死にそうに……
本日、日記2本目。
と〜っても誤解を与えるかもしれない。
しかも、恥をさらすことになるので書くかどうか迷った。
ただ、日記ということで書く。
まず、ダイビングって、
やっぱり簡単に死ねる!
改めて実感した。
実は、安良里でパニック寸前になったのだ。
スーツの浮力実験をしていたのは前の日記の通りだが、
その実験は水深20㍍のデータも必要としていた。
しかし、ビーチの水深は浅く、水深20㍍はかなり遠い。
そこで、水深15㍍付近に「ちょっと待ってて」と
仲間を置いて一人でダッシュして20㍍を目指す。
息が上がってくると、心臓はバクバクしてくる。
運動による心臓のバクバクもストレスによる心臓バクバクも
同じ心臓バクバク。
つまり、僕のストレス度はグンとアップしてしまう。
やばいかも。
不安感が増す。
そして、独りぼっちがさらに不安感を加速させる。
エアも微妙。
ここで一度立ち止まり、目をつぶり息を整える。
次第に落ち着いてくる。
そんなときにハプニング。
ウエットスーツがひとつない!
そう。ヒモからスルリと抜けて浮いていってしまったのだ。
このウエットスーツは借り物。怒られる!
何とか見つけなくては!
ストレスはまた急激にアップ。
一人で急浮上気味に水面まで浮上すると、
ラッキーなことにスーツはすぐに見つかった。
しかし、水面から見たエグジット口は、
びっくりするほど遠く、さらにストレス度アップ。
再度潜降し、もう20㍍のデータはあきらめ、
引き返す。
とにかく早く帰りたい。焦る。心臓バクバク。
ついに呼吸が「ウッ、ウッ」とつまってくる。
それに合わせて体がビクンっとなる。
パニック寸前。残圧も30しかない。泣きそうに不安。
浮上したくてしかない状況。
何とか15㍍の仲間と合流したが、
すでに残圧は10。
オクトをもらおう。
しかし、一人がオクトなし。
もう一人はエア2だったが、“ダメ”のサイン。
さらに、もう一人は視界の中に見つからなかった。
しょうがないので、一人でエグジット口に向かう。
水深10㍍でエアが切れたので緊急スイミングアセント。
タンキャリでエグジット。
疲労困憊。そして、自己嫌悪。
反省点を考える。
●準備&シミュレーション不足
水中に課題を持ち込むときは、
準備とシミュレーションが大事。
もちろん、僕もしたつもりだったが甘かった。
まず、水深20㍍がそれほど遠いという情報を逃した。
さらに、計画にないことをしてしまった。
弁解の余地がない。
●ハプニングへの合理的な対処できず
ウエットがなくなったとき、
取りにいかないのがベストだった。
そんなもん、金で弁償すればいいだけの話だった。
●単独&激しい運動
自分の力を過信した。15㍍地点から20㍍地点までは
すぐ近くだろうと甘い判断のもと、一人で行動。
しかも、ダッシュ。なかなか到達せず、焦り、
さらにダッシュ。引き返すべきだった。
ほかにもいろいろあるが、
とにかくありえないダイビングを久しぶりにしてしまった。
大反省。久しぶりに“死ぬかも”って思った。
と、同時に人は簡単に死ねるもんだ、とも思った。
ビギナーだとしたら、例えば大瀬崎の湾内だろうと、
はぐれてしまったら不安感でパニックになる可能性がある。
あの加速する心臓バクバク状態を抜け出すのは本当に難しい。
“はぐれたときの対処法”と“残圧管理”。
とっても当たり前のことの大切さを痛感。
また、激しい運動とストレスの関係、
海の中での単独の恐怖なども改めて痛感。
もっと詳しく分析して、いつかきちんと発表しなければならない。
最悪のケーススタディが自分とは……。
おろか過ぎる和尚の行動から、
ちょっとでも何かを得ていただければせめてもの救いだが……。
とにかく計画が甘すぎた。