ダイビング界の勘違い①

最近、ダイビング界にある勘違いで気になるものがいくつかある。
せっかちな僕は一気に書いてしまいたいのだが、
もったいないオバケが出るので我慢してひとつずつ。
今日は、中性浮力の英語訳について。
Peak Performance Buoyancy


中性浮力=“ピーク・パフォマンス・ボイヤンシー”。
こう思っている人がかなりいる。
ネットで調べると、
多くのイントラまでもがそう思っていることにちょっと驚く。
これは単にPADIのスペシャリティの名前。
直訳すれば、
“浮力に対してさ、最高なパフォーマンスしちゃおうぜ”
ってな感じか。一部、訳しきってないが。
コースの中身の中心は、そりゃ中性浮力になるが、
中性浮力がピーク〜ではない。
ネットで調べると、
“最高の中性浮力”なんていう人までいる。
中性浮力の英訳には“neutral(ニュートラル)”とか
balance(バランス)”とかが使われる。たぶん。
PADIのスペシャルティ名が一人歩きしてしまったのだろう。
“中性浮力”という言葉を作った人とたまたま今日話していて、
そのことを言うとビックリしていた。
その方は“ニュートラル”からいろいろ連想して作ったそうだが、
中性浮力はいい線だと思う。
しかし、ポジティブ・ボイヤンシーとか
ネガティブ・ボイヤンシーを訳すのが難しく、
特に後者を“マイナス浮力”と訳したら、
「浮力なのにマイナスってのはおかしい」とか
いろいろ反論もあったそうな。
でも、スキルの記事を書く立場から言わせてもらえば、
プラス浮力とマイナス浮力は便宜上、使いやすい。
個人的にはそれで良かったと思う。
とまあ、薀蓄を語ってしまったが、
中性浮力は“ニュートラル”。この語感がとってもいい。
“浮きも沈みもしない”とかいうから難しくなっちゃうのだと思うのだ。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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