由比漁港に水揚げされたメガマウスザメ。新たな発見も
2014年4月14日(月)朝、由比漁港にメガマウスザメが水揚げされました。
そのニュースは一般ニュースでも報じられましたが、シャークジャーナリスト・沼口麻子さんも当日の夜に改めてTwitterで報じています。
【正確な情報を流します】
本日、由比漁港に水揚げされたのはメガマウスザメ。全長4.4m。メス。重さは未計測。4月14日(月)早朝に定置網内で発見。7時頃に由比漁港へ水揚げされ、10時頃に東海大学海洋学部へ搬入。11時半より、冷凍保存。解剖日程等は今現在、公開されていない。
— シャークジャーナリスト (@sharkjournalist) April 14, 2014
定置網にかかっていたメガマウスザメが水揚げされ、その後、研究のために東海大学海洋学部に搬入されました。
詳しい生態がまだほとんど明かされていない、メガマウスザメ。
今回の水揚げにより、シャークジャーナリストの沼口麻子さんによれば、「新たな発見」もあったとのこと。
その沼口さんに、コメントをいただきました!
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シャークジャーナリストとして恥ずかしながら知らなかったことなのですが、「新鮮なメガマウスザメって、顔がひしゃげていない!」ということは私の中で、大発見でした!
どういうこと?と疑問の方もいるかと思いますが、私は、メガマウスザメって水揚げされたらクチャッってなって、海の中のボディラインが保てないほど柔らかいサメだと思っていたんです。
そしたら、そうじゃなかった…!
以下の2枚の写真を比べてみてください。
どちらも同じ個体のメガマウスザメです。
これは、大学に搬入されたメガマウスザメを撮影したもの。
メガマウスザメをウェブ上で検索すると、ちょっとひしゃげた感じの写真が検索でヒットしやすいかと思います。
この写真は、漁獲から2時間以上経過したメガマウスザメ。
私の個人的な見解ですが、見た目から判断するに、肉質が柔らかさそうで、海の中にいるときに近いボディラインを保てずに、顔がひしゃげてしまっているようです。
さらに皮膚にはうっすらと血が滲んできていつようにも見えます。
こちらは、定置網漁船の上に揚げた直後に撮影したもの。
ぷるっと弾力がある感じで、上の写真に比べたら若干硬そうに見受けられます。
全体的な身体のラインを保っていて、肌ツヤもいいですね。
血は滲んでいる感じはありません。
もう一度、繰り返しますが、この2枚は同じ個体。
ですが、前者の時間が経過している方はひしゃげていますが、水揚げ直後の鮮度の良い方はひしゃげていなかったのです!
(それにしてもわずか2時間程度でこんなに変化するとは、メガマウスザメは足が早い可能性がある?この日が日差しが強かったからか?とも、ふと思いました)
そういう意味では、杉浦太陽さんがブログにアップしている写真は、非常に貴重。
なぜなら、ひしゃげていないから!
こんなに鮮度の良いメガマウスザメの写真を持っている人は日本にほとんどいないのではないでしょうか。
そんな新たな発見があった、今回の水揚げでした。
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2014年現在、”背骨を持つ動物の中で一番最後に見つかった大型生物”である、メガマウスザメ。
これから少しずつその生態が研究されていくことと思います!
※2014/4/18 20:15追記修正
記事中の表記について、「メガマウス」となっていたところを全て「メガマウスザメ」に統一いたしました。