これはもう潜水事故である

ども、太陽系なんとかの中の人です。
事故というのは全く予期しないタイミングで起こる……というより、予期しないタイミングで考えても見なかったことが起こるからこそ事故になるのだ。
その悲劇は、モルディブダイブサファリのダイビングドーニ(ダイビング用のボート)の船上で起こった。私はこのような悲劇、もしくは惨劇が二度と繰り返されないように、あえて、勇気を振り絞って、ここに書き記しておこうと思う。かなりショッキングな内容となるので、みなさんも心して読んでほしい。いや、読まない方がいいかもしれない。


(以下、自己責任でお読みください)
それは3日目の2本目のダイビングでの出来ごと。スポットへと向かうドーニの上で、私はウェイトベルトを身につけ、船内中央のカメラ台に寄りかかって、これから潜るであろうチャネルの風景に思いを巡らせていた。
すると、向かいに座っていたカメラマンの北さんが、突如苦痛に歪んだような表情を浮かべると、腹を押さえながら編集長テラに向かって必死に何かを耳打ちする。エンジン音がうるさいダイビングドーニの船上ということもあり、北さんのささやきはほとんど聞こえない。かろうじて聞こえたのは「ボ……スーツ…すげえ…ボ…ス…あんなボボ……ツ見た……無い」。北さんに耳打ちされたテラの顔は、見る見るうちに真っ赤に上気していく。直後、意を決したように立ち上がったテラは、私のそばに歩み寄ると「ミツハシさん、ちょっと動かないでください。とにかく、ぜったいに動かないでください。危険です。危険すぎますから」と叫ぶように告げると、私の後ろにあるカメラ台からカメラを取り出した。
……今回のモルディブで私が身につけていたウェットスーツは、3ミリのロングスリーブのシーガル(長袖半ズボン)。これはダイビング用ではなく、数年前、茅ヶ崎に住んでいた頃にサーフィン用に茅ヶ崎のダイクマで、6000円というダイナミックな価格で購入したもの。とうぜんサイズなどフィットするわけもないのだが、水温28度とかのモルディブなら、まったく問題なく潜ることができていた……いや、しかし、気づかぬところで大きな問題は起きていたのだった。
「ミツハシさん、つらいとは思いますが、私はダイビングジャーナリストとして、まずはこのできごとを写真にきろくしおかなければならない。これは、ダイビング業界のために、そしてあらゆるダイバーのために必要なのです。つらいでしょうが、私もつらいのです」そう、私に言いながら、涙目でカメラをかまえるテラ。目の前の北さんは相変わらず、「ボ……スーツ…すげえ…ボ…ス…あんなボボ……ツ見た……無い」と意味不明の言葉を吐きつづけて、お腹をおさえて苦しんでいる。
そして撮影された悲劇の瞬間がこれ
……これはひどい。この3日間、ずっとこんなだったなんて、もうこれは事故。間違いなく潜水事故認定。申請したらDAN JAPANから保険金が降りると思う。
……ってかそれより、「ボボスーツ、ボボスーツ」言いながら笑っている北さんもどうなのよ。小学生か? ってかボボスーツって何よ。 さらにいうなら、そんな私の股間写真をうれしそうに撮影しているテラだって赤フンなわけで……

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