小笠原の海はイルカか? マグロか?
前回に引き続き、ガイドブックを作っている小笠原について!
あ、ガイドブックの予約が始まっているので、興味ある方はぜひ〜。
『ニッポンの世界遺産 小笠原』
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以前、所属していた会社でのこと。
小笠原の特集をめぐって、編集長と担当の編集者が大ゲンカしたことがありました。
「小笠原はイルカだろ〜!」「いえ、小笠原はマグロです!」、
「バカヤロー、マグロのわけないだろ!」「ここは譲れません! 僕の小笠原はマグロなんです」
当時、小笠原に行ったことがなかった僕は、
どっちでもいいだろ……と思って聞いていたのですが、小笠原を取材してちょっと納得。
この島は人を熱くさせる何かがあるんです。
その後も「僕の小笠原」とか「私の小笠原」っていうセリフ、何度も聞きましたし。
ということで、今回の記事では「海の魅力」を考えてみます。
イルカなのかマグロなのか、サメなのか、それとも沈船なのか。
前回の話とダブりますが、こだわりは人それぞれ。
もちろんそうなのですが、僕の印象では”イルカ”や”マグロ”は、
小笠原の海を彩る飾りのひとつ。
小笠原の海に潜ると、もっと大きな空気感? 海水感?がビシビシ伝わってきます。
「この海、雰囲気あるよね〜」ってやつです。
で、そういう雰囲気がどこからくるのかを中層に浮かびながら考えたのですが、
もしかすると海の色なんじゃないかと。
ボニンブルーと呼ばれる小笠原の海は、とにかく青が濃くて、
陸上から眺めると迫力を感じてしまうほどの濃厚な蒼。
それでいて日本でも有数の透明度がある。これって潜っていて気持ちのいい海ですよね。
Photo by Matsushima Shoji
小笠原周辺の海にはリンや窒素が少ないため、それらを好むケイ藻がほとんど発生しません。
抜群の透明度はそのへんに理由があるわけですが、
独特の青も浮遊物や濁りのなさが関係しているんだと思います。
先日、小笠原のイラストエッセイを出版している松鳥むうさんが、
「小笠原の海の色は独特で、表現するのがすごく難しい」とおっしゃっていました。
プロがそういうんですから、ここの青はやっぱり特別なんでしょう。
青、藍、紺、群青、瑠璃などさまざまな表現があるブルーですが、
ボニンブルーはボニンブルーという以外の表現が難しい。
そんな特別な青を感じに……小笠原へぜひ!
ところで、冒頭の「小笠原はマグロ!」と頑固に言い張っていたのは、
このサイトの管理人まこ。実は彼も、小笠原ラバーのひとりなんです♪