちなみに、浅場でピグミーシーホースが観察できるだけでも大変貴重な経験ですが、ここはとても希少性高い黄色ピグミーや、妊娠中の個体に出会える可能性も高い場所です。特にお腹をパンパンに膨らませて生命を育む小さなアイドルの姿は愛くるしく、いつまでも見守りたくなります。

希少性高い黄色ピグミー

お腹ふっくら育児中ピグミー
灯台下
変化に富んだ地形が特徴的です。複数のアーチ構造が点在し、回遊魚が集まる光景は圧巻。壁面にはソフトコーラルがびっしりと生息し、スズメダイやキンギョハナダイの乱舞する美しい水中景観を楽しめます。
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南郷唯一というぐらいの地形ポイント
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ダイナミックな地形&回遊魚、カメにも会えます!探せばマクロも熱くて個人的には生態系が大好きなポイント!

ダイナミックな地形が広がる
また、ムチカラマツやイソギンチャクをみつけたら高確率でエビカニが住んでいるので、自分で見つけて観察したり写真を撮ったりする楽しみ方もおすすめです。
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日南らしい多彩なエビカニに、黒潮の海らしい、いろんな種の幼魚も観察できます!

鮮やかなスジハナダイ

オレンジやイエローのコケギンポ

キサンゴガニのカラーバリエーションも楽しい
ガンガゼ城

ダイナミックな地形とソフトコーラルが繁茂する様子が一度に楽しめる
砂地の中にある大きな根の間に、ネンブツダイの群れやエビ・カニ類が驚くほど密集しています。ポイント名の由来となったガンガゼも豊富に生息しており、注意して観察すれば、間に隠れる小さな生物たちも発見できます。

ムレハタタテダイ

オルトマンワラエビ

レアなヒュプセロドーリス・クラカトア 写真提供:スーパーナチュラル
冬季の目玉は、ダイバーに絶大な人気を誇るウデフリツノザヤウミウシ(通称:ピカチュウ)の出現です。その愛らしい姿を撮影しようと、この時期に多くのダイバーが訪れる人気スポットとなっています。
また、希少生物のヒュプセロドーリスクラカトア、ヒズメコシオリエビ、キクチカニダマシなどが観察ができ、マクロ好きダイバーにはたまらない、訪れる価値のあるポイントです。
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とにかくウミウシなどのマクロ生物が多いです
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ウミウシパラダイス! その一言です笑

人気の“ピカチュウ”1ダイブで10個体 以上見られることも
コクセキ
キンギョハナダイやテンジクダイの群れが印象的な、色鮮やかなダイビングスポットです。根を中心に、まるでカラフルな花畑のようにソフトコーラルが広がり、多種多様な熱帯魚やエビ・カニ、ハゼ類などのマクロ生物が生息しています。
深場エリアには、ダイバーを魅了してやまないピグミーシーホースが生息。光が差し込む浅場では、まるで万華鏡のような色鮮やかな光景が広がります。
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ベテランからビギナーまで幅広いレベルのダイバーが楽しめる、バラエティ豊かなポイントとなっています。
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写真ではあまり映ってませんが…根に群れるキンギョハンダイが人気です!
ちなみにここでニタリザメとハンマーヘッド見たことあります!

時折現れるハダカハオコゼ 写真提供:スーパーナチュラル

おすすめのヨゴレヘビギンポ 写真提供:スーパーナチュラル

キビナゴを狙って回遊魚も! 写真提供:スーパーナチュラル
おすすめダイビングショップ
南郷エリアには、それぞれ特色を持った優良ダイビングショップが揃っています。初心者から上級者まで、あなたのニーズに合ったショップを選びましょう。
グリートダイバーズ


オーナーガイドの福田道喜さん
全国的なマスメディアからも取材を受ける知名度の高さも特徴です。スタッフの経験値が高く、地元の海を知り尽くしたガイドが、最適なポイントへと案内してくれます。
スーパーナチュラル


オーナーガイドの元日田眞和さん
冬場のドライスーツダイビングに不安を感じている方でも、経験豊富なインストラクターのサポートを受けて安心して海を楽しむことができます。アットホームな雰囲気で、リピーターも多いショップです。
ナイスダイブ


オーナーガイドの田中智史さん
家族や友人グループにも最適で、ダイビングをしない同行者も楽しめるプログラムが用意されています。一日を通して海を様々な形で体験できる、ユニークなショップです。
これらのショップは宮崎県スキューバダイビング安全対策協議会(安対協)に加盟しており、安全管理と地域の海洋環境保全に積極的に取り組んでいます。特にサンゴ保全活動に力を入れていて、オニヒトデの駆除やモニタリング調査、地域での啓蒙活動なども実施しています。
まとめ
南国の島々を思わせる色鮮やかな水中環境が広がる南郷の海。とりわけ冬季は透明度が劇的に向上することから、澄み渡る青い水中景観がさらに輝きを増します。ダイナミックな地形と色彩豊かなサンゴ、多様性に溢れた生物が織りなす海の世界は、ダイバーに最高の体験を提供してくれることでしょう。
オフシーズンだからこそ混雑を避け、ゆったりとダイビングを楽しめるのも大きな魅力です。また地元のショップのきめ細やかな対応により、初心者でも安心して冬の海を堪能できます。この冬、非日常の水中アドベンチャーを求めて、宮崎・南郷の海に足を運んではみてはいかがでしょうか。
Sponsored by 宮崎県スキューバダイビング安全対策協議会




