鳴く魚

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プロフェッサーぱぱもんの「我潜る。故に我あリ」

皆さんも海の日は潜りに行きましたか?

震災の影響で祝日のなくなったパパもんの大学では
18日の海の日こそ政治学の試験が行われ出勤となったが土・日と東伊豆を潜って来た。
もちろん、全員で「できもぐ」バンドを装着してね。

この時期、伊豆で最も多く見られるのはクロホシイシモチの群れ。
ところで、このクロホシイシモチ、オスが「口内保育」をすることは有名だけど、
「鳴く」って知ってました?

一般的にいって、海の中ではいろんな音がしてにぎやかだ。
船のスクリュー音、ダイバーたちが出す音、またパパもんは聞いたことがないけど、
地震のときの地響きに似た音はすごいらしい。
サカナの群れが通り過ぎるときだって、ザザザという音が出ている。
パラオの「ブルーコーナー」では海の流れがゴーゴーと唸りをあげる嵐の風音のようで迫力がある。
ただ、スキューバだと自分の排気音にかき消されてしまうのか、気がつかない人も多いみたいだ。

クロホシイシモチを含め、一般に「イシモチ」と名のつくサカナ
(ちなみにイシモチという標準和名は存在せず、
魚屋でイシモチという名で売られているのはスズキ目ニベ科のシログチなんだけど)
は英語でCroakerと呼ばれる。この語を逆に辞書で引いてみると、
まっさきに出てくるこの語の意味は「カエルやカラスなど<ガーガー>鳴くもの」とある。

カエルは喉のあたりについている鳴嚢(めいのう)を使って鳴いているのだが、
クロホシイシモチたちが使うのは浮き袋。
浮き袋の内側についている特殊な筋肉を使って浮き袋を振動させ、共鳴させて鳴いているのだ。

同じような仕組みで「発声する」のがホウボウで、
この命名の由来はその鳴き声が「ホオブオッ」と聞こえることからつけられたとする説もあるくらいだ。
もっとも実際の鳴き声は「ホウブオッ」というよりヒキガエルの様な「グワッグワッ」に似ている。
これが実はラブコールであり、春から夏にかけての産卵期に海底にホウボウの群れがいるときには、
夏の田んぼの蛙のように騒がしい。

他の仕方で「鳴く」サカナもいる。スズメダイの仲間がそうだ。
彼らは縄張り意識が非常に強く、他の魚やダイバーが自分のテリトリーに近づくと、
ヒレを広げたり、カチカチという音を出したりして威嚇してくる。

スズメダイの仲間であるクマノミの場合、このカチカチ音は小さな歯をぶつける「歯ぎしり」の音だ。
クマノミはこの「カチカチ」音以外にも、喉の骨を擦って出す「クックッ」という威嚇音も発する。

スズメダイなどサンゴ礁に住む魚は、
自分に脅威を与える別の魚を怖がらせて追い払うために音を出すと言われている。ホントかな。

少なくともパパもんは彼らの気丈な必死の抵抗も、可愛いとは思うけど怖いと思った事はない。
だけど油断していると本気で噛み付いてきて、下手をすると流血の事態にさえなりかねないからご注意を。

 

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