43歳のおっさんダイバーからの結婚報告

カップルダイバーのシルエット(撮影:越智隆治)

夏はいろいろ浮いた話が耳に入ってくるのですが、皆さんは、良い出会いはあったでしょうか?

今年、一番印象に残ったのは、沖縄で出会って結婚した43歳のおっさんダイバー。
「恥ずかしながら、26歳の子と結婚することになりまして……(照)」と報告があったわけですが、くっ、う、うらやまし……くなんかない! ことにする!(笑)

このおっさんダイバー、なぜ、印象に残っているかといえば、以前、ガイドの女性を好きになったという相談を受けたことがあったから。
あれから3年。新しい出会いを見つけて幸せを見つけたようで。

おっさんダイバーいわく、「ダイビングって次から次へと出会うでしょ。婚活にこれほどいい趣味ないでしょ。なんで、和尚(僕のあだ名)は海に行きまくっているくせに、40にもなって結婚できないの?」。

爆発しろ、はげ。

お祝いとして(ちょっぴり嫌がらせとして)、その当時の記事を以下再掲しときます。

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以前、『マリンダイビング』の僕の分身である和尚が連載しているコラム「スキルアップ寺子屋」で、40歳のオッサンから恋の相談がありました。
先日、その相談者であるMさんと実際にお会いする機会があり、その後、驚きのエピソードを聞いたのでご紹介します。

(質問)

40歳のヤングなオッサンであるMさんが恋をしたのが、沖縄の25歳のガイドさん。
内地の子で、シーズンは沖縄に住み、冬場は東京に帰ってくるので、お誘いして食事をしたり、飲んだりしていたそうです。

沖縄にいる間はメールのやり取りは頻繁にしていたものの、なかなか進展しない恋の展開に思わず、「付き合ってくれ」と言ったこともあるそうですが、遠距離は辛いと言われ、結局、冬だけ会う関係が4年も続いていたとのこと。

しかし、募る想いに、「プラトニックだけど、会ってくれるってことは気がないわけではないだろう? 和尚、どうしたらいい?」と和尚に相談するという暴挙に出たというわけです。

(和尚の返答)

アイタタタ。胸が苦しく痛い。
よし、たまには気を使わずに思ったことを言ってみよう。

目を覚ますのじゃ!

40歳のプラトニックなんぞ、気持ち悪いだけじゃ。おえぇ~~。

いや、恋人同士でプラトニックならいいが、プラトニックな片思いをしていいのは37歳までじゃ(注:当時の自分の年齢……)。
遠距離が辛くて付き合えないというのは理解できるが、好きな気持ちを伝えて、4年も経って男女の関係がないなら脈なしじゃろう。

ひょっとしたらお財布オジサンになっているかもしれないぞ。
それでもいいという割り切り方ももちろんあるが、プラトニックとか言っているのはナシ!

といっても踏ん切りつかんじゃろうから、けじめをつけるためにも再度、きちんとお付き合いを申し込み、断られたら、「もう会いません!」と潔く引くか、「記念に1発だけ!」と土下座するか、オジサンの気概を見せろと、ちょっとだけ下のオジサンは思うわけじゃ。

あ、何だか自分に言っているようで、目から熱い水が……。

どこかの海で会ったら、酒くらい付き合うぞ。お主のおごりで。

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(3年前の僕の返答)

我ながら(?)ひどいアドバイスです(笑)。

なぜか、恋のお悩みはよく来るのですが、だいたいは背中をひと押しすればうまくいくだろうと思われるケースが多く(この方たちが典型です→残圧20の水中プロポーズ)、そんなリア充間近なダイバーに舌打ち……祝福してばかりです。

そんな中、このMさんの場合は、明らかに、賢い女性ガイドさんとかわいそうな常連おじさんという構図だと思ったので、おもしろくて……ゴホン、かわいそうで、おもしろおかしく言いつつも、割と強めにアドバイスをしたわけです。

付き合うことはまずないと思ったので、呪縛から解き放つ、あるいは、自覚しつつ楽しい関係を築いてもらえればよいと思っていました。

あれから半年。

とあるイベントで初めて会ったMさんは、とても柔和な印象で、そして、意外なことになかなかのイケメン(失礼!)。
真っ黒に日焼けしたMさんは、その後、和尚のアドバイスに若干イラッときたらしく(笑)、きちんと告白しようとこの夏、彼女のいる沖縄に行ったそうです。

そこで、彼女を呼び出し、お付き合いを通り越して、プロポーズ。
返事は、まさかのOK。

本当にプラトニックな恋愛をしていたのですね。
和尚にかわって、失礼しました。
そして、彼女も過去の経験から、体のいい断り文句ではなく、本当に真剣に考えたうえで「遠距離が辛い」と言っていたようです。

いやいや、手紙の断片的な情報だけでは、真実はわからないものですね。
そして、先入観は怖い。

僕がこの手紙を読んだ時、脂ぎった秋葉系の男性を勝手に思い浮かべてしまいましたが、こんなにイケメンだと知っていたら……。
やはり会ってみないことにはわからないものです。

以上、とりとめのない話でしたが、それにしても、ダイビングってやっぱり出会いがあるんですね~。
今月も再来月もダイビングを通じて出会った二人の結婚式に出席予定ですし、先日のフェスでは3組くらいの方からお付き合い報告がありました。

今年の夏も世界中の海でこうしたダイバー同士のカップルが誕生するのでしょう。
あ、でも、その何倍もの屍が海に沈むのかもしれませんね(笑)。

グアムのダイビングショップGTDS(Guam Tropical Dive Staion)

世界屈指の透明度の海で働こう!

なんて記事を3年前に書いていたのですが、結局、このガイドさんとは1年で別れたそうです。
やっぱり遠距離が原因だったのかと思ったところ、「それもあるけど、やっぱり若すぎて話が合わなくて……って、また若い子かっ(笑)」

なんてね、じゃないよ!

ま、好きにしてくださいな。

海でよく出会う、40代独身ダイバーの希望となればとご紹介してみたのですが、なんでしょ、このモヤッとした若干の不快感(笑)。

あ、最後に一応、結婚おめでとうございます。
陸でも海でもバディとして、お幸せに。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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