障がい? 不注意? 高速ジェット船がクジラに衝突

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セブンアイランド・友

今回海棲哺乳類とぶつかった高速ジェット船「セブンアイランド・友」 東海汽船ウェブサイトより

2016年2月6日午前8時50分ごろ、東海汽船株式会社が運航する高速ジェット船「セブンアイランド友」が、クジラとみられる海棲哺乳類と衝突する事故が発生しました。

この衝突により、乗員 5 名、乗客 69 名のうち乗員 2 名が軽傷を負い、乗客 7 名の方が船酔いなどにより体調を崩しましたが、皆救命道具などを身に付けて救助を待ち、無事だったということです。

現場は、伊豆大島(東京都大島町)の北西約13キロの海上。

この付近はクジラやイルカなどの海棲哺乳類も多く回遊する地域で、東海汽船の高速ジェット船の船内アナウンスでも、「海棲哺乳類と衝突する可能性もあるので、シートベルトの着用をお願いします」という旨伝えており、出港前には乗務員が、一人一人の席を見て回ってシートベルトの着用を確認するなど最善の安全策を施しています。

そもそもなんでぶつかった?
障害を持ったクジラの話

クジラと船が衝突することなんてあるのか? なんでぶつかったのか?
という話題が、ここ数日ネット上でも話題になっていますが、クジラと船がぶつかることはそう珍しいことではありません。

海棲哺乳類の撮影をライフワークとしている、オーシャナの越智カメラマンも海棲哺乳類と船との衝突は何度か見たことがあると言います。

ひとつは、スリランカでマッコウクジラの撮影をしていた時のこと。

「スリランカでボートにぶつかったマッコウクジラがいたんだ。その後、何回かその子に遭遇したんだけど、他のクジラたちに比べて、明らかに反応が鈍かったんだよ」

スリランカのマッコウクジラ(撮影:越智隆治)

―――今回の事故もそういうことでしょうか?

「(上記のようなことがあったので)だから今回の事故は、もしかしたら、聴覚とか、ソナーとかに障害があるのかもしれないとか思ったよ。確証はないけれどね。」

東海汽船によりますと、今回ぶつかったクジラの種別はまだ確認できていないとのことでしたが(2016年2月8日時点)、スリランカのマッコウクジラのように障害のあった可能性も否定できません。

―――スピードが速すぎたということはあるのでしょうか?

「スピードが速いと確かにぶつかる可能性は高まる。でも、マナティみたいにのんびりした生物でもぶつかるときはぶつかります。マナティは、プロベラの周波数が聞き取り辛いとか言うよね。なので、やはり個体差も大きいと思う。人間だって不注意はあるし。」(越智)

確かに、人間だって、車にぶつかりそうになったり、よそ見をしたりすることはあります。
この海域に棲む、クジラやイルカだって、不注意やよそ見をすることもあるのでしょう。
彼らも私たちと同じ、哺乳類ですからね。

ちなみに、「シロナガスクジラがタンカーにぶつかって、船の先端に遺体を乗せたままゴール近海からコロンボまで運ばれたことある」とも話していました。
(え、船よりクジラの方がはるかに大きいんじゃ・・・)

話が少しそれましたが、私自身、2014~2015年にかけて伊豆大島の観光大使をしていたこともあり、この高速ジェット船は、観光客のためだけでなく、島の住民の大切な移動手段だということも見て感じてきました。

今回は不運にもクジラと衝突してしまいましたが、これからも安全運転で走行してほしいと願っています。

船舶の海洋生物との衝突事故についてのお詫びとお知らせ(東海汽船発表原文)

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PROFILE
成蹊大学文学部国際文化学科卒業。
ナレーター、司会、ダイビング・モデルとして、TV、雑誌、モーターショー、トークショーなどで活躍。宝くじのキャンペーンガール「幸運の女神」では、46都道府県を旅する。

2013年からは、大物運・海況運をつかさどる「海の女神」へと転身し、舞台を海に変えてオーシャナの突撃体験レポートを担当。
潜水士資格も取得し、2014年は伊豆大島復興観光大使「ミス椿の女王」として、伊豆大島をはじめとした被災地復興支援活動にも尽力する。

「ダイビングがきっかけで、物の見方も感じ方も生き方も180度変わり、自分の周りまでもキラキラ輝き出したことを実感。 
いろんなことを体験しながら、たくさんの“きっかけ”を届けていきたいです」

【経歴】
・第25期 日本テレビイベントコンパニオン
・第11~12期 スバルスターズ
・第33期 宝くじ「幸運の女神」
・第23代 ミス椿の女王(2014.2~)
・第29代「ミス熱海・桜娘」(2016.1~)
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