10歳の次男、はやと君がPADIジュニアオープンウォーターを取得! ~パパの越智隆治カメラマンも胸熱~

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小さなカメラアシスタント
ジュニアオープンウォーターに挑戦!

フィリピンのアニラオフォトコン(4th Anilao Underwater Shootout)の期間中、取材のアシスタントとして10歳の次男・颯友(はやと)を連れて来ていた。
何をやらせたのかというと、

  1. 自分が審査員なので、動き回って撮影できないから、イベントやジャッジの様子を撮影させる
  2. 荷物番
  3. シャイな自分の代わりに交友関係を広げてもらう

といった感じ。
最初から「遊びじゃなくて、仕事だからな」と言っておくと、10歳でもそれなりに役に立とうと頑張ってくれるものだ。

しかし、初日に審査員が乗るダイビングボートに一緒に乗せてもらって出かけたものの、ダイビグできるわけでもなく、私たちが潜っている間は、船上で留守番。
ボートクルーはいるけど、一緒に遊んだり、あまり話すでもなく、ボ〜ッとしていたようだ。

水面休息中、一緒にスノーケリングはしたものの、待っている時間が長くて、リゾートに戻って来てからも「暇だ〜、暇だ〜」と連呼してるし、リゾートもフィリピンにありがちな外から隔たった狭い敷地内にありダイビングに特化している。
プールはあるけど、遊ぶところもないからすぐに飽きてしまっていた。

審査員が滞在するフォトコンのメイン会場になっているACASIA DIVE & RESORTのゼネラルマネージャーには、事前に日本人、あるいは日本語を話せるインストラクターがいれば、滞在中にジュニアオープンウォーターを取らせたいので見つけてもらえないかと相談していたけど、「なかなか見つからない」との返事だったので、アニラオには、日本人ダイビングサービスは無いのかなと思っていた。

しかし、到着2日目の夜に開催されたウエルカム・カクテルパーティーで、アニラオにある日本人ダイビングリゾート、アニラオ・ヴィラ・マグダレナ・ダイブリゾートのオーナー、大沢義生さんと出会い、息子のことを話すと、「何なら、私がJr.OW講習しますよ」と言ってくれた。

「フォトコンに参加されてるのに、いいんですか?」と聞くと、「大丈夫です。プールは無いけど、ハウスリーフが穏やかだから、そこで限定水域もできるし」ということで、次男に「どうする?」と尋ねると、二つ返事で「やる!」との回答。

お言葉に甘えて、早速、翌日からJr.OW講習をスタートした。

長男の海友(かいと)も、10歳の時にJr.OWを取得している。
奴の時には、一緒に受講する仲間がいたからか、タイのシミランクルーズで、楽しそうに講習を受けていた記憶がある。

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海洋実習では、余裕な感じで、フィンを脱いで砂地の感触を楽しんだりしていた。

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さて、次男颯友のJr.OW講習は……。

カエルの子はカエル!?
講習ドキュメント

基本、最大深度が12mまでと、18mまでの違いはあるとはいえ、ほとんどがOWと同じ講習内容。
とは言いつつも、インストラクターによって、あるいは、子供のその時の様子によっても、厳しさはそれぞれな印象もある。

今回は、まずは約3時間の教材ビデオを観た。

重要な部分は、同じ内容を何度も繰り返す内容でもあるし、大人の自分が付き合っていても長いと感じる。
10歳が一人で、3時間このビデオを見続けるのは、かなり退屈だったに違いない。

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ビデオを観たあとは、BCDやレギュレーターなど機材のセッティング、取り扱い方を学ぶ。

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準備完了!

