激流の中でもスイスイ泳げる!?~サイドマウントのメリット~
今週はいよいよバレンタインデーですね。
先日大きめの紙袋を2つ購入しました。(準備OKです!)
さて、連載3回目です。
前回(タンクなしで楽々ボートエントリーも。サイドマウントのメリットとは)から始めました「サイドマウントのメリット」、今回は海中でのメリットについてお話させていただきます。
今回もシチュエーション&解説スタイルでお話しさせて頂きますね。
激流の中、すいすいと泳ぐタンクなしのダイバー!?
ようやくエントリーした我々は海中を楽しんでいた。
先ほどの船上での苦痛とはうって変わって、やはり南国の海は素晴らしい。
多くの魚に囲まれ、暖かい水温の中、その海を楽しんでいた。
大きな岩礁を右に周り込むと、突然強い流れを感じた。
先頭のガイドは岩を掴んで進むようサインを出す。
私は少しダイビングに自信があったので、「岩を掴んで進むなんて、みっともない格好できるか」と思い、岩を掴まずにフィンだけで流れに逆らって泳いだ。
だが、流れは思ったより強く、呼吸も荒くなり、フィンキックの数も上がってきた。
その時、私の外側(左側)を一人のダイバーが追い抜いて行った。
さっきの男だ。
私は「え? この流れの中、俺を追い抜くの?」と思った次の瞬間、我が目を疑った。
タンクがない!!!??
私の左から追い抜いたダイバーは、背中にタンクを背負っていなかった。
しかし、よく見ると、口元にはレギュレーターがあるようだ。
追い抜かれ、彼の後ろについた時、彼の左側面にタンクがある事がわかった。
そして、もう一人も続けて私を追い越して行く。
同じく、こちらもタンクを左側面に装着されているようだ。
しかもフィンキックはあおり足で進んで行く。
足をまっすぐ延ばし、ゆっくりとしたフィンワーク。
私はこの流れに逆らうために大きく、早くバタ足をしているのにだ。
口から吐かれる泡を見ても大きく呼吸が乱れる事もなく、穏やかに定期的な泡の放出。
彼らは流れを感じないのか?と疑ってしまった。
そして、彼らは私の前から消え去った。
熟練したサイドマウントダイバーの特徴
もし、タンクを背負っていないダイバーに海中で会ったら驚きますよね。
でも、シングルタンクサイドマウントダイバーであれば、十分あり得る光景です。
写真のように左側にタンクを装着したサイドマウントダイバーは右から見ると何も付けてないように見えます。
そして、熟練したサイドマウントダイバーであれば足は綺麗に伸びているでしょう。
タンクが正しく水平に装着されている事、そして足を延ばす事により、水中での水の抵抗は軽減されます。
また、併せてフィンキックも正面から見た体のスペースから大きくはみ出さなければ、水の抵抗も少なく推進力を生む事ができます。
(私自身も神子元の激流で実証済みです)
これはケーブダイバーに見られるスタイルです。
彼らは長時間、一定のスピードで泳がなければなりません。
そのため、水の抵抗を抑え、かつ少ない活動量で推進力を得るのは、空気と体力を節約するための重要な要素となります。
サイドマウントダイビングは、元々ケーブダイビングから派生しています。
ですので、ケーブダイビングの要素を多分に溢れているといえるでしょう。
ただ、このスタイルを維持するためには中性浮力は絶対的なスキルになります。
もし、ちゃんとした中性浮力や水平姿勢が維持できないと、この効果は発揮できません。
また、水中で足を延ばすと言う事も、実はウエイト等の重量配分を考慮しないと、この姿勢は維持できません。
例えば、バックマウントスタイル(普通のダイビングスタイル)で水平になり、足を開かずに延ばしてみてください。
もし、そのまま中層に綺麗に止まっていられれば、あなたはサイドマウントダイバーの素質があります!
足から体が沈んで行く、または体がどちらかに傾く、中層にとどまっていられない等々、うまくできない人の方が多いかもしれません。
でも、これらは器材構成(コンフィグレーション)やスキルトレーニングにより簡単に改善できます。
(コンフィグレーションやスキルについては、また後日詳しくお話させていただきますね)
正しい姿勢で、正しいフィンキック、これらがちゃんと維持できるようになると、体の不自然さや余分な動きが少なくなり、結果空気の使用量が抑えられます。
体のよけいな動きも少なくなる事で、疲労も少なくなるでしょう。
つまり「楽に泳げる」という事につながります。
ナイトロックスなんて使った日にはダイビング後にそのままディスコでフィーバーです!
いかがでしたか?
サイドマウント特有の泳ぎ方を説明させて頂きました。
でも、これらのスキルはバックマウントスタイルにも十分通用する部分もあります。
ぜひ、自分のダイビングスタイルをちょっと気にしてみてください。
次回も水中でのメリットについてお話しさせて頂きます。