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実際のスキルを実践で学ぶ、限定水域。
通常は、プールだけど、今回はハウスリーフで行った。

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<水中スクーバユニットの脱着>

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<マスク脱着>

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<中性浮力>

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<緊急スイミングアセント>

上記の他、マスククリア、レギュレーターリカバリー、中性浮力で泳ぐ、ホバリング、水中でのウエイト脱着など、30以上のスキル講習を行った。

2日目には、ハウスリーフの水深の深いエリアに移動して、同じスキルを繰り返したあと、周囲をファンダイブ。
2ダイブ目には、ノーマスクで1分間泳ぐなんてのもやり、通常は10歳の子だとなかなかできないんじゃないかなと心配したけど、それなりにこなしていたのには感心した。

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「すごいじゃん! 普通、大人でも怖くてなかなかできないよ」とエキジット後に声をかけると、「マスク取るのは大丈夫なんだけど、マスククリアした後が目がしみて痛いんだよ」と余裕な発言も出るほど。
最初に少し耳抜きができなかった以外は、ほぼ順調にこなしていった。

午後には、筆記テスト。
とは言っても、大沢先生が説明をしてくれて、4択から答えをチェックしていく感じ。
ダイビングコンピュータの使い方も教えてもらっていた。

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3日目には、ボートダイビングでバックロールエントリー。
これも最初は怖がるかなと思ったけど、躊躇することなく、1回でオッケー。

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<躊躇することなく、バックロールエントリーで海中へ>

海中では、たくさんの魚たちに遭遇し、ファンダイビングを楽しんだ

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これで、Jr.OW講習終了。
最後に仮の認定証を大沢先生から渡されて、本当の認定証用の顔写真を撮影して無事終了!

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<仮の認定証を先生から受け取る颯友>

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<本認定証用の写真撮影>

最後は、お世話になった大沢先生と奥さん、それにスタッフたちと一緒に記念撮影をして、滞在先のリゾートに戻った。

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成長した横顔に
思わず涙がこみ上げる

その後、リゾートでファンダイビングを2本。
フィリピン人ガイドが一緒に潜ってくれたので、自分はその横で撮影。

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もう耳抜きも問題なくて、ガイドも側で見守っているだけ。

ガイドがたまに指さす魚もしっかり見えているようで、「あの青い、小さい細長いのはウツボの仲間?」「あの灰色のと、白とオレンジのと黒い生き物は何? え?オオモンカカエルアンコウ? なんで全部同じなのに、色が違うの?」とたくさんの魚たちに興味津々。

ガイドにも「取ったばかりとは思えないよ。本当に上手」と褒められて、少し嬉しそうにしているハヤト。
ダイビング中に、ゲージやダイブコンピューターを確認しながら、まだちょっと大きめのフィンで一生懸命にダイビングしてる姿に、思わず涙がこみ上げてきた。

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<擬態するオオモンカエルアンコウにもすぐに気がついた>

長男の時は、まわりにたくさん応援して、思いっきり褒めてくれる母がいて、一緒に潜る仲間がいた。
でも、こいつの場合は全部が一人。
先生はいるけど、ついているのは、褒めるのが苦手な父親のみ。

一人黙々と講習を続け、父が心配していた耳抜きも、マスククリアも、バックロールエントリーも淡々とこなしていた。

アニラオに来る前とJr.OWライセンスを取得して、ファンダイビングを楽しむようになってからのハヤトの顔つきは、明らかに違った。
ダイバーになったというだけではない、何かを成し遂げたという大きな自身に繋がっているのだろうということは、表情を見れば一目瞭然だった。

思いがけない旅先での次男のJr.OW取得は、僕にとっての今年の重大ニュース、いや、ここ数年の重大ニュースになった。

オーストラリアに出発の日の朝、ZIPで「今年の私の重大ニュース」を街頭インタビューで聞いていたのを観ていて、妻が「今年の母の重大ニュースはね〜、海友が中学生になったことと、颯友がダイバーになったことだよ〜」と朝ご飯を食べている颯友に伝えた。

同感しながら頷いてみる。
もちろん颯友本人もそうだろうと思っていたら、「え、俺はね、友達が道で派手にすっ転んだことかな」。

「え〜、そんなこと? ダイバーになったことは?」「ん〜・・・まあ2番目くらい?」と相変わらずクールなのでした。
まあ、何はともあれ、おめでとう!
これからまたいろいろ一緒に潜りに行けるといいな。

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writer
PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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